ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2018/07/28) C
【畳平、お花畑】
畳平バスターミナル | この天候でも山頂方面に向かう登山客の姿が |
こちらは13時の畳平バスターミナル。気温12℃、風は多少ありますが、それほど強いものではなく、台風12号の直接的な影響はまだなく、台風の北側にかかる雲の影響が見られる程度です。また、この天候ですが、山頂方面に向かう登山客の姿も結構見られました。
シャトルバスは通常通り運行されています。長野県側の観光センター行きは本日Bダイヤのため、2時間に1便と減便されていて、バスの姿はありません。台風12号は夜中に東海地方から西へ進みましたが、ノリクラ周辺では大きな被害はなく、翌日の29日(日)も、シャトルバスはBダイヤですが、通常通り運行されました。
入口付近の石垣に咲くイワギキョウ − 昨年より2週間早い |
それでは、いつもように、お花畑の様子をお伝えします。こちらは入口付近の石垣。隙間からイワギキョウが花を咲かせています。昨年より2週間早い状況です。
さらに階段を下りて行くと...
ハクサンイチゲ | ミヤマキンポウゲ |
モミジカラマツ | ネバリノギラン |
ご覧のように数多くの高山植物が咲いています。お花畑全体の中でも、入口階段付近が最も種類が多く、また、数も多く咲いています。そのため、時間のない方は、入口周辺だけでも楽しめると思います。
これからは結実の観察を(左:ミヤマクロユリ、右:ヨツバシオガマ) |
高山植物の季節も終盤を迎えてきましたので、花だけではなく、今後は結実の様子も観察することができるようになってきます。
遊歩道の周回コース |
そして、さらに奥へと進んで、遊歩道の周回コースへ向かいます。
ウサギギク | コウメバチソウ |
入口付近よりも花の種類が少なくなり、現在きれいに咲いているのは、ウサギギクやコウメバチソウ。ハクサンボウフウはそろそろ終わりになってきました。
ミヤマクロユリ、子房が膨らみ結実へ |
先ほどお見せした入口付近のミヤマクロユリにはまだ変化は見られませんでしたが、奥の方のミヤマクロユリでは、子房が膨らみ、結実の様子が確認できます。
ミヤマアキノキリンソウ − ここ最近では一番たくさん咲いている |
そして、今回一番勢いが良いのはミヤマアキノキリンソウ。ここ最近では今年が一番たくさん咲いているのではないかと思います。今年は花の開花が早く、現時点で昨年のお盆くらいの状況です。そのため、これからは高山植物のシーズンは終盤へと向かって行くと思われますから、お早目にお越しください。
<編集後記>
「平成最後の夏」
最近、メディアで取り上げられるキーワードですが、確かに今年の夏ga平成最後の夏になります。ただ、それほど大きな意味はなく、逆に平成最初の夏(その当時の夏)はどうだったかを振り返るどうだったかなと、ふと思ったわけです。
今から30年前というと、ちょうどバブルが真っ只中からやや終わりに近づいてきた時期。空前のスキーブームに湧き上がっていました。冬のスキー場は大混雑で、乗鞍高原温泉スキー場も駐車場を始め、チケットセンターからリフト乗り場まで、どこに行くにも列に並ばなければならなず、黙っていてもお客さんがやってくる状態でした。もちろん、夏の大雪渓も大盛況で、数多くのスキーキャンプが開催され、バーン確保のため全面ポールが張り巡らされて、フリーのスキーヤーは滑る場所がほとんどない状態でした。
それからしばらくすると、スキーブームが去って、大雪渓でのスキーキャンプはほとんどなくなり、2003年にマイカー規制が実施されると、フリーで訪れていたスキーヤーも少なくなりました。しかし、その後、モーグラーを中心に少しずつ、訪れるスキーヤーが増えてきて、現在では秋口まで滑る方も結構多い状態に回復してきています。
また、自転車に関しては、マイカー規制以前は、ほとんど見かけない状態だったものの、マイカー規制が始まるとと同時に急速に増え、全体の入山者数が減少する中、唯一増加している存在です。
さて、次の30年はどのようなノリクラに変貌しているのでしょうか?もちろん楽しみですが、もうその頃は次の世代の若い方々がノリクラをどうするのか考えていく時代になるでしょう。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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