ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2017/06/24) A

 

 

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(Update:2017/06/29)

 

【大雪渓までの沿道・雪壁の様子】 

それではここからは大雪渓までの沿道の様子をお伝えします。

 

三本滝以降は7月1日(土)6時に開通予定

県道乗鞍岳線の三本滝以降は、現在、冬季閉鎖中ですが、7月1日(土)6時より県境(畳平)まで開通の予定です。ただ、積雪の多い年は、大雪渓駐車場までの部分開通となることがしばしばあります。

 

路肩崩落個所 −6月上旬に工事完了

こちらは29号カーブ上の直線区間。ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2017/06/10) A で、すでにお伝えしましたが、2015年12月に土砂崩れで路肩が崩落し、昨年は片側交互通行になっておりましたが、今年春から工事が始まり、2週間前に右の画像のように補修が完了いたしました。

次週末より、冬季閉鎖が解除され、自転車の通行も可能になりますが、支障なく通行できそうです。

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ヤマザクラ(標高2000メートル付近) − 今年は開花がやや遅い

今年のヤマザクラは開花がやや遅い状況で、現在きれいに咲いているのは標高2000メートル付近。例年なら、標高2350メートルの位ヶ原山荘付近でもすでに終わっているはずです。

 

ミヤマキンポウゲ ミヤマキンポウゲとコイワカカミ
=こちらはほぼ例年並みの開花=

そして、同じ付近の足元を見ると、ミヤマキンポウゲとコイワカガミが咲き誇っています。こちらもやや遅めではありますが、ほぼ例年並み。高山植物の可憐な季節が始まろうとしています。

 

位ヶ原山荘

そして、こちら標高2350メートルの位ヶ原山荘。

 

雪げ景色 − ハイマツと残雪の織りなす風景

森林限界を超えると、ハイマツと残雪の織りなす風景が美しく広がります。

 

これから夏に向けてハイマツの絨毯が美しくなる

まだ、ハイマツがはっきりとした緑色ではありませんが、これから夏場に入ると、夏空に負けない緑の絨毯が広がります。それは厳冬期の白一色の位ヶ原の美しさに引けを取らないものです。

 

5号カーブ吹き壁 4号カーブ雪壁

位ヶ原を進むとこのような場所が数か所あります。その中でも、5号カーブと4号カーブはバスの背丈の2倍もの積雪が残っています。

 

先週の4号カーブ雪壁 − 高さ6.5メートル
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.6(2017/06/16〜17) A
今回の4号カーブ雪壁 − 高さ5.3メートル
過去5年間で最も高い状態を維持

こちらが最も高い4号カーブ。カーブ内側の積雪は先週より1.2メートルも減少してしまったものの、まだ5.3メートルもの高さを誇り、過去5年間で最も高い状態を維持しています。この状況ですから、来週の冬季閉鎖解除後も、しばらく雪の壁を眺めることができ、自転車のヒルクライマーの方々なら、その様子を間近に楽しめるはずです。

 

大雪渓へ

もちろん、バスの車窓からでも充分楽しめます。

 

【大雪渓に到着】

大雪渓に到着

春山バスが到着した9時過ぎの大雪渓駐車場の気温は12℃。早朝よりも青空がはっきりしてきて、日差しがしっかり差し込む状況となりましたが、ひんやりとした空気に心地よさを感じます。

 

大雪渓入口まで、バスを降りてドアツードアです。

シールを装着したり、スキー板をザックに背負って山頂目指す春山スキーヤー。そして、モーグルコースを繰り返して滑る夏スキーヤーが、それぞれに出発の準備を始めます。同じスキーでも、装備がやや異なり、春山スキーはどちらかというと登山に近い装備が必要となり、夏スキーヤーは登攀用具は必要ありませんので、ゲレンデスキーから派生した装備で十分という感じです。

ただ、夏スキーにおいても、急な天候の変化に対応したレインウェアは、機能性に優れた登山用のものが必須となります。

 

肩の小屋口登山口 − 肩の小屋まで全面積雪
=例年7月下旬〜8月上旬まで積雪あり=

こちらは大雪渓入口から北に50メートルほどのところにある、肩の小屋口登山口。こちらから肩の小屋まで登り、肩の小屋から山頂を目指すルートですが、この時期は肩の小屋までは全面積雪があります。

肩の小屋口登山口(大雪渓入口)から肩の小屋までの区間は、例年7月下旬〜8月上旬まで積雪があります。

 

アイゼンの準備
=7月上中旬まではアイゼン必要=

出発の準備のため、アイゼンを装着します。これまでは冬山経験の登山者がお越しになっていましたが、先週あたりから、一般登山者の方の姿が多くなって来ています。「雪があるとは知らなかった」とおっしゃる方が結構多く、アイゼンを持参されないケースも多い模様です。

少なくとも7月上中旬まではアイゼンが必要と考えててください。

 

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山頂方面全景
(赤線は登山道 − 積雪あり)
山頂登山道には7月上旬まで積雪がありアイゼン携行を
稜線からの滑走は次週末で終了と推測
肩の小屋口登山口から肩の小屋へのルート
(登山道は全面積雪)

こちらで登山道の積雪状況がわかると思いますが、肩の小屋口登山口(大雪渓入口)から山頂まで、その大半が積雪に覆われていることがわかります。

 

緩斜面はアイゼン不要でも、急斜面で必要

登山道上は踏み跡ができていますので、それに足を合わせて登っていけば、斜度の緩いところは登っていけますが、急斜面や下りに関してはアイゼンが必要です。

 

【山頂方面登山道の残雪時期(例年)】

【画像拡大】

@ 肩の小屋口登山口(大雪渓入口)〜肩の小屋  : 7月下旬〜8月上旬

A 肩の小屋付近 : 6月上旬

B 肩の小屋〜蚕玉岳から朝日岳とをつなぐ稜線手前まで : 6月中旬〜下旬

C 蚕玉岳・朝日岳の稜線付近 : 7月上旬

D 蚕玉岳・朝日岳の稜線〜山頂 : 6月中旬


概ね、ご覧のような状況で、今年は例年になく積雪が多いため、少なくとも、7月上中旬までは、アイゼン携行をお勧めします。

 

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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