ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.10(2017/07/15) B

 

 

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(Update:2017/07/20)

 

【雪渓下部 U、モーグルコース】

モーグルコース

それではここからは雪渓下部のモーグルコースについてお伝えします。先週と同じく、モーグルコースの岩付近をスタートに2レーンがあります。

 

堀田行真選手の滑りに釘づけ 滑っているというより疾走している

もちろん、注目は堀田行真選手の滑り。滑っているというより疾走しているという表現の方が正しいでしょうか?どういうターンをしているのか早すぎてわかりません。

 

登りも早い − あっという間に他の選手を抜き去って行く

滑るのも早ければ登るのも早い!あっという間に他の選手を追い越して登ります。他の選手がリバースターン(※)の練習をする様子をまねて滑っても、なぜか通常のターンと同じようにスムーズに滑り、次元の違いを見せてくれます。(※ 通常はコブの谷部分を滑りますが、それとは逆に尾根部分を滑る高度なターン)

 

今日は雷大丈夫でしょうか? 雷様 − 今日は太鼓持ってないので大丈夫ですよ

今日は県の代表選手など数多くのトップアスリートがモーグルコースに集まっていますが、この雲行きに気になるところは雨や雷...「すぐ近くに雷様がいますから天気に気を付けたほうが良いですよ。」と、お答えすると、アフロヘアの雷様は、「今日は太鼓を持っていないので大丈夫です」とのこと(笑)。

 

兄弟そろってモーグル漬け − 堀田有紗選手

堀田選手のお姉さんもモーグル選手で、兄弟そろってモーグル漬けの日々...何かと大変なことが多いと思います。でも笑顔だけは忘れないように...

 

各県の強化選手など来場 − 乗鞍岳雪渓は貴重な練習場所の一つ

多くの選手が乗鞍大雪渓のモーグルコースにお越しになることは、ここで滑るモーグラーには有名なことですが、一般の方々にはあまり知られていないこと。夏場の国内で、天然雪の上で滑走練習できるのは乗鞍大雪渓しかなく、選手にとっても貴重な練習場所なんです。

 

右側のコース − 長さ26コブ×92メートル(ピッチ:3.5メートル)

冒頭にも申し上げたように、コースは2つあり、こちらは上から見て右側で、26コブ×92メートル(ピッチ:3.5メートル)。先週より2コブ・10メートル短くなっています。

 

左側のコース − 長さ21コブ×98メートル(ピッチ:4.6メートル)

こちらは上から見て左側のコースで、長さは21コブ×98メートル(ピッチ:4.6メートル)。先週より3コブ・12メートル短くなっています。まだ十分な滑走距離がありますが、雪渓下部のモーグルコースは、例年、7月下旬まで滑走可能で、それ以降は、雪渓上部左側へと移動しますが、急斜面のため上級者限定となります。

 

【雪渓中段】

雪渓中段全景 − 中央の岩が見えてきた 2014年よりやや遅く、2015年とほぼ同等

雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。中央の大岩が今週になって現れて来ました。雪解けは2014年よりやや遅く、2015年とほぼ同等です。

 

雪渓中段の北側にある登山道はまだ出てない 例年と比べると1週間程度遅い雪解け

雪渓中段の北側にある登山道はまだ出ていませんので、例年と比べると1週間程度雪解けが遅い状態です。

 

【雪渓上部、アルペンボード・ジュニア・雪上訓練】

雪渓上部全景

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。現時点ではわかりませんが、今後雪解けが進むと中央から尾根が縦に伸びて、雪渓上部を左右に分断します。右側での滑走は8月下旬〜9月上旬まで。左側は9月下旬から10月上旬まで滑走可能ですが、左側はかなりの急斜面で、下が岩場になっていますので、雪渓での滑走に慣れた上級者のみとなります。

 

2014年の鉄塔土台
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2014/07/19〜20) C
先週の鉄塔土台
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2015/07/18〜19) D

今回の鉄塔土台
2014年よりやや早く、2015年より1週間早い雪解け

雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。今週になって表れてきました。2014年よりやや早く、2015年より1週間早い雪解けです。

 

雪渓上部右側上端
2014年とほぼ同じ状況で、2015年より1週間以上遅い雪解け

こちらは雪渓上部右側上端。2014年とほぼ同じ状況で、2015年より1週間以上遅い雪解けです。

 

雪渓上端から下端まで500メートル
例年よりやや長い

雪渓上端から雪渓下端までの距離は500メートル。2015年は510メートル(推定)。2014年は515メートル。2013年は496メートル。2012年は486メートル、2011年は468メートル、2010年は475メートル、2009年は284メートル、2008年は465メートルですので、例年よりも長いと判断されます。

 

アルペンボーダー

雪渓上部右側のさらに右端部分。肩の小屋から降りてくるエリアといったほうが正確かもしれません。こちらではいつものアルペンボーダーのグループがゲートを設置しています。今日は数名にとどまる状況でしたが、明日・明後日が本番とのこと...

 

ジュニアのグループ

その隣でポールを設置するジュニアのグループ。

 

「登るのイヤだ〜」 雪渓に寝ころんじゃった − これが気持ちいいんだよね

「登るのイヤだ〜」と、雪渓に寝ころんじゃう様子も(笑)。でも、これが気持ちいいんだよね。こうなったら起き上がれません。「何年通っていてもツライ〜」と、渋々起き上がって練習を再開していましたが、こんなに気持ちよく滑られる日は梅雨の時期にはありませんよ!

 

厳冬期のバックカントリースキーヤー・ボーダー − 今日は雪上訓練(ビーコン捜索)

さらに隣では、アイゼンを履いたグループです。みなさん厳冬期のバックカントリースキーヤー・ボーダーの方々で、今日は雪上訓練にお越しになっています。午前中はピッケルストップの練習をされていたとのことですが、午後はビーコンを使った捜索訓練。

 

ビーコンを使った捜索方法の説明 雪の中にビーコンを埋める

ビーコンでの捜索は、雪崩に遭遇・埋没した遭難者の位置を割り出し、雪を掘り出して救助するのが目的です。そのため、冬山に入山するには、ビーコンのほか、雪に突き刺して遭難者の正確な位置を割り出すプローブと、雪を掘るスコップの3点を持参しなければなりません(冬山の三種の神器)。

おそらく、夏季に当WebSiteをご覧の方は、ビーコンというものをご存じないと思われますので、雪山用のビーコンを簡単に説明すると、ビーコンは共通した固有周波数(メーカーが異なっても同じ周波数)を発信する機械で、通常、フィールドに出る前に発信するモード(通常モード)にして作動させます。もし、雪崩に巻き込まれた人を救助する場合、捜索する人のビーコンを受信モードに切り替え、埋没者の発信する電波の方向・位置を探り当てます。

まず最初に、常連者からビーコン捜索の進め方(ビーコンの扱い方)についてレクチャーを受けます。そして、別のメンバーが送信モード(通常モード)にセットしたビーコンを雪に埋めで捜索開始です。

 

埋没位置までの距離が遠いときは走って近づく 近くまで来たら雪面に近づけて
クロスサーチ

ここで大事なのは、雪崩に巻き込まれ無かった人のビーコンは、送信モード(通常モード)から受信モードに切り替えること。最近のビーコンは複数の電波を判別する機能がありますが、発信電波が少ない方が早く見つけられるからです。

 

あった〜、救出成功!
=雪崩れから15分で生存率は半分=

無事に見つけ出すことができ、救助完了!一般的に雪崩に巻き込まれてから15分で生存率が半分になるといわれています。そのため、できる限り早く見つけ出して救助することが肝心で、雪崩れの再発など二次災害の危険性がないと判断されれば、現場にいる人間での対応することが求められます。

 

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