ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.24(2016/10/22〜23) B
【雪渓下部・上部 − 「20世紀の雪」は瀕死状態】
雪渓下部 | 今年は7月最終週に消滅 |
それではここからは雪渓の様子をお伝えします。こちらは車道沿いの雪渓下部ですが雪はありません。今年は7月最終週(第5週)に雪解けが完了しました。2015年は9月第3週、2014年は9月第2週、、2013年10月第1週、2012年・2011年・2010年は9月第2週、2009年は9月第1週に雪解けが完了しました。2004年・2005年は2年連続して雪解けが早かったですが、それでも、8月第2週・8月第3週で、7月中に完了するのは2000年以降初めてのことです。
【長野県安全登山条例について】 | |
大雪渓入口に新たな看板が設置 | 【画像拡大:7月より登山届が義務化されました】 |
大雪渓入口に設置された「肩の小屋口登山口」の看板は、7月からは登山届の提出が義務化されたことを案内する内容が記されています。登山届義務化の概要については、 お知らせ−7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)(2016/04/13)。をご覧ください。
長野県は、「長野県安全登山条例」を昨年12月17日に公布・施行し、登山計画書の提出を義務付ける「指定登山道」を4月11日に決定し、昨日7月1日から登山計画書の提出を義務化しました。
条例の中では、遭難の発生のおそれが高いと認められる167の山岳と、1の景勝地を「指定山岳」として定め、指定山岳の山頂及び景勝地に至る主な登山道の起点となる122の登山口を「指定登山口」として定めます。その中で指定登山口から指定山岳の山頂及び景勝地までの区間にある登山道を「指定登山道」として定めます。
ノリクラにおいては、指定登山岳「乗鞍岳(朝日岳、摩利支天岳)」、指定登山口に「鈴蘭橋登山口、肩の小屋登山口」が指定され、指定の登山道の一部でも利用する場合は、登山届の提出が必要です。また、大雪渓でのスキー・ボードは、肩の小屋口登山道を利用しているものと解釈され、登山届の提出が必要です。
【ご注意:実際の登山道入口は大雪渓入口から車道を北へ50m先にあります】 | |
おそらく、この看板は設置場所の問題からここに建てられたものと思われますが、肩の小屋口登山口は大雪渓入口とは異なり、この画像より車道を北へ50メートルのところにあります。
石碑の岩 | チングルマは見る影もない |
石碑の岩周辺はもう何もありません。
クロマメノキには実が残る | コケモモには実と葉が残っている |
残っているのはクロマメノキの実とコケモモの実。コケモモは常緑樹。このまま葉をつけたまま、越冬します。
雪渓上部全景 | 雪渓上部左側 |
現在、積雪が残っているのは、雪渓上部左側のみ。
3週間前まではかろうじて滑走可能な状態でしたが、もう滑走できる状態ではありません。積雪はまだ残っているものの、以下の画像を下されば、滑走できないことはお分かりになると思います。
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先週の雪渓上部左側 − 縦18〜4メートル×横26メートル ノリクラ 雪渓カレンダーVol.23(2016/10/15〜16) B |
先週の雪渓上部左側 − 縦14メートル×横6メートル |
ご覧のように、今週は積雪が劇的に溶けています。先週の予想通り、右側部分は溶けてしまい左側部分しか残ってなく、大きさは縦14メートル×横6メートルです。
今回の雪渓下端(155m) |
2011年の雪渓下端(10月上旬、72m) 2011ノリクラ雪渓カレンダーVol.22(2011/10/08〜09) B |
2012年の雪渓下端(10月下旬、72m) 2012ノリクラ 雪渓カレンダーVol.24(2012/10/20〜19) B |
落書きの岩と雪渓下端は155メートルです。昨年は10月末の時点ではこれよりも積雪が多い状態でしたので、昨年と比較することがもうできません。また、先週は2011年・2012年で10月上旬・下旬と近似の状態でしたが、これらの年はその後、降雪により積雪量が増えてしまったため、今週と近似の状態の物がありません。
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先週の雪渓上部左側全景 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2016/10/15〜16) B |
先週の雪渓上部左側全景 右半分が完全に雪解け |
先週の全体画像を比べると、右半分は、ほぼ完全に雪解けていることがわかります。
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先週の上端部分(3週間前の滑走部分) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2016/10/15〜16) B |
今回の上端部分(3週間前の滑走部分) 完全に消滅 |
3週間前に滑走していた部分はご覧のとおり...跡形なくすっかり消えています。
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先週の下端部分(3週間前の滑走部分) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2016/10/15〜16) B |
今回の下端部分(3週間前の滑走部分) 完全に消滅 |
こちらは下端部分ですが、こちらも完全消滅です。
1999年から続く「20世紀の雪」が完全になくなってしまう可能性が高い |
左側部分にある程度まとまって残っている箇所で縦14メートル×横6メートル(画像右)。今シーズンは10月になっても冷え込みがほとんどなく、後半に入ってもその傾向が続いています。そのため、大雪渓の融雪におさまりが見えません。このままのペースで雪解けが進むと、1999年から続く「20世紀の雪」が完全になくなってしまう可能性が高いと考えられます。
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