ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2016/10/08〜10) B
【濃霧強風横殴りの雨、大雪渓避難小屋はオアシス】
大雪渓 − 濃霧強風・気温9℃ |
昼前から濃霧強風に加えて、雨もひどくなってきました。11時の気温は9℃。雨に濡れたままだと低体温症になる危険性がある状態です。
大雪渓避難小屋はオアシス |
ノリクラのオアシスといえば観光センターの食堂...いやいや〜、この状況においては大雪渓避難小屋がオアシス。
三本滝から歩いてやって来た − スマホで雨雲レーダー確認 |
三本滝から歩いて登って来たこちらの方々。スマホで雨雲レーダーを確認しますが、画面上の雲は思うように抜けてくれません。「これは上は無理ですね〜」
山頂から下山 − ずぶ濡れ、肩から湯気が |
...と、そこへずぶ濡れで入って来たグループは山頂から下山してきたところ。登山用合羽を着ていてもずぶ濡れになるほどの悪天候の中、ほとんど普段着に近い状態で、「ノリクラでも結構荒れることがあるんですね」と、肩から湯気が立ちあがっています。気温9℃で強風が吹き、全身が濡れているとなれば、低体温症になる危険性があります。
ノリクラはシャトルバスで山頂近くまでアクセスできるという点で、初心者でも容易に登ることができる高山として知られていますが、それは、登山距離が短いというだけのことであって、天候は隣にある穂高などと変わりありません。おそらく、穂高や槍に登山用具なしで登る方はいないと思いますから、ノリクラでもそれと同様に、悪天候に見舞われ場合を考えて装備しましょう。
「下山したら温泉に飛び込みたい」 =登山は、中からも・外からも、濡れないこと= |
「下山したら温泉に飛び込みたい」。今回のずぶ濡れ登山は良い想い出になるはず...登山は、中からも(汗)、外からも(雨)、濡れないことが先決!次回は装備を整えてリベンジしてください。
急いでシャトルバス下り便に |
そして、下りのシャトルバスが到着。全員が避難小屋に入っていると、バスが通過してしまう可能性がありますので、到着時刻が近づいたら、停留所付近に出向くようお願いいたします。また、ずぶ濡れのままでは、バス座席を濡らしてしまいますので、着席前に合羽を脱ぐようお願いいたします。
自転車の方も緊急避難 − 薄着なので登山者よりも危険 |
さて、登山の方々がシャトルバスで立ち去り、それと入れ替わりでやって来たのは下山途中のヒルクライマー。全身びしょ濡れで登山者よりも薄着ですから、身震いが止まらず、登山者よりも危険な状態といえます。登っている最中は、適度に濡れると体温上昇が抑えられてちょうど良いものですが、ヒルクライムを終えた途端、急に冷え込んできます。
再び出発 |
何とか体調を回復させて再び出発。登山の方々と同様に濡れない対策が必要かもしれませんね。
今回は三連休で、普段お越しになれない遠方からの方も多くお越しになり、日程の都合から天候回復を待つことができず、無理に行動されるケースもあったかと思います。また、経験不足から、中止すべき状況の判断が乏しく、今回はたまたま無事に済んだという状況が見られました。おそらく、少しでも体調が思わしくなかったら、低体温症になっていたと思われます。
「体調・装備・天候・判断」どれか一つでも欠ければ安全な登山ができないことを多くの方知ってもらいたいと思います。
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