ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.3(2020/04/18) B

 

 

Top-page > Index > Page:   1  2  3 

(Update:2020/04/23)

 

【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】

1番標識手前

入口急斜面を登り切ると、なだらかな緩斜面が続きます。右の画像の丸印部分、先週から斜面の途中に切り株が現れるようになってきました。

 

先週の1番標識手前の切り株
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2020/04/11) B
今回の1番標識手前の切り株
再び埋まってしまった

先週は切り株が高さ30センチほど確認できる状態でした。しかし、今週は今朝だけでなく、週の初め(13日から14日にかけて)にも降雪があり、再び埋まってしまいました。

 

2014年の1番標識手前の切り株
2014ノリクラ雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) C
2015年の1番標識手前の切り株
2015ノリクラ雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) B
2016年の1番標識手前の切り株
2016ノリクラ雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.1(2016/03/19) B
2018年の1番標識手前の切り株
2018ノリクラ雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2018/04/07) B

こちらは過去の様子ですが、雪解けが遅い年は4月下旬、早い年は3月中下旬頃です。今年は3月最終週に姿をあらわし、例年より雪解けの早い(もしくは積雪の少ない)状態ですが、4月に入って降雪・低温が続き、積雪量の低下が抑えられています。

 

ツアーコース内には、下から1番から6番まで赤い標識があります。

 

2019年の1番標識(積雪145センチ)
2019ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2019/04/20) B
先週の1番標識(積雪95センチ)
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2020/04/11) B
今回の1番標識(積雪115センチ)

 

こちらは1番標識付近(標高約2130メートル)の積雪は115センチ。先週より20センチ増加、昨年より30センチ少ない状況で、今期3番目の積雪量です。

先週の3番標識付近
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2020/04/11) B
今回の3番標識付近
積雪量増加は一目でわかる

木々の埋まり方を見れば、積雪量の増加は一目でわかるほどの状態で、場所によっては地形が変わるほどの積もり方をしています。

 

2019年の3番標識(積雪145センチ)
2019ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2019/04/20) B
先週の3番標識(積雪85センチ)
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2020/04/11) B
今回の3番標識(積雪120センチ)

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識(標高約2235メートル)。現在の積雪は120センチ。先週より35センチ減少、昨年より25センチ少なく今期2番目の積雪量です。

 

昨年同様、4月に入って積雪量が増加

ツアーコースの積雪は例年3月上中旬頃にピークを迎え、4月は減少の一途をたどります。しかし、今年は厳冬期の積雪が少な目で、4月に入ってから挽回しています。これは昨年も同様の傾向でした。

 

2019年の5番標識(積雪240センチ)
2019ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2019/04/20) B
先週の5番標識(積雪175センチ)
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2020/04/11) B
今回の5番標識(積雪215センチ)

こちらはツアーコース上部付近の5番標識(標高約2305メートル)。現在の積雪は215センチ。先週より40センチ増加、昨年より25センチ少ないで今期1番目の積雪量となりました。

 

2019年の6番標識手前の谷
2019ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2019/04/20) B
先週の6番標識手前の谷
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2020/04/11) B
今回の6番標識手前の谷

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。画像ではわかりにくいですが、先週よりも明らかに積雪が増えています。

この谷が埋まるのは2月以降で、それまではこの付近を通過するだけでかなり時間を要する状況でした(画像以外に2〜3ヶ所ほど谷があります)。今年は降雪が少なかった割には谷の埋まり方が比較的早かった傾向にあります。なお、下山滑走時にウェーブに対応できず、転倒して骨折負傷する事案が過去には発生していますので十分注意してください。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

 

 【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】

位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンになります。オープンバーンとは視界が開けているというですが、逆に目印になるものがないという意味でもあり、視界不良時(濃霧)は方向を見失って遭難することを示しています。位ヶ原山荘の看板の位置から急斜面の上端が見えないほどの濃霧の場合は、今日の山行を中止して引き返すことをオススメします。

 

2019年の位ヶ原急斜面
2019ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2019/04/20) C
先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2020/04/11) C
今回の位ヶ原急斜面
昨年より1メートル近く少ない

 位ヶ原急斜面の積雪は先週より50センチ以上は増加し、画像中央のアオキ(シラビソ)の高さを見る限りでは、昨年に近い状態になってきました。

 

ツアーコースは全区間重たい雪 − 着雪性がよく積雪量が大幅に増加

ツアーコース下部と比べると、若干雪が軽くなって来た感じはあるものの、雪の重たさは変わりません。そのため着雪性が良く、積雪量の大幅な増加に寄与していると考えられます。

 

【位ヶ原急斜面と伊奈川の谷について】

【本物】左の谷−位ヶ原急斜面(正規下山ルート) 【偽物】右の谷−伊奈川の谷(間違えて何度も遭難あり)

さて、こちらは位ヶ原急斜面を上から眺めたもの。左が「本物」で右が「偽物」です...

この2枚の画像は左右連続写真(※)で、左が本物の位ヶ原急斜面で。右は伊奈川の谷で位ヶ原急斜面ではありません。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進んで、これまで何度も遭難が発生しています。乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬には、伊奈川に立ち入らないようにロープが設置されますが、この時期はありません。
(※ 実際には左右の画像の間に尾根部分があります。)

 

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面から下山する際に間違いやすい位置にあります。

 

伊奈川の谷−大きな岩場があるのが特徴(中央)

伊奈川の谷には雪着きの悪い大きな岩場があり、これが位ヶ原急斜面との大きな違いです。濃霧の中でも、斜面の中に大きな岩場があるかどうか確認できるはずです。

 

首都圏を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大し、全国的に感染防止対策が広がり、ノリクラにおいても営業休止やイベント中止の影響が出始めています。湯けむり館の営業休止はすでにご案内のとおりですが、今週に入って、乗鞍岳春山バスの中止も決まりました。

今後、春山・夏山に向けて、道路開通・シャトルバス・山小屋の営業が始まりますが、現時点での状況をこちらにまとめておりますのでご覧下さい(→ 2020シーズン 道路・イベントなどの開催状況<新型コロナ関係> 随時更新予定

 

<編集後記>

「ノリクラ雪渓カレンダーを一時休止します..」

新型コロナ感染防止のため不要不急の外出規制の緊急事態宣言の発令に伴い、入山を奨励するような内容の掲載を一時中止いたします。そのため、ノリクラ雪渓カレンダーは今回の掲載をもって一時休止いたします。

本掲載は2001年より連載を開始し、今年で20年目のシーズンを迎えましたが、このような事態は初めてのことです。再開は5月6日以降を予定しており、いち早い終息を願うところであります。ご愛読の皆様にはご迷惑をおかけいたしますがご理解のほどよろしくお願いいたします。なお、新規情報はこれまで通り、トップページ・速報・ツイッターにてお伝えいたします。


 


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3    -  Next-Page (Vol.4)>>