ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2018/07/06〜07) @
今回は台風7号が残した湿潤な雲と活発な梅雨前線の影響で、東海地方から関西・四国・九州地方にかけて、平成に入って最大の被害をもたらす大雨となりました。乗鞍一帯においても、7月4日あたりから雨が降り続き、乗鞍スカイラインは7月5日より雨量規制と斜面崩落で7月10日(火)午前中まで、連続5.5日間の通行止めとなりました。
乗鞍周辺には梅雨前線の東端がかかり、周期的な強雨はあったものの、岐阜県の長良川や飛騨川沿いの国道156号や41号線ほど大きな災害に見舞われずにすみました。その後、9日(月)には東海地方を含む、九州北部と中国、近畿、北陸の各地方で梅雨明けが発表されて、これからは本格的な夏空が続くものと思われます。
【観光センター前駐車場、大雨で通行止め・シャトルバス運休】
は観光センター前駐車場 |
こちらは観光センター前駐車場。天候は小雨、空がどんよりと低く垂れこめます。
乗鞍周辺の道路はほとんど雨量規制通行止に | シャトルバスは運休に |
7月6日(金)は、乗鞍周辺のほとんどの道路が雨量規制により通行止め。長野県側の県道乗鞍岳線の休暇村ゲート以降が7月5日(木)20時より通行止めとなり、そのほか、国道158号線の湯川渡〜安房トンネルと安房峠(旧道)、県道上高地公園線、県道白骨温泉線、県道奈川木祖線、県道奈川野麦高根線も通行止めなって、乗鞍高原は国道158号線の松本方面のみが通行可能で、陸の孤島寸前の状態となりました。
また、岐阜県側の乗鞍スカイラインでは7月5日(木)朝から雨量規制で通行止めで、シャトルバスも同時に運休となりました。その他、7月8日(日)に予定されていた自転車レース「第15回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム」も、安全を考慮して、大会二日前の6日(金)午前中に中止が決定されました。
なお、乗鞍スカイラインの雨量規制通行止めは、7月8日(日)6時20分まで継続され、その後、落石による通行止めに切り替えられ復旧工事の末、7月10日(火)12時にようやく開通いたしました。
8時に周辺道路は開通 − 白骨行きの路線バス | 乗鞍シャトルバスは終日運休 − 回送へ |
こちらは7月6日(金)、9時頃の観光センターの様子。この時点では、乗鞍周辺の通行止め箇所は、県道乗鞍岳線(休暇村ゲート〜県境)と乗鞍スカイラインを除いて、8時に通行止め解除され、白骨温泉に向かう路線バスなどの運行が始まります。しかし、県道乗鞍岳線を行くシャトルバスは、終日運休が決まったため、営業所や上高地・沢渡などへ回送されました。
三本滝レストハウス | 三本滝ゲートはまだ通行止 |
こちらは7月6日(金)10時30分過ぎの三本滝レストハウス前駐車場。休暇村ゲート〜三本滝までは開通しましたが、今回は周期的に非常に強い雨に見舞われ、三本滝ゲートはまだ通行止めが続いています。
三本滝ゲートは11時に通行止解除 | 土砂降りが続く |
しかし、こちらも11時には通行止めが解除されました。ただ、シャトルバスは運休のため、大雪渓に向かう手段がありません。ただ、時折、降るときはバケツをひっくり返したような激しい降り方に見舞われ梅雨末期思わせます。
今回の大雨は各地で大きな被害をもたらし、長野県側の乗鞍高原では目立った状況はないものの、岐阜県高山市では7月7日(土)12時50分に大雨の特別警報が発令され、午後4時までの48時間雨量が観測史上最高を記録し、岐阜県内では降り始めから1000mmを超える地域もあり、高山市内の一部地域でも避難指示が出され、床下浸水・土砂の流れ込みがあった模様です。
【大雪渓までの沿道の風景、道路は一部冠水も】
かもしかゲレンデはニッコウキスゲが満開 − 昨年より1週間早い |
それでは、大雪渓までの沿道の様子をご覧下さい。
三本滝ゲートの隣にあるかもしかゲレンデでは、ニッコウキスゲが数多く咲き誇っています。面積が例年よりも広がっています。昨年よりも1週間早く、例年とほぼ同じ時期に見頃を迎えました。
道路に雨水が流れ込む | 激しく滝が流れ落ちる |
県道乗鞍岳線は大雨が降ると、すぐに道路に雨水が流れ込み、いつもは枯れた滝が息を吹き返します。それでも、土砂の流入や落石はほとんどありません。
29号カーブ付近 − 若干の冠水 |
大雨で冠水するのは摩利支天から29号カーブ付近で、今回も若干雨水の流れが確認されました。
過去には足元がすくわれるほどの激しい冠水に |
こちらは2013年7月5日の様子で、2013ノリクラ 雪渓カレンダーVol.9(2013/07/05〜06)では、ちょうど同じような時期に足元がすくわれるほどの激しい流れを見せております。また、2015年の全日本マウンテンサイクリングin乗鞍でも、ほぼ同じ箇所で冠水があり、県境までのフルコースでのレースは困難と判断され、三本滝ゲート付近をゴールとした超短縮コースでのレース開催となったほどです。
そして、この画像の二日後の2013年7月7日は、第10回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの開催日でしたが、乗鞍スカイラインが濃霧強風のため自転車通行止めとなり、大会が中止されました。(→ 第10回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム(2013/07/06〜07) B【ゴール付近は強風濃霧、果たしてレース開催は...】)
そして、標高2350メートルの位ヶ原山荘を過ぎると...
風雨と濃霧がさらにいっそうひどくなる |
風雨と濃霧がさらにいっそうひどくなります。もちろん、終日にわたって、山頂を確認することはできません。
4号カーブの雪壁 |
そして、こちらは4号カーブの雪壁。もう雪壁といえるレベルの高さではありません。強い雨が降るたびに雪解けが加速します。
道路が川のようになる |
所々で道路が川のようになっていますが、もっとひどい大雨に見舞われることもあり、ノリクラに限っては、各地で甚大な被害を見せている大雨ほどの強い雨ではなかった模様です。
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