ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.18(2018/09/08) A

 

 

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(Update:2018/09/13)

 

【三本滝ゲート、土砂崩れ再び..】

三本滝ゲート − この先マイカー規制

こちらは観光センターから7km先にある三本滝ゲート。ここからマイカー規制が始まります。

 

さて、9月5日(水)の速報やツイッターでもお伝えしたように、台風21号の影響により、三本滝ゲートから数百メートル先で土砂崩れが発生しました。

 

土砂撤去と復旧作業が二日間にわたって行われ、翌日9月8日(金)からようやく通行できるようになりました。左の画像土砂崩れ現場で、崩れた斜面には水の浸透を防ぐブルーシートがかけられ、また、上部の道路から斜面に水が落ちないように土嚢が敷き詰められていています。また、再び崩れた場合を想定して斜面下には大型の土嚢が配置されています。そのため、道幅は3.5メートルしかありません。

 


拡大

台風21号による土砂崩れ現場(復旧済み)
★その向こう側を注目(赤丸箇所)★
斜面から泥水が流れている

左の画像が復旧した現場ですが、その向こう側、赤丸で示したところをご覧下さい。右の画像が復旧箇所の向こう側の斜面の様子。ご覧のように茶色に濁った泥水があふれています。この箇所以外にも斜面から水が噴き出していますが、どれも透明なもの。先ほど7時30分から1時間ほど激しい雨が降りましたので、その影響と思われます。

 


1分後

8時53分、泥水が激しくなり始める 8時54分、1分後に突然土砂崩れ

左は8時53分の画像。激しく茶色の水が流れています。濁った泥水が流出し始めると、土砂崩れの危険性が高まって来たことを示していますが、右はその1分後の様子。その危険性が現実のものとなり、斜面が突然崩落して道路を完全に塞いでしまいました。もし現場の真下にいたら、逃げる間もないほどあっという間の出来事でした。

 

「これは、たった今、起きたのか〜!」と血相をかく三本滝警備員

幅20メートル×長さ40メートルの斜面での土砂崩れです。斜面の上部でバラバラと落石の音が1〜2秒したと同時に、斜面が一気に崩れ落ちました。ものすごい勢いで土砂が道路を反対側まで流れ落ちて行き、地響きが感られました。

駆け付けた三本滝の警備員が「これは、たった今、起きたのか〜!」血相をかいた表情で現場を確認し、各方面に連絡を取ります。

 

先日の崩落現場上部
上部道路には水が落ちないように土嚢が積んである
今回の崩落現場上部
左からの水が流れ込んでいると思われる

左は先日の崩落場所の上部、ブルーシートで水の浸透を防ぎ、上部の道路には水が落ちないように土嚢が積んでありますが、その土嚢が終わったところから斜面に排水が流れ落ちて、今回の斜面は普段よりも多くの水が流れ込んだ模様。右の画像では、土砂崩れが起きた後も、道路から激しく水が落ちてきている様子がわかります。

 

発生から30分御 − 土砂撤去事前準備としてチェーンソーで倒木切断

土砂崩れ発生から30分後、まず直行したのは、道路を管理する松本建設事務所から委託を受けた建設会社の方。土砂撤去の事前準備として、チェーンソーで倒木を切断します。

 

バス会社やのりくら観光協会の方など地元関係者が集まる

バス会社の社員も様子を見に来ます。そして、のりくら観光協会会長など地元関係者も。

 

発生から1時間後 − 土砂撤去開始

そして、土砂崩れ発生から約1時間後にはバックホーが到着し、すぐに土砂撤去作業が着手されました。

 

土砂は水を多量に含み粘調性のある泥 大きな岩も

土砂は水を多量に含みチョコレートムースのような粘調性のある状態になっています。その中には右の画像のような大きな岩も...

 

休みなのに急遽駆り出されて〜(泣) 午前中には土砂撤去完了

急遽駆り出された建設会社の方は、「今日は本当はキノコ採りに行きたかったのに...(泣)」と、笑いながら泣いていました。このような方がいらっしゃるおかげで、道路は維持されてます。土砂の撤去は午前中には終了し、午後からは、斜面の再崩落防止のため、ブルーシート掛けと、上部道路から水が流れ込まないよう土嚢を積む作業が続けられます。

 

バス停には「土砂崩落のため終日運休」と掲示

先ほどまで「乗鞍スカイライン大雨通行止めのため運休」表示だった停留所の案内が、「土砂崩落のため、終日運休」に付け替えられました。

 

上部道路の土嚢は土砂崩落の心配のない場所まで敷設 夕方には復旧工事完了、明日通行止解除
★たった一日で復旧とは驚き★

土砂が撤去されたあと、夕方までに上部の道路からブルーシートが設置され、道路から水が落ちないように土嚢が敷き詰められました。今回は水が落ちても土砂崩れの心配のない箇所まで土嚢が道路に沿って延々と敷き詰められました。

そして、翌日9月9日(日)には、再び通行できる状態となり、たった一日で復旧できたことは本当に驚きです。関係の方々の迅速な対応に感謝いたします。

県道乗鞍岳線は、国道158号線から乗鞍高原に通じる主要道路で、地元住民の生活道路ですが、乗鞍高原より先の三本滝ゲートから県境方面は、観光道路としての役割を持っています。災害時は生活道路を優先して復旧がおこなわれると思いますが、観光道路は貴重な資源でもあるため、観光が大きな産業であるノリクラにおいては、生活道路と同じくらい重要です。

 

【台風の影響は登山道にも(鳥居尾根に向かう登山道)】

三本滝から鳥居尾根に向かう登山道

台風21号の被害は三本滝ゲート先の土砂崩れにとどまらず、登山道でもいたるところで倒木が発生し、通行不能な状態になっています。こちらは三本滝へ向かう遊歩道の途中から鳥居尾根に上がる登山道の分岐点です。直進すると三本滝で、右に曲がると鳥居尾根に登って行きます。

 

多数の倒木 橋の倒壊

鳥居尾根までの間、多数の倒木は登山道を塞ぎ、どこの登山道があるのかすらわからない状態。三本滝から鳥居尾根に向かう登山道はかなり急峻で、登山道を外れて登ることは不可能です。また、途中に橋が架けてありますが、その橋もご覧のように壊れてしまいました。

 

地元の方による復旧活動が始まり、来週末には完了予定

しかし、地元の方々を中心に倒木の切断などを進めており、おそらく次週末あたりには、乗鞍高原から山頂までのすべての登山道で復旧活動が完了すると思われます。倒木がひどいのは三本滝から鳥居尾根に登るまでの区間と、摩利支天から荒田沢橋までの区間で、三本滝へ向かう遊歩道や、冷泉小屋から山頂方面への登山道には倒木はありません。

 

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