ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.24(2019/10/19) B

 

 

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(Update:2019/10/24)

 

【雪渓下部】

大雪渓前 − 濃霧

大雪渓付近はご覧のとおり濃霧。視界は50メートル程度。気温は10℃ですが体感的には寒さはありません。もちろんこの天候ですから大雪渓肩の小屋口バス停で下車する方はありません。午後から雨が強くなって乗鞍スカイラインでは通行止めが検討されたものの終日通行可でシャトルバスも最終便まで運行されました。

 

雪渓下部−9週間前に積雪はなくなる

ここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えします。雪渓下部の積雪は9週間前の段階でなくなりました。例年、雪渓下部の積雪がなくなるのは9月第1〜3週あたりで、近年では8月中に消滅するケースはほとんどなく、今年は異常に早い雪解けでした。

 

石碑の岩 チングルマ

こちらはいつもお伝えしている石碑の岩。チングルマはすっかり枯れてしまいました。

 

レリーフが埋め込まれている

その岩の頭にご覧のようにレリーフが埋め込まれています。

 

昭和31年3月、中日新聞取材機「若鷹号」墜落
(墜落時の現場写真)
遠方の稜線が右画像と同じ −この近くで墜落
レリーフには事故の記録が刻まれる

そのレリーフには、「昭和31年3月23日南極観測隊耐寒訓練取材の中日機「若鷹」号乗員4名ここに霊をとどむ」と記されています。
左は昭和31年3月の墜落時の現場写真、左は別の日の撮影ですが石碑の岩の画像、二つの画像に移る遠方の稜線がほぼ同じで、この付近で墜落したことがわかります。(画像を精査すると、実際の場所は石碑の岩よりも標高が高く北寄りに位置する所で、摩利支天岳の東斜面あたりと思われます。)

 

【雪渓上部】

雪渓上部左側(落書きの岩周辺) 形状が横長から縦長に変化

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。こちらはいつもお伝えしている雪渓上部左側にある落書きの岩(画像右上)。ここから雪渓まで約170メートルほどありますが、濃霧でその様子はまったくわかりません。

濃霧が薄くなった瞬間に撮影したものが右の画像です。見慣れた横長の形状からやや縦長の形状に変化しています。

 

先週の雪渓上部左側(長さ25メートル×横41メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.23(2019/10/12) B
今回の雪渓上部左側(長さ20メートル×横18メートル)
横幅が半分以下に

雪渓の大きさは長さ20メートル×横幅18メートル。先週の長さ25メートル×横41メートルと比べると、縦はあまり変化がないものの、横幅が半分以下になっています。

 

滑走できても2〜3ターン程度

大きく雪解けしたのは雪渓の右側部分で、滑走できる左側部分はそれほど減少していません。しかし、実際に滑走できる部分は15メートル程度の滑走距離しか取れませんので2〜3ターンが限界ではないかと思います。

 

表面は完全に凍結 − 初めての方が滑走できる状況ではありません

バーン表面は完全に氷になっています。次のウインターシーズンの前に足慣らしで滑ってみたいという方が毎年いらっしゃいますが、初めての方が滑走できる状態ではありません。おそらく、この硬い急斜面をハイクアップすることすら無理でしょう。

 

【午後から豪雨、道路は川のように】

14時頃から豪雨 − 普段見られない水の流れが
(雪渓下部)

今日は終日雨でしたが、14時頃から一時的に豪雨となりました。こちらは雪渓下部の画像ですが、普段は全く水の流れがないものの、いくつもの水の流れができていることが画像からでもわかるほど大量の雨が流れています。

 

濁流に覆われる(大雪渓駐車場付近)

山肌を流れた雨は道路をあふれさせ、大雪渓駐車場はご覧のとおり茶色く濁った水で冠水してしまいました。これまでにも大雨で駐車場が冠水することは度々ありますが、このように濁った水が出ることはなく、土砂崩れへの警戒が必要です。

 

富士見沢

この濁った水は大雪渓駐車場から1km近く先にある富士見沢からでした。

 

濁流はここから − 防護ネット・土嚢で対応済

この付近は常に土砂が流れていて、ご覧のようにすでに防護ネットや土嚢で対応がされていました。

 

山の大雨は上部よりも中腹・山麓で注意が必要

山の大雨は上部よりも中腹や山麓で注意が必要です。上部で降った雨が集まるからです。斜面からは普段は見られない出水がいたるところで確認できます。県道乗鞍岳線では昨年三本滝ゲート付近で土砂崩れがありましたが、大雨のたびに土砂崩れが起きるような状況は発生していません。

 

【10月22日(火)、初雪・初冠雪観測】

@ 2019/10/22 06:00
位ヶ原山荘より積雪
(位ヶ原山荘)
A 2019/10/22 06:00
昨晩の降雪で初雪となり、現在は雨
(位ヶ原山荘)

B 2019/10/22 05:55
積雪は最大5cm
(県境付近)

C 2019/10/22 06:00
三本滝ゲートより通行止め、シャトルバス運休
(大雪渓前)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

10月22日(火)は、台風20号から変わった低気圧の影響により、昨晩は降雪に見舞われ、乗鞍岳では初雪となりました。岐阜県側乗鞍スカイラインでは最大10センチ、長野県側県道乗鞍岳線では5センチの積雪となり、乗鞍スカイライン・県道乗鞍岳線ともに通行止めです。

6時の畳平の天候は雨・気温2℃・風速1〜2メートルで、乗鞍スカイラインでは8km地点より積雪。また、標高2350メートルに位ヶ原山荘の天候は雨・気温3℃で、位ヶ原山荘付近から積雪が始まっていています。

この初雪は昨年より5日遅く、過去10年間の平均観測日より8日遅い記録です。なお、今シーズンの道路冬季閉鎖は11月1日からで、今後、路面状況が回復すれば開通する見込みです。

 

@ 2019/10/22 10:40
山頂方面、初冠雪観測
(県道乗鞍岳線 − 位ヶ原11号カーブ)
A 2019/10/22 10:50
大雪渓より県境方面は積雪が続く
(県境付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

そして、終日曇でなかなか山頂方面が確認できませんでしたが、日中、雲間から山頂方面に初冠雪を観測しました。昨年より2日遅く平年より4日遅い記録でした。

 

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