ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2019/06/22) B
【大雪渓から稜線へ】
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岩の頭 − バーンが分断され滑走不能に (剣ヶ峰〜蚕玉岳滑走エリア) |
A登山道積雪区間100m
−ステップが切ってある 稜線→大雪渓 − 今週で滑走不能に (蚕玉岳〜朝日岳滑走エリア) |
今回、稜線からの滑走ルートで注意が必要なのは現時点では2箇所あり、@ 剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線からの滑走ルートでは、滑走幅が狭くなった箇所(岩の頭)、A 蚕玉岳〜朝日岳稜線からの滑走ルートでは、朝日岳中腹から大雪渓に滑り降りる箇所のクレパスです。
@については【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】のコーナーでお伝えします。
クレパス |
こちらがAの朝日岳中腹から大雪渓に滑り降りる箇所にあるクレパス。一部のクレパスは雪解けに伴ってなくなりかけているものもありますが、滑り降りる箇所をほぼ横断するようにクレパスが走っています。濃霧の日は注意が必要です。
朝日岳〜大雪渓の狭小部分 − 幅7メートル、数日〜1週間で滑走不能に |
クレパス部分の少し上に狭小部分があります。現在の横幅は7メートルで滑走可能です。おそらく、今後数日〜1週間程度で途切れますので、蚕玉岳〜朝日岳稜線からの滑走は今回が最後となります。(蚕玉岳〜朝日岳稜線はすでに積雪がなくなり、実際には朝日岳からの滑走となります。)
登山道積雪区間 −
踏み跡・階段があるが下りはアイゼン装着が安心 (例年6月下旬〜7月上旬まで積雪あり) |
こちらが肩の小屋から稜線への登山道の積雪区間(朝日岳中腹、点線部分)。距離は100メートルですが、急斜面をトラバースする形で踏み跡ができていて、急な部分はスコップで階段が作ってあります。そのため、今日のように雪の柔らかい日はアイゼンなしでも登ることが可能ですが、下りは慎重に降りる必要があり、アイゼンがあったほうが安心です。
朝日岳中腹の積雪区間は、例年6月下旬から7月上旬まであります。
【蚕玉岳〜朝日岳の稜線】
蚕玉岳〜朝日岳の稜線 |
こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。左画像のように、稜線から大雪渓方面への積雪はもう完全になくなりました。左画像の手前の積雪部分は朝日岳直下から続くバーンで、大雪渓方面の滑走はこちらからスタートしてください。
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2018年の権現ヶ池 2018ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2018/06/23) C |
今回の権現ヶ池 昨年とほぼ同じ雪解け |
御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)。昨年とほぼ同じ雪解け。
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2018年の蚕玉岳〜朝日岳稜線 2018ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2018/06/23) C |
今回の蚕玉岳〜朝日岳稜線 昨年より若干遅い雪解け |
こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。こちらは昨年より若干遅い雪解け。
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2018年の朝日岳 2018ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2018/06/23) C |
昨年の朝日岳 昨年より若干遅い雪解け |
朝日岳は昨年より若干遅い雪解けです。
【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】
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2018年の蚕玉岳〜朝日岳稜線 2018ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2018/06/23) C |
今回の蚕玉岳〜朝日岳稜線 |
こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。画像は蚕玉岳山頂で、先週まで残っていた積雪はほとんどなくなり、昨年と同じ状況です。
稜線直下 − ほとんど積雪はなくなる |
こちらは稜線直下から滑走バーンを見た所。ほとんど積雪はなくなりました。
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2018年の蚕玉岳山頂 2018ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2018/06/23) C |
今回の位ヶ原 −昨年より2週間早い雪解け |
このところ、天候が悪く、位ヶ原方面の積雪状況の確認ができませんでしたが、ほぼ昨年並みか若干多い状態。
岩の頭付近 − 雪解けでバーンが分断 |
全体の3分の1付近まで滑り降りた付近では、雪解けとともに岩が出始めてバーンを分断します(画像の「岩の頭」の箇所)。ご覧のとおり、バーンが分断され、滑走できない状態となりました。
全景 | 高さ1.3メートル |
そして、稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。
今週は雪解けが多く積雪は先週の2.3メートルから1.3メートルまで減少しています。
2018年は60センチ、2017年は1.8メートル、2016年・2015年は積雪が途切れて測定せず、2014年は2.1メートル。2013年は1.2メートルで、2012年は2.6メートル、2010年は1.6メートル、2009年は1.3メートル、2008年は1.5メートルでした。
<編集後記>
「軽アイゼンは持ってきました〜」
冬の登山では12本爪以上のアイゼンが必須なので、厳冬期からバックカントリーに入山している方なら、しっかりしたアイゼンをお持ちのことと思いますが、例年、この時期になると「軽アイゼン持ってきましたので大丈夫です」とおっしゃる登山者が多くなります。軽アイゼンは土踏まず部分に4本程度の爪がついているアイゼンで、量販系のスポーツショップでも販売されていますので入手も簡単です。
ただ、土踏まず部分しか爪が無いため、つま先・かかとで蹴り込んで使うことはできず、斜面のあるところではアイゼンがないのと等しい状態です。また、実際にアイゼンが必要となる場面は斜面のあるところで、つま先・踵で斜面を登るため、土踏まずにしか歯がない軽アイゼンは全く役に立ちません。
軽アイゼンと12本爪アイゼンでは値段が全く違うため、冬山をやらない人にとっては手が出ないかもしれませんが、前歯と後歯のあるアイゼンをご使用ください。全然違いますから〜。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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