ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2018/05/15・19) C
【乗鞍岳春山バス、位ヶ原山荘に到着。屋根板を出発】
霧雨、気温6℃ |
位ヶ原山荘に到着した9時過ぎの天候は、霧雨、気温6℃。
急いでレインウェア―を |
山麓の乗鞍高原の晴天からは想像できない天候に、急いでレインウェアを着込みます。
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入山口 |
入山口は、位ヶ原山荘から車道を数百メートル歩いたところにあり、雪壁にはスロープが作られ、また、右の画像のような看板も設置されましたので、迷うことはないかと思います。
看板にには、コース近くで除雪作業が行われているため、近づかないように記載されていますが、除雪した部分を下山滑走すると作業車と出くわすケースもあり危険ですので、除雪部分の滑走はされないことをオススメします。
登攀の用意 |
入山口でシールやスノーシューなどの登攀用具の準備をして、屋根板を登って行きます。
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屋根板(下段) | 上端部分でハイマツが |
屋根板は上段(上部)と下段(下部)の二つに分かれていて、左の画像は下の段。その上端部分でハイマツが出始めてきました。
こちらは上部から見た屋根板の上の段。撮影は6月上旬のものですが、ハイマツの帯が上の段から下の段へ降りる部分を分断するように出ている様子がわかります。隙間を探して滑り降りるわけですが、右側のほうが比較的積雪が残っていることが多いようです。
【大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走ルート(滑走可能時期:6月中旬まで)】 |
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@上部ハイマツ(滑走中は左側ハイマツ)が途切れたら左へ | A (別角度)左側ハイマツが途切れたら左へ |
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B ルートをやや左へ 直進すると道路転落(××印箇所、雪壁数メートル) |
C
矢印部分の急斜面入口で、位ヶ原山荘を目視で確認 |
今後、雪解けがが進むにつれて、位ヶ原山荘に下山滑走できるルートが限られてきます。6月になると大雪渓から春山バスに乗車できますので、位ヶ原山荘まで下山滑走する必要はなくなりますが、位ヶ原山荘に宿泊・休憩される方は、参考になさってください。
【県道乗鞍岳線、除雪状況(5号カーブ・4号カーブ)】
宝徳霊神バス停がある5号カーブ ★下山滑走時に誤って転倒しないように★ |
上の「大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走ルート」の画像Bの×印の場所がこちら。シャトルバスの宝徳霊神バス停がある5号カーブ。下山滑走時に誤って転落しないようにロープが張られています。
雪壁の高さは7〜8メートル |
雪壁の高さは7〜8メートルほどで、昨年より1メートルほど低い状態です。それでも、転落すれば危険ですから、濃霧など視界の悪いときの下山滑走には十分注意してください。
4号カーブの除雪作業が実施される ★大雪渓まで除雪されれば、春山バスの運行が延長★ |
現在、5号カーブより先の4号カーブで除雪作業が行われています。こちらは通称「大カーブ」と呼ばれていて大雪渓の一歩手前にあります。作業を担当されている方の話では、昨年より1.5メートルほど積雪が少ない状況ですが、この箇所の除雪だけで一週間も要するため、大雪渓まで通行できるようになるのは5月末で、除雪完了後は乗鞍岳春山バスが大雪渓・肩の小屋口バス停まで延長運行されます。
【大雪渓下部】
こちらは大雪渓入口。
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2017年の大雪渓入口 2017ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2017/05/14〜15) A |
今回の大雪渓入口 |
大雪渓入口の積雪量は先週より95センチ減少し、昨年より70センチ少ない状況。この時期、1週間で1メートルも雪解けすることはあまり見られません。
大雪渓入口 − 大雪渓側 | 大雪渓入口 − 位ヶ原側 |
道路を挟んで、左は大雪渓側、右は位ヶ原側です。
同じ積雪状態の昨年画像(6月上旬) 2017ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2017/06/03) B |
こちらは同じ積雪状態の昨年の画像ですが、今年は2週間ほど雪解けが早いことがわかります。
トイレ小屋・避難小屋(冬季閉鎖中) 利用可能は5月下旬〜6月上旬以降 |
トイレや避難小屋の周辺の積雪はなくなりました。これらが利用できるのは5月下旬から6月上旬で、概ね、春山バスが大雪渓まで延長されるタイミングで利用できるようになっています。
避難小屋の軒先でお昼休み | 天候回復は期待できないが、もう少しだけ登ってみる |
正午の大雪渓の気温は0℃、冷たい風が強く吹き抜け、避難小屋の軒先でお昼休みです。この先、天候の回復もあまり期待できない状況に、さらに上部を目指そうか少し迷っていましたが、もう少しだけ登ってみることにします。
大雪渓まで来たものの... | 道路際を風よけにお昼休み |
こちらのお二人は大雪渓入口の道路際を風よけにお昼休みを取りますが、この先どうしようか迷っている模様...。今日みたいな日は、位ヶ原山荘へ早めに下山して、春山バスが到着するまで、コーヒータイムを過ごすのが良いかもしれませんね。
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2017年のモーグルコースの岩(6月上旬、同一積雪量) 2017ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2017/06/03) B |
今回のモーグルコースの岩 |
岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが、画像の中の左上に写るモーグルコースの岩です。ですから、モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。
今年は2月中旬頃に姿を消して、今週になって再び姿を現しました。昨年より2週間早い状況ですが、2014年や2014年は、厳冬期になっても埋まることがありませんでしたから、今年は例年よりも積雪が少ないことは間違いないものの、極端に少ないとは言えないと思われます。
今年もクラック(クレパス発生) |
モーグルコースの岩の近くにはご覧のようなクラック(クレパス)が発生しました。発生する年・しない年がありますが、今後、作られるモーグルコース上にクラックが伸展すると厄介です。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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