ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.15(2017/08/17) B
【雪渓上部 T】
雪渓上部全景 |
それでは雪渓上部の様子をお伝えします。雪解けが進むと中央から尾根が縦に伸びて、雪渓上部を左右に分断します。右側での滑走は8月下旬〜9月上旬まで。左側は9月下旬から10月上旬まで滑走可能ですが、左側はかなりの急斜面で、下が岩場になっていますので、雪渓での滑走に慣れた上級者のみとなります。
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2014年の雪渓上部右側 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2014/08/23〜24) D ↓ |
2015年の雪渓上部右側 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.16(2015/08/22〜23) D ↓ |
こちらの画像は雪渓上部右側で、中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリアです。上端付近は2014年・2015年より遅い雪解けで、下端付近は2014年より遅く、2015年とほぼ同じ状態です。
雪渓上部下半分 |
下半分もまだ十分滑走可能ですが、一部で岩の頭が見え始めています。
2014年の鉄塔土台(土台まで27メートル) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2014/08/23〜24) D ↓ |
2015年の鉄塔土台(土台まで18メートル) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2015/08/22〜23) D ↓ |
雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。先週と同様、2014年より1週間早く、2015年より2週間早い雪解け状況です。
雪渓上部右側にコブ − 「左側は本格的過ぎて」 |
後述する隣の雪渓上部左側でモーグルコースが作られているため、雪渓上部右側にコブが作られることはほとんどありませんが、「向こうは本格的過ぎて...」と、新たなラインが作られていました。
斜度が緩く、安心して滑走 |
若干ですが、こちら雪渓上部右側のほうが斜度が緩く、安心して滑走できます。
こちらは雪渓上部右側上端。2014年より1週間遅く、2015年より1〜2週間遅い雪解けです。
雪渓上端から雪渓下端までの距離は270メートルから255メートルに減少しています。
2016年は先々週の段階で雪解けが完了し、2015年は220メートル、2014年は175メートル、2013年は250メートル、2012年は207メートル、2011年は185メートル、2010年は207メートル、2009年は170メートル、2008年は193メートルで、例年よりも長い状態になっています。
【雪渓下部 U、モーグルコース、エアーがデカイぞ!】
雪渓上部左側 − 上級者限定 |
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアですが、入口から最も遠く急斜面であるため、他のエリアが滑走できなくなる8月上旬以降にならないと、こちらで滑走するモーグラーはいません。
【雪渓下部U、モーグルコース】でお伝えしたように、下のモーグルコースはかなり小さくなってきたため、多くのモーグラーはこちらに移動してきています。しかし、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。
したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。
ラインは1本 | ややとがったコブ |
ラインは1本。形状的には先週とほぼ同じで、ややとがった感じのコブです。
なかなか難コース |
そのため、ゴールまで完走するのはなかなか難しい模様。
24コブ×87メートル |
コースの長さは、24コブ×87メートルで、先週よりも7コブも減少しています。
岩場が迫り、今後はコースがどんどん短くなる |
スタート地点もゴール地点も岩場が迫ってきていて、今後はコースがどんどん短くなっていくものと考えられます。
上端部分を見て見ると...
上端部分 − 2014年より1週間遅く、2015年より3週間遅い雪解け |
こちらは上端部分。2014年より1週間遅く、2015年より3週間遅い雪解けです。
上端から下端まで147メートル、ほぼ例年なみ |
雪渓上部左側の上端から下端までの距離は147メートル。2016年は53メートル、2015年は188メートル。2014年は137メートル。2013年は160メートル、2012年と2011年は147メートル、2010年は125メートル、2009年は125メートル、2008年は151メートル、2007年は150メートルで、ほぼ例年並みの距離です。
そのモーグルコースの隣では...
堀島兄弟、エアーの練習 |
堀島兄弟(左:有紗選手、右:行真選手(※))がエアーの練習。
助走距離はそれほど長くないものの...
ふわ〜っと舞い上がる(堀島行真選手) |
ふわ〜っと舞い上がり、まるで歌舞伎の宙釣り芸を見ているかのような雰囲気・安定感。
一つ一つがゆっくり見えてしまう |
飛び出してから着地までを一部始終見ていても、一つ一つがゆっくりに見えてしまうほど優雅。
コース整備も自ら実施 | 「時間がないので、1本1本集中して飛ばないと」 |
午前中はエア台の整備をして、実際に練習に入れるのは午後から。その練習中も、飛んで、整備して、登って、再び飛ぶの繰り返し。行真選手ご自身も「時間がないので、1本1本集中して飛ばないといけない。」と、おっしゃっています。
それは姉の有紗選手も同じ...
緊張の糸を切らさないこと(堀島有紗選手) |
「今日は乗鞍合宿3日ですが、前2日は雨の中で、寒くなるので休憩できず、滑り続ける必要があり、緊張の糸を切らすことができませんでした。でも、今日のような天気の良い日はモチベーション的にも非常にやりやすいですよ。」とのこと。
与えられた環境が限られた条件しかなければ、その中でやりくりするのが最善...「十分できる!」と、思って前向きに練習することが最も大切なことかもしれません。
(※ 堀島行真選手:2017年3月、世界選手権男子モーグル初出場で日本男子初優勝、今冬の平昌オリンピックを目指す。)
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