ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.23(2016/10/15〜16)  B

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(Update:2016/10/20)

 

【雪渓下部・雪渓上部】

雪渓下部 今年は7月最終週に消滅

それではここからは雪渓の様子をお伝えします。こちらは車道沿いの雪渓下部ですが雪はありません。今年は7月最終週(第5週)に雪解けが完了しました。2015年は9月第3週、2014年は9月第2週、、2013年10月第1週、2012年・2011年・2010年は9月第2週、2009年は9月第1週に雪解けが完了しました。2004年・2005年は2年連続して雪解けが早かったですが、それでも、8月第2週・8月第3週で、7月中に完了するのは2000年以降初めてのことです。

 

【長野県安全登山条例について】
大雪渓入口に新たな看板が設置 【画像拡大:7月より登山届が義務化されました】

大雪渓入口に設置された「肩の小屋口登山口」の看板は、7月からは登山届の提出が義務化されたことを案内する内容が記されています。登山届義務化の概要については、 お知らせ−7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)(2016/04/13)。をご覧ください。

長野県は、「長野県安全登山条例」を昨年12月17日に公布・施行し、登山計画書の提出を義務付ける「指定登山道」を4月11日に決定し、昨日7月1日から登山計画書の提出を義務化しました。

条例の中では、遭難の発生のおそれが高いと認められる167の山岳と、1の景勝地を「指定山岳」として定め、指定山岳の山頂及び景勝地に至る主な登山道の起点となる122の登山口を「指定登山口」として定めます。その中で指定登山口から指定山岳の山頂及び景勝地までの区間にある登山道を「指定登山道」として定めます。

ノリクラにおいては、指定登山岳「乗鞍岳(朝日岳、摩利支天岳)」、指定登山口に「鈴蘭橋登山口、肩の小屋登山口」が指定され、指定の登山道の一部でも利用する場合は、登山届の提出が必要です。また、大雪渓でのスキー・ボードは、肩の小屋口登山道を利用しているものと解釈され、登山届の提出が必要です。

【ご注意:実際の登山道入口は大雪渓入口から車道を北へ50m先にあります】

ご注意:実際の登山道入口は車道を北へ50m先にあります

実際の肩の小屋口登山口

おそらく、この看板は設置場所の問題からここに建てられたものと思われますが、肩の小屋口登山口は大雪渓入口とは異なり、この画像より車道を北へ50メートルのところにあります。

 

雪渓上部全景 雪渓上部左側

現在、積雪が残っているのは、雪渓上部左側のみ。

先々週まではかろうじて滑走可能な状態でしたのが、もう滑走できる状態ではありません。積雪はまだ残っているものの、以下の画像を下されば、滑走できないことはお分かりになると思います。

 

先週の雪渓上部左側
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.22(2016/10/08〜10) C
今回の雪渓上部左側
縦18〜4メートル×横26メートル

全体的な大きさは先週とそれほど変わりませんが、雪解けが進行している様子がわかります。10月中旬であれば、例年ならほとんど雪解けが進まなくなってくる時期であることを考えると、思ったより雪解けが進んでいるといえます。大きさは縦18〜4メートル×横26メートルです。

 

今回の雪渓下端(145m)
2011年の雪渓下端(10月上旬、72m)
2011ノリクラ雪渓カレンダーVol.22(2011/10/08〜09) B
2012年の雪渓下端(10月下旬、72m)
2012ノリクラ 雪渓カレンダーVol.24(2012/10/20〜19) B

落書きの岩と雪渓下端は145メートルで先週と変わりません。昨年は10月末の時点ではこれよりも積雪が多い状態でしたので、昨年と比較することがもうできません。また、先週は2011年・2012年で10月上旬・下旬と近似の状態でしたが、これらの年はその後、降雪により積雪量が増えてしまったため、今週と近似の状態の物がありません。

 

先週の雪渓上部左側
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2016/10/08〜10) C
今回の雪渓上部左側

このように全景で先週と比べると、大きさに変化はなく、中央から右側にかけての部分で雪解けが目立っています。

 

先週の上端部分(雪渓の中央)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2016/10/08〜10) C
今回の上端部分(雪渓の中央)
先週の下端部分(雪渓の中央)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2016/10/08〜10) C
今回の下端部分(雪渓の中央)

こちらは雪渓中央部分。2週間前まで滑走していた箇所で、ほぼ先週と同じ状況です。

 

全景画像 − まだ雪解けが続き、大半は消滅の可能性

積雪はかなり薄くなり、このまま、雪解けが進めば、画像の左上側の広い部分が残る程度で、大半が消滅してしまう可能性がみられます。

 

【剣ヶ峰山頂へ登山、山頂付近からの富士山の眺め(白山岳)】

肩の小屋 − 今シーズンは営業終了 山頂への登山道

天気が良ければ、もちろん登山にお越しの方も多くなるわけですが、晩秋のノリクラは、例年なら、ほとんど冬といってもよいほど気候が厳しくなります。ただ、今年は全くその気配はなく、「秋の行楽」にピッタリなレジャー登山です。

 

結構、若い人が多い

このところ特に感じるのは、お越しになる方々の年齢層がやや若い模様。これまでにも若年層の方はお越しになっていましたが、ご家族と一緒にお越しのケースがほとんどでした。最近は若い人だけのグループでお越しになる様子が多くみられ、良いことだと感じます。

 

若い人へのサポートは将来への投資

「中高年層と違って、若い人が来てもお金を落とさないからなぁ〜」なんて、声が聞かれますが、それは将来への投資と考えるべきでしょう。また、少ないお小遣いで、ノリクラに何度でも来られるようにしてあげることが大切だと思います。

【山頂付近からの富士山の眺め(白山岳)】

蚕玉岳山頂 − 中央アルプスの位置

さて、こちらは蚕玉岳山頂。前方は乗鞍岳主峰の剣ヶ峰。その遠方には南アルプスなどの山並みがあり、今日のような空気の澄んだ日はパノラマが広がります。

夏場でも朝一番であれば、霞むことなくみられる風景ですが、午後になってもこのような光景が見られるのは、秋から冬の空気の乾燥したシーズンしか見られません。

その南アルプス方面を拡大すると(↓)。

 

拡大

山頂からの中央アルプス方面 北岳の隣に富士山(白山岳)を確認
=写真判定しないとわからない=

左が南アルプス方面を拡大した部分で、甲斐駒ヶ岳と北沢峠が特徴的ですから、ざっと見渡した時に見つけるポイントになるでしょうか。その北沢峠を右にたどると、富士山に次いで二番目に高い北岳。

右は北岳・仙丈ケ岳付近を拡大したもの。北岳の左肩に富士山(白山岳)が確認できます。画像の倍率は15倍で、35mmカメラで換算すると、750mmの望遠レンズになります。ここまで拡大してようやくみられる状態で、肉眼ではほぼ確認不可能です。また、最近のコンパクトカメラは、かなり高倍率の物がありますので、撮影は可能かと思われます。

 

参照:富士山地図(地理院地図)
【地図表示】

ただ、乗鞍岳主峰の剣ヶ峰や蚕玉岳から見えるのは、富士山主峰の剣ヶ峯ではなく、その北側にある白山岳です。なお、富士見岳からであれば、富士山主峰の剣ヶ峯を確認することができます。4ページ目にて富士見岳からの富士山主峰剣ヶ峯の様子をお伝えしておりますので、合わせてご覧ください。

また、今日のように空気が澄んでないとここまで確認できません。ですから、ノリクラで富士山が見えるかというと、×ではありませんが、○とも言えない状態でしょう。

 

絶好の登山日和

最近はスマホで遠景の画像を撮影すると、山の名前を表示してくれるアプリがあるようですから、そのようなものを活用するのもよいでしょう。

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