ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.17(2019/08/31) B

 

 

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(Update:2019/09/05)

 

【雪渓上部 T(右側)】

雪渓上部全景

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。雪解けが進むと中央から尾根が縦に伸びて、雪渓上部を左右に分断します。右側での滑走は8月下旬〜9月上旬まで。左側は9月下旬から10月上旬まで滑走可能ですが、左側はかなりの急斜面で、下が岩場になっていますので、雪渓での滑走に慣れた上級者のみとなります。

ただ、今年は雪解けが早いため、右側では例年より2週間以上、左側は場所によっては1ヶ月以上早い雪解けとなっています。

 

雪渓上部右側

こちらは雪渓上部右側全景。中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリア。

 

先週の雪渓上部右側(積雪箇所)
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2019/08/24) A
今週の雪渓上部右側
完全に消滅

先週はかろうじて積雪が残っていましたが、今週は完全に消滅しました。

 

【雪渓上部右側の積雪消滅時期】

2018年(→2018ノリクラ 雪渓カレンダーVol.17(2018/09/01) B
2017年(→2017ノリクラ 雪渓カレンダーVol.20(2017/09/23) A
2016年(→2016ノリクラ 雪渓カレンダーVol.13(2016/08/06〜07) B
2015年は消滅せず
2014年(→2014ノリクラ雪渓カレンダーVol.22(2014/10/04〜05) B
2013年は消滅せず
2012年(→2012ノリクラ雪渓カレンダーVol.19(2012/09/15〜16) B
2011年(→2011ノリクラ雪渓カレンダーシーズン Vol.18(2011/09/08〜09) C
2010年(→2010ノリクラ雪渓カレンダー  Vol.20(2010/09/25〜26) C
2009年(→2009ノリクラ雪渓カレンダー Vol.21(2009/10/03〜04) B
2008年(→2008ノリクラ雪渓カレンダー Vol.21(2008/10/04〜05) B
2007年(→2007ノリクラ雪渓カレンダー Vol.19(2007/09/15〜16) D

過去の状況から、今年の雪渓上部右側は例年よりもかなり早い雪解けであったことがわかります。

 

【雪渓上部 U(左側)】

2018年の雪渓上部左側
2018ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2018/09/01) B
今回の雪渓上部左側

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。昨年と比べて3分の2程度の大きさしかありません。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

雪渓下部や雪渓上部右側で、ある程度雪渓でのスキーに慣れたうえで、お越しいただくことを強く求めます。天候の加減でバーンが少しでも硬くなると、事故に直結します。今年はバーンが例年よりも急斜面になっていますので、初めての方はご遠慮くださいますようお願い致します。

 

2018年の落書きの岩−雪渓下端まで53メートル
2018ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2018/09/01) B
今回の落書きの岩−雪渓下端まで70メートル
昨年より2週間早い雪解け

こちらは下端部分。下端部分は落書きの岩の上方70メートルのところにあり、昨年より2週間早い雪解けを見せています。昨年はこの時期ですでに例年の10月末よりも少ない状態でしたので、今年は異常に早い雪解けであることがわかります。

 

北寄り部分

滑走できるのはこちらの画像の北寄り部分(右寄り)と、後述する南寄り部分(左寄り)ですが、北寄り部分はかなり雪解けが進んで長さが25メートルしかありません。そのため、距離的に滑走はかなり難しい状況です。

 

上端部分 −昨年より1週間早い雪解け 上端から下端まで44メートル
昨年より2週間早い雪解け

左の画像は上端部分で昨年より1週間程度早い雪解け。上端から下端までの距離は44メートルで昨年より2週間早い雪解けです。

2018年は60メートル、2017年は110メートル、2016年は20メートル、2015年は150メートル、2014年は106メートル、2013年は125メートル、2012年は88メートル、2011年は111メートル、2010年は81メートル、2009年は96メートル、2008年は120メートル、2007年は85メートルで、2016年に次いで短い状態となっています。

 

南寄り部分 − バーンの左側は土砂が流入して滑走できない

そして、こちらは南寄り部分(左寄り)。右の画像では滑走部分を示していますが、その左側(左の画像)では、上部から土砂が流入している様子がおわかりと思います。土砂が流入したのは7月上旬で、すでに2ヵ月程度が経過していますが、雨などで土砂が洗い流されることなく堆積しています。

土砂そのものは、雪渓表面を薄く覆っているに過ぎない状態ですが、表面が覆われると雪解けが抑えられるため、左の画像のように数メートルもの高さに盛り上がっています。

 

滑走部分

先週は中央部分で滑走していたこちらのグループ。南寄り部分を整備して滑走できるようにしましたが、こちらは中央部分ほどの急勾配ではないものの、最大斜度37度にも達しますので、十分注意が必要です。

 

滑走距離42メートル、全体の長さ66メートル

滑走距離は42メートル。全体の長さは66メートルあり、積雪も十分あるため、しばらくは滑走可能な状態が続くかと思います。(ただ、途中で岩場が出る可能性もあり)

 

2018年の上端部分
2018ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2018/09/01) B
今回の上端部分
昨年より2週間早い雪解け

南寄り部分の上端は昨年よりも2週間ほど早い雪解けです。

 

土砂流入箇所 とても除去できるレベルでない

こちらは土砂流入箇所。人の背丈の2〜3倍程度の高さがありますが、土砂の体積は厚さが10〜20センチ程度。ただ、人の手でこれを除去することはできないため、おそらく、このまま積雪期を迎えると、来年の夏には雪解けとともに土砂が出てくるかと思います。

雪渓上部右側などでも同様の現象がありますが、翌年以降、土砂に覆われた斜面が出てくることはあまり見られないため、どこかのタイミングで土砂が洗い流されているのかもしれません。ただ、ここまで大規模な現象はこれまでありませんでしたので、今後の状況の推移が必要です。

 

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