ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.15(2016/08/19〜20) C

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(Update:2016/08/25)

 

【雪渓上部T(フリー練習・コブ)】

雪渓上部全景 残っているのは雪渓上部左側のみ− 上級者限定

現在、積雪が残っているのは、雪渓上部左側のみ。

今年は例年になく雪解けが激しく、他のエリアでの滑走が困難となり、モーグラーだけでなく、アルペンレーサーも多数お越しになり、雪渓上部左側のほぼ全域で滑走されていました。しかし、雪渓上部左側で安全に滑走できるのはモーグルコースのある右寄り部分と一番奥の左寄り部分で、中央付近は傾斜が強いため滑走には適しません。現時点では雪が柔らかく、滑走に問題ないところ状態で、これがお盆以降はバーンが硬くなり、バーン表面のギャップもひどくなって滑走困難な状況も考えられます。そのため、急斜面を滑落の危険性があるため、初心者の方の滑走は困難ですのでご承知ください。

 

今回の雪渓下端(上方66m)
2011年の雪渓下端(9月下旬〜10月上旬、61m)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2011/09/29〜10/01) B
2012年の雪渓下端(9月下旬、65m)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) C

雪渓下端は落書きの岩よりも上方66メートルのところにあって、昨年は10月末の時点ではこれよりも積雪が多い状態でしたので、昨年と比較することがもうできません。また、過去3年間はこれ以上の雪解けがみられませんでしたが、2012年・2011年、および、それ以前は今回と同じ程度の雪解けがみられた時期もありました。しかし、それでも9月下旬〜10月上旬になってからのことで、1ヶ月以上の開きがあります。

 

滑走バーンレイアウト(@、A)
赤枠:アイスバーン、赤色部分:滑走不適

今回は @コブライン、Aアルペンのポールセットという構成になっています。@は先週から作成されたコブで、ほぼ消滅しましたが復活させた模様。Aの付近にもコブがありましたがほぼ消滅しました。また、下半分の赤枠部分は凍結していて、ハイクアップ時には滑落の危険性がありますのでご注意ください。また、中央の赤色部分は斜度が強すぎるため、滑走はお勧めしません。

 

@ コブライン、コブはほぼ消滅しフリー滑走に − 肩の小屋スタッフ休憩時間に練習

こちらは@のコブラインの場所ですが、先週のコブはほぼ消滅しています。こちらは肩の小屋のスタッフの方。休み時間を利用して練習にお越しになっています。

 

ここでの雪上訓練はメンタル面でも強くなれる

今回はフラットバーンでのフリー滑走の練習。「山小屋で仕事しながらスキーの練習もできるって、そんな環境は他にはありませんよ。また、バーンの状態・天候条件・孤独に黙々と滑る...どれをとっても厳しい環境ですから、メンタル面でもやはり強くなっていかないとダメだと思います。」

わずか30メートルほどしか滑走できない環境ですが、制限された中でどのような練習が効果的なのか、それを考えることがウインターシーズンでのスキーへとつながって行きます。

 

翌日の@コブライン − 常連スキーヤーが滑りなおしてコブ復活

そして、わずかに残っていた先週のコブライン。翌日、常連スキーヤーがお越しになって滑走しなおした結果、再びラインが復活しました。

 

毎月滑走することが一つも目標 − 「もちろん、来月も来ますよ!」

毎月滑走することが一つの目標で「もちろん、来月も来ますよ!これだけ掘れれば、明日はちゃんとしたコブになると思います」と、おっしゃって、今日は下山されました。さて、来月は20日頃になると、紅葉を見ながらの秋スキーの時期になりますが、今年は紅葉楽しみながらの秋スキーができるでしょうか...

 

上端部分

それでは上端部分の様子をお伝えします。

 

今回の雪渓上端
2012年の雪渓上端(9月中下旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) C
2013年の雪渓上端(9月中旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2013/09/14〜15) D

上端部分は、昨年・一昨年以上の雪解けとなっていて、それ以前では、2012年では9月中下旬、2013年では9月上旬とほぼ同じ積雪状態で、3週間から1ヶ月ほど早い状況です。

 

上端から−雪渓下端まで53メートル
過去3年間より短く、それ以前の9月下旬〜10月中旬並み
積雪60センチ −今後、面積はさらに小さくなると予測

雪渓上部左側の上端から下端までの距離は先週の58メートルから53メートルに。2015年・2014年・2013年はこれより短くならず、さらにもう少し遡ってみると、2012年・2011年は9月下旬並み、2010年は10月中旬並みの状況で、2000年以降最も短い状態です。

そして、積雪は60センチ程度しかなく、今後の雪解けで、面積はさら小さくなることが予測されます

 

【雪渓上部 U(ポール練習)】

A ポールセット

それではAの左寄りのバーン状況をお伝えします。

 

お昼休みが終わって、午後の練習に入ります。

 

お昼寝が続く − スキーのポールに寄り添うように爆睡

気温は12℃、お昼寝にはちょっと寒いかもしれません。でも、下界の猛暑と比べると贅沢は話...スキーのポールに寄り添うように爆睡タイムが続きます。

 

下端部分の凍結 − アルペンブーツでも歯が立たない

下端部分は凍結がひどく、先端の固いアルペンブーツでも歯が立たないほど。

 

午後の練習開始

何とか登り切って、午後の練習開始です。

 

午後から青空が広がる

午前中はほぼ濃霧の中での練習でしたが、午後から青空が広がってきました。やはり、ロケーションがよくなってくると、モチベーションがアップするもの。

 

お昼休みに入った雨に降られて...お昼を中断して再び練習開始!

そして翌日。また別の常連グループがやってきています。朝一番は快晴だったものの、大雪渓に到着した時にはすでに濃霧だったとのこと。この日は12時頃に雨となりましたが、丁度お昼休みに入り、お弁当を食べ終わったと同時に降り始めたとのこと。おそらく、普通の方々なら、「それじゃ〜今日はこれでおしまいにしましょう!」となるところですが、そこが違います...

「このまま雨に降られたままでは、体温も低下しモチベーションも下がってしまうので、すぐに午後の練習を再開しました。」とのこと。筆者が訪れたのは13時頃で、おそらく、お昼休みを取らずに適当な時期まで滑り通して、下山してからお昼休みを取っていらっしゃるのでは思いましたが、さすがにお昼休みを中断して滑り始めるとは...さすがこの時期まで通い続ける意志の高さがあります。

 

雪がある限り10月末まで滑る! 安全対策 − ネットを二重に

雪がある限り10月末まで滑ると今年もおっしゃっていますので、多少のことがあっても何ら問題としません。ゴール付近にはネットを二重にするなどの安全対策も考慮されています。

 

これからバーン条件はさらに厳しくなる ここで練習するには技量・体力・雪渓の滑走熟度が必要

ただ、ここまでできるのは毎週通い続けているからこそのこと...これからの時期はさらにバーン条件が厳しくなりますので、ウインターシーズン目前の事前トレーニングなんて気軽にお越しになると、かなり痛い目に遭ってしまいます。

このバーンは年中通してトレーニングを続ける技量・体力が必要で、それに加えて、雪渓での滑走熟度が要求されます。

 

【雨に降られた肩の小屋は大忙し】

こちらは肩の小屋。

 

多くの登山客

山頂登山の途中にあり、今日は朝一番は非常に良い天気だったこともあって、今日も多くの登山者が訪れています。

 

軽食コーナー、お昼前はさほど忙しくなさそう...

お昼前で、山頂から下山の方が少ないこともあり、売店や軽食コーナーはさほど忙しくなさそう...

 

12時 − 急に雨が、急いでレインウェアを!

しかし、12時を回ろうとするころから、、急に雨が降り始め、急いでレインウェアを着用します。

 

せっかくの山頂登山も...

冬場のノリクラによくお越しになりますが、家族を連れてさすがに厳冬期のノリクラはちょっと無理...それでもノリクラを知ってもらおうと、今日ご家族でお越しになりましたが、あいにくの天候となってしまいました。

グリーンシーズンはまだまだ続きます。秋の紅葉シーズンにでも、ぜひリベンジにお越しください。

 

下山の登山者が押し寄せる 猫の手も借りたいほど忙しくなる

そして、軽食コーナーは猫の手も借りたいほどの状態に...「ネギが足らない・汁が足らない!洗い物が追い付かない!!天ぷら まだ揚がってないか!」 なんてバタバタしておりましたが、そんな忙しいのも夏のわずかな時期だけ。

7月の小屋明けから約1ヶ月半が経過し、10月上旬の小屋締めまで残すところ あと1ヶ月半。ちょうど折り返し地点です。もう少し頑張りましょう!!

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