ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.14(2017/08/11〜12) A

 

 

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5 

(Update:2017/08/17)

 

【雪渓下部 T】

先週の雪渓下部
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2017/08/05) A
今回の雪渓下部

それでは雪渓下部の積雪状況をお伝えします。この1週間は台風5号の通過による大雨のため、激しい雪解けが見られます。

 

先週の雪渓下部
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) B
昨年の雪渓下部
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.15(2015/08/13〜15) B

こちらは2015年の同じ週の様子。左側の先週画像はどちらも同じような大きさなのに対し、右側の今週画像は、上段の今年のものはかなり小さくなっていることがわかります。

 

先週の雪渓下部
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) B
今週の雪渓下部 − 長さ55m×横幅64m
2014年とほぼ同じ、2015年より1週間早い雪解け

今週に入って雪渓中段とは完全に分離しました。2015年よりやや早い雪解け状況です。大きさは長さ55m×横幅64mで、2014年は長さ53メートル×横幅60メートル
、2015年は長さ62メートル×横幅72メートルで、2014年とほぼ同じで2015年より1週間早い雪解けです。

 

2014年の大雪渓入口(車道まで66メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2014/08/13〜16) B
2015年の大雪渓入口(車道まで70メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2015/08/13〜15) B

今回の大雪渓入口(車道まで71メートル)

車道からの距離は65メートルから71メートルに。2014年は66メートル、2015年は70メートルでほぼ同等です。

 

登山道入口 隙間は35メートル
2014年・2015年よりやや早い雪解け

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります(肩の小屋口登山口)。車道との間の隙間は17メートルから35メートルへほぼ倍増で、先週は2014・2015年とほぼ同等の雪解け状況でしたが、今週はやや早い状況になっています。

 

2013年のモーグルコースの岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2013/08/10〜11) B
2015年のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2015/08/13〜15) B

今回のモーグルコースの岩
2013年より2週間遅く、2015年より1週間遅い雪解け

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが、画像の中の左上に写るモーグルコースの岩です。ですから、モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

こちらは2013年と2015年で比較しておりますが、2016年は極端な雪不足、2014年は厳冬期に入っても姿が埋まることがありませんでした。2013年より2週間遅く、・2015年より1週間遅い雪解けです。

 

石碑の岩
チングルマ − 風車の穂先が開く

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります(石碑の岩)。いつもお伝えしているチングルマ。先週の風車状態から穂先が開いて来ました。

まだ咲いているチングルマも多い

チングルマは場所によって大きく異なり、ご覧のようにちょうど見頃のものもまだ多く残っています。

 

先週の雪渓上部下端部分
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) B
今回の雪渓上部下端部分
先週より32メートル上昇

こちらは石碑の岩の南側にある雪渓上部の下端部分。雪解けにより先週から32メートルほど下端部分が上昇しています。

 

昨年同時期の1週間前の雪渓上部右側の下端部分
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.15(2014/08/13〜16) C
先週の雪渓上部右側の下端部分
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2015/08/13〜15) B

先週は2014年よりやや遅く、2015年よりやや早い雪解け状態でしたが、今週は2014年・2015年よりも1週間程度早い雪解け状態になっています。台風5号の大雨による激しい雪解けが影響しているものと考えられます。

 

台風5号による激しい雪解けで、例年より多い状態が、例年並みかそれ以下に

他のエリアも同様ですが、これまでは例年よりも積雪が多い状態だったものが、激しい雪解けで、例年並みかそれ以下の状態になっています。

 

【雪渓下部 U、モーグルコース】

先週のモーグルコース
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.13(2017/08/05) A
今回のモーグルコース
上端付近の雪解けが進んでいる

それではモーグルコースの様子をお伝えします。上端付近を中心に雪解けが進んでいますが、2本あるモーグルコースは滑走可能状態です。

 

右側:11コブ×52メートル
左側:10コブ×38メートル

右側は11コブ×52メートル(ピッチ:4.7メートル)で、先週よりも1コブ減少しました。左側は10コブ×38メートル(ピッチ:3.8メートル)で、こちらも1コブ減少した状態。他のエリアが大幅に雪解けを示す中、あまり雪解けが進んでいない状態です。

 

雪渓下部のモーグルコースはそろそろ終了の時期に

右側のコブは岩が接近してきて、実際に滑走されていたのは左側のみでした。雪渓下部のモーグルコースは、そろそろ終了の時期に入ってきました。

 

【雪渓中段】

先週の雪渓中段全景 今回の雪渓中段全景

雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。中央の大岩の手前半分が完全になくなりました。2014年・2015年より1週間遅いタイミングです。

 

2014年の雪渓中段全景 −長さ66メートル×横28メートル
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2014/08/13〜16) C
2015年の雪渓中段 −長さ80メートル×横37メートル
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.15(2015/08/13〜15) C

今回の雪渓中段 −長さ77メートル×横31メートル

中央大岩の北側に残っている積雪部分の大きさは長さ77メートル×横31メートルで、大岩の手前(南側)の雪解けタイミングは2014年2015年より1週間遅かったものの、北側の残っている部分の大きさは、2014年・2015年とほぼ同じ状態になっています。この1週間で大幅に雪解けが進んだことを物語っていて、台風5号の大雨の影響によるものと考えられます。

 

ミヤマダイコンソウが綺麗に咲く

雪渓中段付近はご覧のミヤマダイコンソウが綺麗に咲いています。このような高山植物に取り囲まれて夏スキーができることは、お花好きの登山家の方から見るとうらやましいことでしょう。

 

下半分は再来週あたりで滑走不能に 上半分は完全に雪解け終了

下半分は今後も急速に雪解けが進めば、来週もしくは再来週に滑走不能になるかと考えられます。また、上半分は完全に積雪がなくなり、2014年・2015年より1週間遅いタイミングです。

 

■ Next>>  Page3【雪渓上部 T】■


 

 


 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  Next>>