ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.5(2018/04/26・28) D

 

 

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(Update:2018/05/03)

 

【ツアーコース・かもしかゲレンデの積雪状況】

ツアーコース − 位ヶ原急斜面

それでは、ここからはツアーコースの積雪状態についてお伝えします。これまでは、下から順番に掲載しておりましたが、今回からは登りよりも下山滑走がメインになってきますので、上から順番に掲載します。

 

地元の方により、誘導ロープが設置されました。
★伊奈川に間違って入り込まないために★

こちらは位ヶ原の上部、乗鞍岳春山バス運行開始に当たって、地元の方により、誘導ロープが設置されました。ツアーコースでの下山滑走において、位ヶ原急斜面の隣にある伊奈川の谷に誤って進入しないための対策です。

 

【位ヶ原急斜面と伊奈川の谷について】

【本物】左の谷−位ヶ原急斜面(正規下山ルート) 【偽物】右の谷−伊奈川の谷(間違えて何度も遭難あり)

さて、こちらは位ヶ原急斜面を上から眺めたもの。左が「本物」で右が「偽物」です...

この2枚の画像は左右連続写真(※)で、左が本物の位ヶ原急斜面で。右は伊奈川の谷で位ヶ原急斜面ではありません。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進んで、これまで何度も遭難が発生しています。乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬には、伊奈川に立ち入らないようにロープが設置されますが、この時期はありません。
(※ 実際には左右の画像の間に尾根部分があります。)

 

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい
ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面から下山する際に間違いやすい位置にあります。位ヶ原急斜面や伊奈川の谷の周辺の位置関係は、ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

伊奈川の谷−大きな岩場があるのが特徴(中央)

伊奈川の谷には雪着きの悪い大きな岩場があり、これが位ヶ原急斜面との大きな違いです。濃霧の中でも、斜面の中に大きな岩場があるかどうか確認できるはずです。

 

 

 

2017年の位ヶ原急斜面
2017ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2017/04/28〜29) F
先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2018/04/21) C
今回の位ヶ原急斜面

位ヶ原急斜面の積雪は、先週よりも30センチ程度雪解けが進みました。昨年より1メートル程度少ない状況です。上部の県道乗鞍岳線の除雪が始まり、雪の塊が位ヶ原急斜面に散乱していますので、滑走に注意が必要です。

 

2017年の6番標識手前の谷
2017ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2017/04/28〜29) F
先週の6番標識手前の谷
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2018/04/21) B
今回の6番標識手前の谷
先週よりウェーブがややきつくなっているので注意

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。こちらに関しては、先週よりもウェーブがややきつくなってきています。下山滑走に注意してください。

 

下山滑走 − バーンが荒れてなく快適

乗鞍岳春山バスの運行が開始され、ツアーコースを登る人がほとんどなく、その分、バーンが荒れることがなく、下山滑走は快適です。ただ、3番や2番の下の斜面では、斜度がきついため、コブが発生しています。

 

2017年の5番標識(積雪195センチ)
2017ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4
(2017/04/28〜29) F
先週の5番標識(積雪195センチ)
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4
(2018/04/21) B
今回の5番標識(積雪145センチ)

こちらはツアーコース上部付近の5番標識(標高約2305メートル)。現在の積雪145センチ。先週より50センチ減少し、昨年より50センチ少なく4月下旬並みです。

 

2017年の3番標識(積雪95センチ)
2017ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4
(2017/04/28〜29) F
先週の3番標識(積雪85センチ)
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4
(2018/04/21) B
今回の3番標識(積雪50センチ)

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識(標高約2235メートル)。現在の積雪は50センチで先週より35センチ減少しています。昨年より45センチ少なく、昨年の5月中旬並みの状況です。

 

2017年の1番標識(積雪90センチ)
2017ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4
(2017/04/28〜29) F
先週の1番標識(積雪45センチ)
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4
(2018/04/21) B
今回の1番標識(積雪0センチ)

こちらの1番標識。周囲には地面がみえていて、積雪量は0センチで先週より45センチ減少しています。昨年より90センチ少なく、5月中旬並みの状況です。

 

1番標識から下部は切り株に注意

最上部の位ヶ原急斜面から1番標識付近までは、ブッシュなどはほとんどなく、下山滑走に問題はありませんが、1番標識から下部はご覧のように切り株がいくつも見られるようになってきました。昨年の5月中旬とほぼ同じ状況で、昨年はその翌週には下山滑走困難となりました。

 

2017年の入口急斜面(撮影5月7日)
速報2017/05/07
今回の入口急斜面
★ここの雪解けが進むと下山困難に(あと1〜2週間)★

入口急斜面もブッシュ・切り株が多数みられるようになってきました。昨年5月上旬とほぼ同じような状況で、翌週には急斜面の上端部分の積雪が完全になくなり、ツアーコースでの下山が困難な状況となりました。

そのため、今年のツアーコース下山滑走は、あと1〜2週間ほどで終了する可能性が高いといえます。

 

入口付近からかもしかゲレンデ最上部 かもしかゲレンデ上部(初心者コース)
★ゴールデンウィーク後半は、ほぼ滑走不能な状況と推測★

左はツアーコース入口付近からかもしかゲレンデ最上部に向かう箇所。ご覧のとおり、クマザサがかなり出現していて、おそらく、数日以内には場所によって板を外す必要が出てきます。右はかもしかゲレンデの初心者コースの状況。現時点では滑走するスペースが何とか残っていますが、こちらも数日以内にはかなり雪解けが進んで滑走できなくなります。

そのため、ゴールデンウィーク前半は問題ないものの、ゴールデンウィーク後半のかもしかゲレンデは、ほぼ滑走不能な状況なると推測します。


 

<編集後記>

「5月からのノリクラ雪渓カレンダー正式版について」

4月上旬よりお伝えしてきましたノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版は、今回をもって終了いたします。来週5月5日(土)は速報のみとさせていただき、その翌週の5月12日(土)からノリクラ雪渓カレンダー正式版のリリースが始まります。

正式版は10月末まで毎週お届けいたしますが、グリーンシーズンも昨年より取材は原則土曜日のみとさせて頂いており、速報も土曜日だけとなります。ご愛読の皆様には申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。


 


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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