第37回乗鞍ヒルクライム
(2022/08/27〜28) D
【レースはまだまだ続きます】
今回大会のエントリー数などは下記通り。(リザルトデーターに基づく)
エントリー数(A) | 出走者数(B) | 出走率(B/A) | 完走者数(C) | 完走率(C/B) | |
<今回>2022年 | 3750 | 2914 | 77.71% | 2856 | 98.01% |
<前回>2019年 | 4479 | 3789 | 84.59% | 3749 | 98.94% |
完走率は前回大会とほぼ同じですが、出走率は大幅に下がっていて、エントリーしたものの、出場を取りやめた選手が多かった模様です。エントリーが行われていた4月頃は、コロナ感染が収束していたものの、7月頃からコロナ第7波による感染急拡大が見られるようになり、それが影響しているものとみられます。
この日の大雪渓からゴール付近の気温は13〜15℃。日差しが差し込むタイミングもありましたが、ほぼ曇空のコンディション。選手の皆さんにとっては、レース中は適度な気温だったのではないかと思います。
本大会のコースは標高1500m〜2700mで、標高2500m以上は森林限界となっていて、国立公園内で最も規制が厳しい特別保護地区に指定されます。国内で森林限界以降を走行できる道路は数少なく、本格的な山岳風景が間近に楽しめるのは、本大会のコースになっている県道乗鞍岳線と、ゴールでつながっている岐阜県側の乗鞍スカイラインだけでしょう。
ゴール付近に差し掛かると、毎年恒例の悪魔おじさんの声援が待っています。「頑張れ〜。もうじき坂が終わっちまうぞ〜」。多くの選手を励ましていますが、「他の大会と違って、乗鞍は多くの笑顔に出会えるからうれしい。選手の皆さんを応援していますが、多くの笑顔をもらうことで、逆に励まされています」。
悪魔おじさんも3年ぶりに大会が開催されたことを喜ぶ一人なんです。
例年、下山時刻になると、下山を待つ選手が多くなって、ゴール付近が混雑することから、今年は密を分散するため、ゴール後、各自で大雪渓まで下山してもらい、ここから、集団下山する形式に変更されました。
定期的に乗鞍にお越しになっているこちらの選手。「初めて出場しましたが、同じコースでも、自分たちだけで登っているのと、レースとして登っているのとでは、全然感覚が違います〜すごいいい経験になりました!」 いろいろな表情がある乗鞍。また新たな魅力を発見された模様です。
今年も無事に全員で登りきることができました。前回の大会ではリーダーの方は27年目とおっしゃっていましたので、今年はちょうど30年目の節目で、その節目に合わせてレースが再開されて本当に何よりです、
そして、出場選手一人一人に声援を送った悪魔おじさんも無事にゴール。3年ぶりの乗鞍ヒルクライムが無事に終了しました。
<編集後記>
今年は開会式も表彰式がありませんが、そんなセレモニーがなくても、例年以上に達成感を感じられる大会になったのではないかと思います。この2年間、大会が開催されない無力感のようなものがあり、全国各地で地域伝統のお祭りが中止になって、地域のつながりなど、その存在意義の大きさを再認識する事例が数多くありました。
乗鞍のヒルクライムはフィールドの良さに定評があり、それだけで十分な魅力があります。ただ、レースとして走ると違った風景が展開され、大会に出場しなければ味わえない雰囲気でもあります。今回は「レース感の大事さ」を改めて強く感じた大会になったのではないでしょうか。
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