ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.8(2019/06/29) B

 

 

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(Update:2019/07/04)

 

【雪渓中段、雪渓上部】

雪渓中段 − 中央の大岩が出始める(赤丸)

雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。

 

2018年の中央の大岩
2018ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2018/07/07) B
今回の中央の大岩
昨年より1週間早く、例年より2週間早い

中央の大岩が今週になって現れて来ました。昨年より1週間早く、例年より2週間ほど早い雪解けです。

 

大雨で雪解けが進む 鉄砲水の跡

今週は大雨に見舞われ、雪渓中段のエリアには数多くの岩場が出てきました。また、雨が雪渓内部を流れて噴出した跡が残っていてかなりの大雨だったことがわかります。

 

鉄塔土台
昨年より2週間早く、例年より3週間早い雪解け
タケノコ状の氷柱あ

雪渓上部右側にある鉄塔土台も姿を現してきました。昨年より2週間早く、例年より3週間早い雪解け。また、雪渓上部は右の画像のようにタケノコ状の氷柱ができ始め、夏の雪渓の様相を呈するようになってきました。

 

【肩の小屋−営業開始の準備、鈴蘭小屋−52年前に天皇陛下がお泊りになった部屋】

肩の小屋 − 7月からの営業開始に向けて準備

こちらは大雪渓の北西端にある肩の小屋。例年7月から10月上旬まで営業され、今年も7月からの営業開始に向けて準備が始まっています。

 

「下の鈴蘭小屋で天皇陛下のお部屋を公開してますよ」

常連スタッフが今年もやって来ています。「下の鈴蘭小屋で、天皇陛下がお泊りになった部屋を一般公開できるようにしたので見て来てください。(日帰り入浴の方に限定。下記の備考参照)」とのこと。こちらのスタッフが(画像右、奥の方)、肩の小屋に入る前に、下の鈴蘭小屋で写真の整備などを進めてきたとのことです。

 

鈴蘭小屋(乗鞍高原) 天皇陛下がお泊りになった部屋

こちらが鈴蘭小屋の天皇陛下がお泊りになった部屋。

昭和42年7月24〜26日、当時の皇太子様(現在の上皇)、美智子様(現在の上皇后)、浩宮様(現在の天皇陛下)が、軽井沢・上高地・乗鞍・松本にお越しになり、25日には乗鞍登山の後、乗鞍高原の鈴蘭小屋にお泊りになりました。

写真・記事が展示

室内には先ほどのスタッフが準備した当時の写真や新聞記事が展示されています。

 

このお部屋は三殿下ご宿泊のためだけに作られた

現社長の福島 実氏によると、皇太子・皇太子妃・浩宮様がお越しになるという連絡があったのはわずか1ヶ月前のこと。このお部屋は連絡を受けた先代の社長(福島清喜氏)が急遽作ったもので、三殿下がお泊りになった以降は客室として使用せず、室内に布をかぶせて保存していたとのこと。

当時のことについて福島氏は、「先代は実際に皇太子様などへの対応をしていたが、自分は裏方で走り回っていてそれどころじゃなかった..(笑)」と、当時の大変さをおっしゃっていました。

鈴蘭小屋
乗鞍高原の歴史を刻んできた貴重な宿

昭和4年、まだ自動車が通行できる道路もない中、乗鞍高原で最も早く建てられた鈴蘭小屋。当時は登山者などの宿泊はもちろん、コロナ観測所の隊員の中継地としても重要な役目を果たし、現在でも冬季訓練に訪れる南極観測隊の宿泊場所として利用され、乗鞍高原の歴史を刻んできた貴重な宿です。

【備考】一般公開は日帰り入浴される方を対象にしています(大人500円)。お問い合わせは、乗鞍高原 鈴蘭小屋まで(電話0263−93−2001)

 

<編集後記>

「畳平のお花畑が見頃になります」

7月に入ると本格的な夏山シーズンを迎えます。夏山らしい風景といえば高山植物があちらこちらに咲く風景が目に浮かびますが、畳平のお花畑はノリクラで最も数多く高山植物が咲くスポットで、バスツアーなどの一般観光客の散策スポットにもなっています。

高山植物と言ってもその種類は数多くあり、自生する場所も様々です。岩場を好むものや日陰を好むもの、そして、雪解けが進んだところは特に多くの高山植物が見られます。、特に畳平のお花畑は雪田と呼ばれ、山に囲まれた谷間にあって積雪量が多い場所に当たり、周囲から雪解け水も集まり、植物の生育に適した場所でもあります。そのため、多くの高山植物が7月から8月上旬にかけて次々と咲き始めるわけです。

ですから、ノリクラに良くお越しになる方はぜひとも一度は足を運んでいただき、できれば、1シーズンに1〜2度は訪れてみて、週ごとに咲いている花々が変化する様子もご覧いただきたいと思います。

畳平のお花畑の見頃は7月上旬から8月上旬。今年も高山植物のシーズンが始まりますのでぜひお越しください。


 


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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