ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2018/07/01) C
【畳平、お花畑】
畳平バスターミナル | 午後は下り便が混雑する |
こちらは午後の畳平。乗鞍高原方面に下山する方々がシャトルバスに乗り込みます。今日はそれほどの列ではありませんが、夏休みが近づくと、乗鞍高原方面への下り便は1時間に1本しかありませんので、バスターミナルの周辺は長蛇の列になります。ただ、お盆や海の日・山の日などの特定日を除けば、乗車できないほどの混雑はありません。
畳平お花畑 | ハクサンイチゲが満開 − 昨年より3週間早い |
乗鞍では大雪渓や桔梗ヶ原・土俵ヶ原など高山植物が群生している場所は数多くありますが、その中で最も規模が大きいのは、畳平のお花畑。こちらは入口周辺で、お花畑全体のなかで最も雪解けが遅い箇所ですが、それでも、ご覧のようにハクサンイチゲが満開となっています。昨年より3週間早い状況です。
こちらでもハクサンイチゲが満開 |
入口からさらに進むと周回できる遊歩道があり、こちらは入口よりも先にハクサンイチゲが満開になっています、昨年より3週間ほど早い状況です。
コイワカガミ | ミヤマキンバイ |
ハクサンイチゲを筆頭に、コイワカガミやミヤマキンバイなど、他の高山植物も咲き乱れています。
あちこちでカメラを構える様子が |
遊歩道のあちこちではカメラを構えて高山植物を撮影する様子が...
登山者に話しかける乗鞍環境パトロール |
ちょうどこちらでも一生懸命に高山植物を撮影している模様...そこに通りがかったのが乗鞍環境パトロールの方が声をかけます。
「クロユリには両性花と単性花があるんですよ。」 |
咲き始めたミヤマクロユリを指して「クロユリには両性花と単性花があるんですよ。」
両性花(黄:雄しべ、緑:雌しべ) | 単性花(黄:雄しべ) |
「へぇ〜、そうなんですか〜!」 左が両性花(黄:雄しべ、緑:めしべ)、右が単性花(黄:雄しべ)です。ミヤマクロユリは厳しい環境で自生しているため、初めは花を咲かせる体力がなく、最初に咲かせるのが単性花で、両性花が咲くようになるまでに何年もかかります。
乗鞍環境パトロールの方 |
こちらの乗鞍環境パトロールの方も長年にわたって活動をつづけていらっしゃり。登山者や観光客への案内・アドバイスや、畳平周辺登山道のチェックやゴミ拾いを毎日欠かさず実施してくださっています。
今年は早めにお越しになったほうがよさそうです |
畳平のお花畑は、雪解けの早かった奥の方では、ハクサンイチゲがすでに枯れ始めているものもありますから、早めにお越しになったほうがよいと思います。
<編集後記>
「これから大雪渓デビューを検討されている方へ」
冬のスキーだけでは物足らず、各地のスキー場が閉鎖するゴールデンウィーク以降も滑走できる場所を巡っている方もいらっしゃるかと思います。春山スキーとして有名なのが駒ケ根の千畳敷カール、富山の立山、山形の月山(がっさん)などがあり、乗鞍の大雪渓は、その中でも最も遅くまで滑走できる場所として知られています。また、一般的には7月からバスで通うことが可能と書かれているため、これからデビューを検討されている方も多いのではないでしょうか?
乗鞍大雪渓は、通常のスキー場ではなく、単に山に雪が残っているだけの場所で、避難小屋とトイレがある以外は休憩施設などはありません。そのため、登山に準じた準備が必要になります。具体的には、転倒時の怪我を防止するため、長袖の服装を着用してお越しいただき、食料、十分な飲料水、レインウェア、帽子、日焼け止め、サングラス、グローブとそれらを入れるザックは最低限必要です。
やはり最初にお越しになるには晴れた日が良いと思いますから、梅雨明け後からお盆までの時期がお勧めです。また、天候の悪い日は予想以上に寒いため、防寒着が必要になりますが、前述のレインウェアで兼用するのもよいかと思います。また、寒い日はバーンが硬く、転倒すると思った以上にけがをしますから長袖のほうが良いです。
逆に晴れた日は平地より日差しは強く、日焼け防止のため、帽子、日焼け止め、サングラスは必須です。中には「こんがり焼きたい」と裸になる方もいらっしゃいますが、そのままだと、やけどに近い形になってしまい、薄く日焼け止めを塗ったほうが綺麗に焼けると思います。また、半袖から露出した腕なども日焼け止めを塗ったほうがよいでしょう。そして、予想以上に脱水が進むため、喉が渇く前に水分補給したほうが良いです。
乗鞍大雪渓は、スキー場とは大きく違う点ばかりですが、試しに一度お越しになったものの、その楽しさにハマってしまい、そのまま秋まで滑り続ける方もいらっしゃるほどです。ぜひ一度お越しになってはいかがでしょうか?
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