ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.16(2019/08/24) B

 

 

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(Update:2019/08/29)

 

【雪渓上部U(左側)】

2018年の雪渓上部左側
2018ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2018/08/25) B
今回の雪渓上部左側
昨年の3分の2程度の大きさ

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。昨年と比べて3分の2程度の大きさしかありません。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

雪渓下部や雪渓上部右側で、ある程度雪渓でのスキーに慣れたうえで、お越しいただくことを強く求めます。天候の加減でバーンが少しでも硬くなると、事故に直結します。今年はバーンが例年よりも急斜面になっていますので、初めての方はご遠慮くださいますようお願い致します。

 

2018年の落書きの岩
2018ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2018/08/25) B
今回の落書きの岩 − 昨年より1週間早い雪解け

こちらは下端部分。下端部分は落書きの岩の上方47メートルのところにあり、昨年より1週間早い雪解けを見せています。昨年は例年より6週間も早い状況でしたので、今年も異常に早い雪解けであることがわかります。

 

滑走できるのは北寄り部分だけ

滑走できるのは雪渓の中でも北寄り部分だけ。例年なら南寄り部分も滑走できますが、今年は上部稜線から大量の土砂が雪渓に流れ込んで滑走できない状態となっています。また、中央部分は下半分の斜度変化(落ち込み)が厳しく、滑走上危険が生じます。

 

先週作成された2本のモーグルラインは消滅 − 北側ラインかろうじて滑走可能

先週は2本のモーグルラインがありましたが雪解けで消滅し、北側のラインはかろうじて滑走可能ですが、ご覧のように雪解けが進んで岩が出てきたため、滑走できなくなるのは時間の問題です。なお、現在の長さは6コブ×22メートルです。

 

中央部分で滑走 例年なら滑走に使用しないエリア

北側部分の面積がかなり少なくなってきたため、例年なら滑走には使用しない中央部分でも滑走しています。

 

最大斜度42度 − ゲレンデでは考えられない超急斜面

中央部分は中間から斜度の落ち込みが激しく、最大斜度42度にも達し、ゲレンデでは考えられない超急斜面です。

 

急斜面に怖気づくことなく滑走 − ハイレベルなメンバーが集まっている

それでも、ジュニアのメンバーはそんな急斜面に怖気づくことなく滑走します。ただ、かなりハイレベルなメンバーばかりが集まっていると思われます。

 

今年は雪が柔らかいため、急斜面でもかろうじて滑走可能

今年は雪が柔らかく、エッジが良く効くため、比較的安全に滑走可能ですが、今後冷え込みが強くなってきて、例年並みの硬さになると、おそらく滑走困難&登攀困難になることと思われます。

 

上端部分
昨年より2週間早い雪解け
上端から下端までの距離は70メートル
昨年とほぼ同じ

左の画像は上端部分で昨年より2週間早い雪解け。上端から下端までの距離は70メートルほぼ昨年と同じ状態です。

2018年は74メートル、2017年は122メートル。2016年は47メートル、2015年は171メートル、2014年は125メートル、2013年は130〜120メートル程度、2012は108メートル、2011年は濃霧で測定不能、2010年は102メートル、2009年は105メートル、2008年は125メートル、2007年は120メートルでした。

 

【肩の小屋】

肩の小屋

こちらは大雪渓の上(北西)にある肩の小屋。

 

今日はシャトルバス運休で登山客がなく開店休業状態

この日はシャトルバスが運休となり、来場する登山者はほとんどなく、開店休業状態。

 

携帯電話のホームアンテナ造設 − こういう日は普段できないことを

こういう日は普段できないことをしなくっちゃと、携帯電話の電波を中継するホームアンテナの造設を行います(ドコモ)。乗鞍岳周辺は電波状況は比較的良好ですが、肩の小屋周辺だけ電波の入りが悪く、ホームアンテナを設置していました。造設することで館内を広くカバーする予定です。

 

9月はいろいろ考えてますよ! − フェイスブックでお知らせします(「乗鞍岳 肩の小屋 フェイスブック」で検索)

肩の小屋の営業は10月三連休までですが、9月はなにか色々やってみたいと企画中とのこと。詳しくは肩の小屋のフェイスブックでお知らせいたしますので、ぜひご覧くださいとのことでした。(「乗鞍岳 肩の小屋 フェイスブック」で検索してみてください)

 

<編集後記>

「マウンテンサイクリングin乗鞍という存在」

当WebSiteをご愛読下さっている方は、夏スキー・登山・写真・ヒルクライムと多岐にわたっていますが、7〜8月にかけてはヒルクライムの方が大半を占めているのではないかと思います。この時期に集中するのはマウンテンサイクリングin乗鞍という国内有数のヒルクライムレースが8月末(今年は8月25日(日))に開催されるからです。このレースに照準を合わせて日々のトレーニングに挑み、大げさな言い方かもしれませんが、この大会で一年が終わり、また、新たな一年が始まるという選手もたくさんいらっしゃいます。

毎年4000名以上もの選手が集まるため、地元にとっても大きな収入になるイベントですが、出場する選手が何度も練習に訪れてくれることが本当の価値なのではないかと思います。大会実施日だけの単発的な集客ではなく、継続的な魅力・影響力の大きさに価値があり、やはり今回で開催34回目という歴史の重みがあります。

どんなことがあっても継続しやり続けること、そして、その価値を高めて行くことは本当に難しいところで、その点から考えても、これ以上の大会はないのではないかと思います。


 


 

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