ノリクラ 雪渓カレンダー<最終号>
Vol.25(2016/10/29〜30) @
2016シーズン最後のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。10月に入っても冬の訪れを感じさせない今シーズンでしたが、29日(土)に初雪が観測され、9月30日の初霜、10月10日の初氷に続き、グリーンシーズンが終わった翌日の11月1日にようやく初雪となりました。当Websiteのグリーンシーズンの連載は10月末をもって終了しますが、詳細は2016シーズン終了に伴う 当WebSite、道路交通・各施設の営業終了と来年度再開予定をご覧下さい。
10月29日(土)は、晴から曇の微妙な天気の朝を迎え、上空は雲が足早に流れる不安定な雰囲気。乗鞍スカイラインは雨量規制と凍結の恐れから11時まで 通行止め。タクシーに乗り合って山頂方面に向かう登山客の姿がありました。カラマツが見頃を迎えたと同時に落葉もひどく、カラマツに覆われた路面はスリップしやすい状況。乗鞍高原から見た山頂方面は、雲にすっぽり覆われその様子は確認できないものの、大雪渓・位ヶ原から眼下に雲海が広がり、きれいな青空の一日でした。今週はまとまった雨にみまわれ、大雪渓の消滅が懸念されたものの、かろうじて残って、おそらく、今後は溶けずに残るものと考えられます。
10月30日(日)は、どんよりとした雲が低く垂れこめる朝。気温2℃で吐く息は白くなり、寒さというよりも冷たさが芯まで伝わってくる状況。低く垂れこめた雲はかもしかゲレンデからは見事な雲海となっていて、訪れたヒルクライマーは足を止めてその景色に感動します。この日は強風のため、10時まで乗鞍スカイラインで自転車通行止めでしたが、畳平・大雪渓では冷たい風が吹き抜け、10時の時点でマイナス3℃、到着したヒルクライマーもあまりの寒さに持ってきたものをすべて着込んでいました。午後になっても天候の崩れはなく、剣ヶ峰山頂には今季初めてのエビの尻尾がお宮の社などに張り付き、まだ初雪の訪れない状況の中、少しだけ冬らしい光景を見せてくれました。
<大雪渓>
先週からさらに雪解けが進んで、長さ10メートル×横6メートルとごくわずかに残る程度になってしまいました。しかし、下地の凍結部分が残っていることと、今後は降雨よりも降雪の方が多くなる時期になることから、1999年から続く「20世紀の雪」はかろうじて継続すると考えられます。
<紅葉>
紅葉については5ページ目でお伝えします。乗鞍高原の紅葉は広葉樹が終了に近づき、カラマツの紅葉が見頃になってきました。また、カラマツも落葉が目立ち、9月中下旬から始まった紅葉シーズンもこれで終了となります。
それでは、二日間の様子をご覧ください。
【10月29日(土) − 朝の観光センター駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時30分の観光センター前駐車場。天候は曇〜晴。気温10℃でこの時期としては高めの状況です。
強めの風が吹く | 乗鞍スカイライン通行止めでシャトルバス運休 |
上空の雲は足早に流れ、観光センター前駐車場でも強めの風が吹き流れています。乗鞍スカイラインは、昨日お昼に霙が降り、それ以降、凍結の恐れから通行止めが実施されました。本日はそれに加えて累積雨量が規制値に達し、引き続き通行止めです。
それに伴い、乗鞍高原からのシャトルバスも運休となり、各バス停に運休の旨の掲示が取り付けられました。
冬季閉鎖前に山頂登山にトライ | フェイスマスクで防寒対策バッチリ |
10月末で冬季閉鎖となることから、それまでに山頂登山に行ってみたいと思ってお越しになったこちらの方々。シャトルバスが運休となり、お困りの様子...フェースマスクも着用して防寒対策バッチリ仕上げたのにちょっと残念。
タクシーは通行可能 | こういう時はタクシーのありがたみを感じる |
岐阜県側の乗鞍スカイランは通行止めでも、長野県側の県道乗鞍岳線は通行可能なため、タクシーなら問題なく登山口まで向かうことが可能。他のお客様などと乗り合って5名で出発。普段は「高い〜」なんて思っていても、こんな時は本当に「タクシー様様...」と、ありがたみを感じるもの...
少人数だとやはりシャトルバスより割高になりますが、ある程度人数がまとまれば、シャトルバスとそれほど変わらない料金になるようです。今日のような状況だと、タクシー以外の交通手段がありませんから、人数をまとめることはそれほど難し状況ではなかったと思われます。
今日は最後だからヒルクライム&登山 |
そして、足しげくノリクラに通うこちらのヒルクライマーも、この週末がノリクラ走り納め。最後ですから山頂登山も併せて実施したいとのこと...
雲が抜けて青空に | カラマツが黄金色に − 紅葉シーズンも終盤 |
先ほどまでの雲が抜けて青空が広がってきました。それと同時に、観光センター周辺の山肌も黄金色の紅葉が輝き始めます。この時期は周囲の山肌が見事に黄金色になっていますが、ほとんどがカラマツの紅葉です。カラマツの紅葉が終わると、ノリクラの紅葉シーズンはすべて終了を迎え、グリーンシーズンも同時に終わりを告げます。
【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景T(観光センター〜三本滝)】
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先週の鈴蘭バス停のカエデ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2016/10/22〜23) @ |
今回の鈴蘭バス停のカエデ 落葉は進むが見頃 |
それでは、いつものように乗鞍高原から大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。こちらは鈴蘭バス停のカエデ。どうやら先週がピークだった模様で、今週は少し落葉が始まっているもののまだ紅葉が残っています。一の瀬の大カエデは6頁目の紅葉情報にてお伝えしますが、完全に落葉してしまいました。
それと比べると、こちらのカエデの紅葉の始まりは8月中下旬と、乗鞍高原内でいち早く色づき、紅葉のピークが終わっても、まだ、楽しませてくれ、約2ヶ月という長期にわたる状況は、ほかに類を見ないほどです。かなり老木のようですが、来年も目を楽しませてくれることを期待しております。
鈴蘭バス停 − 紅色の絨毯 |
そしてその足元を確認すると、紅に染まった絨毯のような光景が...同じように作ろうと思っても、人の手ではなかなかできません。
休暇村 | 休暇村ゲート − 今年は10月31日閉鎖に変更 |
少し登って、観光センターから約2kmの休暇村。その先には休暇村ゲートがあります。県道乗鞍岳線の通行は、これまでは県境〜三本滝間が10月31日まで、三本滝〜休暇村間が11月上旬までなっていましたが、今年は三本滝ゲートもこちらの休暇村ゲートも10月31日夕方に閉鎖するように変更されました。
休暇村ゲレンデ | コースレイアウトの変更工事が実施 |
さて、その隣の休暇村ゲレンデ。バックホウがゲレンデを削っています。今年はコースレイアウトの変更が実施されるとのこと。ウインターシーズン開幕までには完了される模様ですから、どのようなコースになるのか期待したいところですね。
カラマツの紅葉がピーク | 同時に落葉も始まる − スリップ注意 |
休暇村から三本滝までの沿道はカラマツ林になっていて、カラマツの紅葉がピークを迎えています。それと同時に落葉が始まり、路面はカラマツの落ち葉で滑りやすい状況ですのでご注意ください。
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今回の鈴蘭橋 | 紅葉を迎えた鈴蘭橋(昨年10月中旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.24(2014/10/18〜19) D |
ノリクラの紅葉エリアは標高2700メートルの大雪渓から標高1500〜1400メートルの乗鞍高原まで広がり、9月中旬の大雪渓から、10月末の乗鞍高原まで、1ヶ月半もの長期間楽しむことができます。しかし、各エリアの紅葉は長くて2週間、本当に良い状態のピーク期間は1週間もない状態。そのため、事前にいつが良いのかどこが良いのか下調べしておく必要があります。
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今回の休暇村〜三本滝間 | 紅葉を迎えた休暇村〜三本滝間(カラマツ、昨年10月下旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.25(2014/10/25〜26) D |
乗鞍の紅葉情報をまとめた 紅葉情報INDEX から当WebSiteのすべての紅葉情報へアクセスでき、その中に、乗鞍の紅葉を大まかに把握するには、乗鞍紅葉情報 は初めての方にお勧めです。
また、撮影ポイントについては、ノリクラガイドマップ(紅葉上部エリア版)、ノリクラガイドマップ(紅葉下部エリア) は改訂作業が終わり、公開いたしました。県道乗鞍岳線沿線のビュースポットが地図上で把握できるようになっております。また、撮影当時のノリクラ雪渓カレンダーにもリンクされていますので詳細な状況の把握も可能です。紅葉撮影にお越しの際には一度ご確認ください。
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