【速報バックナンバー 2015年3月分】

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◎ 3月

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■2015年3月28日(土)        (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.2
 
   ※ Mt.乗鞍営業終了以降(4月6日(月)以降)の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)を本日速報の最後に掲載しております。

@ 2015/03/28 09:20
朝一番はやや曇り空 − 今日も100名以上の入山者
(ツアーコース入口)
A 2015/03/28 10:45
次第に晴れ間が広がる − でもバーンはさほど緩まない
(ツアーコース − 2番標識付近)

B 2015/03/28 13:20
スノーカイトが大空を舞う − やや強めの穏やかな風が流れる
(位ヶ原)

C 2015/03/28 14:05
大雪渓周辺はハードとプチパウダーが点在
(大雪渓)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 朝一番はどんよりとした天候も、次第に青空が広がり、春らしい陽気になりました。それでも上部ではやや冷え込んだ空気に包まれて、春特有のグサグサの雪にはならず、日差しは春でも若干冬の雰囲気もかろうじて残っている雰囲気の一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、西の空に昇っている月が周囲を煌々と照らす明るい夜を迎えています。気温はマイナス3℃。今日は月が明るいにもかかわらず、星もきらきらと輝き、また、ノリクラの峰々は斜めに差し込む月光が山肌の陰影をくっきりと浮かび上がらせ、昼間のノリクラよりもさらに立体感を感じる様子が見られました。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、薄曇の朝を迎えます。気温はマイナス3℃、いつも以上にどんよりとした雰囲気があって、肌寒さを覚える状況です。昨晩からの降雪はなく、乗鞍高原周辺の道路に積雪凍結箇所はありません。また、雪解けの進んだところでは一部で地面が見えてきました。一旦雪解けが進んで、地肌が見えるようになると、雪解けは一気に加速して行き、冬の景色からあっという間にグリーンシーズンへと移り変わってゆくはずです。

Mt乗鞍は、今日も定刻どおりリフト営業が始まり、9時過ぎにはツアーコース入口に到達することができました。9時のツアーコース入口の気温はプラス6℃。朝一番から比べると薄日がはっきりしてきて、肌寒さは完全になくなります。リフト営業開始直後のツアーコース入口付近にはすでに30名以上のスキーヤー・ボーダーの方々がお越しになり、大変な賑わいになっています。おそらく先週の土曜日とほぼ同じような状況で、最初の30名が出発するとすぐに第2陣の方々がお越しになり、リフト営業開始から1時間程度で50名以上が入山しました。また、今日一日の入山者数は、かもしかリフトの1回券・回数券のカウント数から、100名以上だったと推測されます。

気温はプラスであっても、日差しが弱く、バーンは硬く、また、数日前の新雪がそのまま凍ってパック状態になっています。ただ、シールのグリップが効かないほどのハードな状況ではなく、10時過ぎには緩み始めてきます。

入口急斜面を登り切った先のツアーコースも同じようなコンディション。10時過ぎから次第に青空が広がって筋状の雲が絵筆を振るう様子は、まるで秋空のような雰囲気。ほとんど風もなく、ツアーコースを登っている方々の中には、アウターをザックにしまいこんで、さらに薄手のウエアーのファスナーを全開にして登る様子も見られます。しかし、それでも、バーンはそれほど緩まず、ハードな部分が程よく緩む程度にとどまっていて、まだ冬の空気を残しているように感じます。

そして、5番標識付近から冷たい風が流れるようになり、位ヶ原急斜面にやってくると、急に寒さを感じる状態で、ザックにしまいこんでいたアウターを慌てて着る様子も見られました。また、位ヶ原急斜面でも新雪感はほとんどありませんが、バーンは真っ白になっていることから、数日前の雪が残っている状況であると考えられます。
正午の位ヶ原急斜面の気温は0℃。周辺の山々が厳冬期並みにくっきりと映り、春特有の霞みがかったくすんだ空はありません。

午後になるとさらに青空が広がってきます。そして、森林限界を超えた位ヶ原は真っ白な雪原やノリクラの峰々と、真っ青な空がくっきりとしたコントラストが冴え渡り、そんな中を、上昇・降下を繰り返すスノーカイトが位ヶ原の大空に舞い上がっていました。今日の位ヶ原の風は、厳冬期と比べると劇的に穏やかですが、強風とまではいかない程度の風が吹き、スノーカイトを飛ばしていらっしゃったボードの方にお話をお聞きすると、「体重の軽い人にとっては今日はやや強めの風ですが、もっと強風の中で飛ばすこともあります。」との事でした。

ハードなバーンばかりが続きますが、大雪渓手前付近から積雪数センチ程度のパウダーを足裏に感じることができるようになって来ました。ただ、大雪渓周辺を見ると、アイスバーンになっている箇所や、ややパックされたような雪質、そして、柔らかな足裏感覚のあるプチパウダーなどが様々に点在していて、朝日岳の稜線付近を見ると、南寄りの部分ではアイスバーンで、北寄りの部分は新雪が乗っている様子が見られ、今日はパウダーが楽しめたのはかなり限られたゾーンだったと思います。

Mt乗鞍のリフト営業は来週末の4月5日(日)までです。それ以降は全山登行が必要となりますので、天候を見計らってリフト営業が終了するまでにツアーコースにお越しになってはいかがかでしょうか。
なお、本日取材分の ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版Vol.2 は、今週末掲載予定です。今しばらくお待ちください (2015/03/28 18:40更新)


【ツアーコースの積雪状況 − 全体的に硬めで日差しがあっても緩まないコンディション】

先週ほどではないものの、硬めのバーンコンディションのため、山頂方面はアイゼンが必要な状況が続き、稜線からの滑走にはあまり適さない状況で、大雪渓・摩利支天岳・富士見沢などが比較的滑走しやすい状況かと思います。ただ、この時期は寒暖の差が激しく、摩利支天岳・富士見沢でもハードバーンでシールで登れない事もありますのでご注意ください。

・3番標識付近の積雪量は、先週より10センチ減少して、昨年より20センチ多い状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より10センチ減少して、昨年より35センチ多い状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週とほぼ同じで、、昨年より1メートル多い状況。6番標識山麓側の谷は、ほぼ完全になだらかになり、下山滑走でもほぼ問題ない状態になりました。

今年は各地でスキー場コース外滑走による遭難事案が頻繁に発生しています。
乗鞍のツアーコースはMt乗鞍の管理区域外(コース外)のため、遭難した場合は県警山岳救助隊や民間の救助隊(遭対協)に救助要請を行うことになります。
場合によっては救助費用の自己負担が多額になる場合もあり、自己責任の範疇を超える状況となります。
ゲレンデスキーヤー・ボーダーの方が装備なしで入山することは危険が伴い、また、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々も「チャレンジ精神」とか「滑走欲望」を自制できることが求められます。
また、今年は雪崩多発地帯では大きな雪崩が発生がなく、今後いつ発生してもおかしくないと思われますので十分注意してください 。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

なお、乗鞍高原周辺は、路面凍結積雪がほとんどなくなりましたが、雪解け水の夜間凍結の懸念がありますので、冬用タイヤ、または、タイヤチェーンは必ず必要です。
 

【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】
スキー場営業終了が4月6日(日)で終了します。それに伴い、ツアーコース等の上部エリアへアクセス方法が変わり、時期によっては乗鞍高原から全ての区間が登行となります。下記の情報にご留意の上、計画してください。

  スキー場〜三本滝ゲート
(標高1600〜1800m)
三本滝ゲート〜ツアーコース入口
(標高1800〜2000m)
ツアーコース入口〜位ヶ原
(標高2000〜2500m)
位ヶ原方面〜大雪渓
(標高2500〜2600m)
4月5日(日)まで リフト乗車 リフト乗車 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月6日(月)〜17日(金)11時 徒歩(休暇村G、スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月17日(金)11時〜24日(金) マイカー(県道乗鞍岳線) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月25日(土)〜5月下旬 マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) 徒歩(スノーシュー等)
5月下旬〜6月30日(火) マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月21日(日)は天空マラソンのため運休
【岐阜県】5月15日(金)〜 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m)

※ 乗鞍岳周辺の概要は、下記のノリクラガイドマップを参考にして下さい。
● ツアーコースなど − ノリクラガイドマップ冬〜春スキー版   ● 春山滑走エリアなど − ノリクラガイドマップ春〜夏スキー 山頂版
● 県道乗鞍岳線 − ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号


<Mt.乗鞍のリフト営業 −4月5日(日)で通常営業終了>

Mt.乗鞍の通常営業は4月5日(日)までです。4月6日(月)〜17日(金)の間は、休暇村ゲレンデより全山登行となります。
<県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート間)−4月17日(金)11:00冬季閉鎖解除>
県道乗鞍岳線は休暇村より先の区間については冬季閉鎖となっていますが、スキー場営業終了に伴って除雪作業が開始され、4月17日(金)11:00より休暇村ゲート〜三本滝ゲート区間が通行可能となります。乗鞍高原から三本滝ゲートまではマイカー通行可能ですが、路面状況により通行止めとなる場合があります。(4月中は夜間凍結の可能性があります。チェーンなど携行をお勧めします。)
<乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘)の運行−4月25日(土)運行開始予定>
今シーズンの春山バスの運行は4月25日(土)より開始される予定です。ただし、天候路面状況により、延期・運休となる場合があります。

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■2015年3月21日(土)        (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.1
 

@ 2015/03/21 09:25
快晴無風 − 100名以上が入山、春山シーズン開幕
(ツアーコース入口)
A 2015/03/21 10:30
今日は位ヶ原山荘でお泊り − みんなで楽しい一日を
(ツアーコース − 1番標識付近)

B 2015/03/21 13:15
ビールで乾杯! − なんて穏やかな森林限界なんだ!
(位ヶ原)

C 2015/03/21 14:10
山頂方面は「縦溝&アイスバーン」 − 滑走は無理!
(大雪渓)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 春分の日の今日にふさわしく春らしい雰囲気に包まれました。そんな春の息吹と共に多くの方がツアーコースにお越しになり、今シーズン一番の賑わいを見せた一日でした。また、今回取材分より、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版の連載を開始いたします。ご愛読の程、よろしくお願いいたします。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、暖かな夜を迎えて周囲はぼんやりとした霧に包まれています。気温は0℃、それでも国道158号線から分岐する前川渡付近では5℃、大野川付近で3℃で、乗鞍高原に上がってくると急激に気温が低下する状況で、急激な気温の変化で霧が発生しているようにも感じます。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、昨晩の霧はすっかり消えて、快晴無風の朝を迎えます。6時の気温はマイナス3℃、すでに山頂付近はほんのりとピンク色に染まり、春分の日という日の出・日の入りにおける節目の日に当たり、日の出が本当に早くなってきたことを実感します。この1週間はかなり気温の高い状況が続き、3月19日(木)はまとまった雨に見舞われて、先週の大雪で降り積もった雪の山がかなり小さくなっている様子があちこちで見られます。

朝一番から全く寒さを感じない状況ですから、日差しを十分受けるとすぐに暖かさを感じるようになります。8時のMt乗鞍 第3駐車場は地面の積雪は完全になくなり、水分を含んだ未舗装の路面はぐちゃぐちゃしたところも見られます。今日は祝日ということもあり、朝一番からたくさんのマイカーがお越しになり、リフト営業開始を待つスキーヤー・ボーダーの姿の中には、大きなザックやスノーシューなどツアーコースへ向かう方々の姿もたくさん見られます。

リフト営業はいつもの通り8時30分に始まり、9時過ぎにはスキー場最上部のツアーコース入口に到達します。気温はプラス6℃、もちろん快晴無風が続き、アウターは全く不要なコンディション。そして、朝一番の段階ですでに30名以上がツアーコース入口にお越しになり、リフトからは途切れることなく次から次へと入山される方が到着します。そのため、正確に入山者をカウントすることができませんでしたが、かもしかリフトの本日の一日券・回数券の回収枚数から100名以上は入山された模様です。

この1週間は降雪はなく、また、3月19日(木)の降雨でツアーコース入口急斜面は、ザクザクした春雪がそのまま硬く締まった状況。そのため、ツボ足でも問題なく歩けるほどの状況で、この雪質はツアーコース全域でほぼ同じコンディションでした。

入口急斜面を登り切った先では、暑くてアウターを脱いで休憩される方々の様子は、日当たりの良いところよりも木陰に集中していて、厳冬期とは全く異なる様子があります。また、今日は大きなザックを背負った方も多く、その多くは位ヶ原山荘に宿泊されるとのことで、今日の位ヶ原山荘は大変な賑わいとなっていることと思います。また、「夜の位ヶ原山荘でのひと時を楽しみにしながら登っています」と、おっしゃる方もいらっしゃいました。

正午の位ヶ原急斜面の気温は2℃、ひんやりとした風が火照った体を心地よく吹き抜けてくれて、春山らしい雰囲気に浸ることができます。位ヶ原急斜面の雪質もツアーコースの各所とほとんど同じようはコンディション。また、この1週間の雪解けは目を見張るものがあり、場所によっては先週よりも1メートル近くも雪解けし、先週の大雪が帳消しになったといっても良いほどです。

森林限界を超えた先の位ヶ原も穏やかそのもの...普段なら強めの風の吹きぬける位ヶ原も、 今日ばかりは絶好の休憩ポイントで、目の前に広がる山頂方面の絶景に缶ビールを傾けるスキーヤーの姿もありました。
ただ、目の前に広がる山頂方面を見ると、大雪渓をはじめ、摩利支天岳方面、富士見沢、屋根板など主要な滑走エリアのすべてにおいて、縦溝とアイスバーンとなっていて、3月19日(木)の雨は、山頂付近にまで及んでいたことがわかります。そのため、肩の小屋・大雪渓方面から滑り降りるスキーヤも、滑り降りるのがやっとといった状況で、滑走には困難を極めた様子が見られました。

午後になっても天候はほとんど変わりません。今日は山頂方面に向かった方も多かったようで、稜線から滑走する方々も一部見られましたが、ひどいアイスバーンでエッジコントロールができず滑落する様子も見られました。
また、明日もよい晴天が続く天気予報のようですが、今日よりも気温が低い予報が出ています。山頂方面は今日以上にひどいアイスバーンになる可能性がありますので、肩の小屋よりも上部からの滑走は控えられたほうが良いかと思います。

なお、本日取材分の ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版Vol.1 は、今週末掲載予定です。今しばらくお待ちください(2015/03/21 18:30更新)

【ツアーコースの積雪状況 − 先週の大雪から一転して1メートル近く減少し、差し引きゼロの状況になってしまいました。雪崩には十分ご注意!】

先週は過去最高の積雪量となりましたが、この1週間の雪解けで、大雪前の積雪量に逆戻りしてしまいました。それでも昨年よりも多い状況に変わりありません。ツアーコース内には雪崩発生の様子は見られませんが、隣の伊奈川の谷では雪崩の痕跡がありましたので要注意です。

・3番標識付近の積雪量は、先週より70センチ減少して、昨年より15センチ多い状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より90センチ減少して、昨年より30センチ多い状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週より1メートル減少して、昨年より1メートル多い状況。6番標識山麓側の谷は、ほぼ完全になだらかになり、下山滑走でもほぼ問題ない状態になりました。

ここ最近、各地でスキー場コース外滑走による遭難事案が頻繁に発生しています。
乗鞍のツアーコースはMt乗鞍の管理区域外(コース外)のため、遭難した場合は県警山岳救助隊や民間の救助隊(遭対協)に救助要請を行うことになります。
場合によっては救助費用の自己負担が多額になる場合もあり、自己責任の範疇を超える状況となります。
ゲレンデスキーヤー・ボーダーの方が装備なしで入山することは危険が伴い、また、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々も「チャレンジ精神」とか「滑走欲望」を自制できることが求められます。
また、すでに昨年の最大積雪量を超えていて、2月22日(日)には今年初めて屋根板で雪崩の発生しました。今後、雪崩多発地帯では大きな雪崩が発生してもおかしくないと思われますので十分注意してください 。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

なお、乗鞍高原周辺は、路面凍結積雪がほとんどなくなりましたが、雪解け水の夜間凍結の懸念がありますので、冬用タイヤ、または、タイヤチェーンは必ず必要です。

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■2015年3月14日(土)        (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ウインターシーズンはノリクラ雪渓カレンダーの更新はありません)
 

@ 2015/03/14 11:00
過去最高の積雪量 − この1週間で60cm〜1m増加
(ツアーコース − 6番標識)
A 2015/03/14 13:00
全面パウダーゾーン − 天候は穏やか
(富士見沢)

B 2015/03/14 13:55
寒くなくてディープなパウダー − これ以上の贅沢はない!
(富士見沢)

C 2015/03/14 13:30
1本だけじゃもったいない − 登り返して楽しむ
(富士見沢)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ この1週間は真冬以上の大雪に見舞われ、週末のツアーコースも風景が変わるほどの積雪量に見舞われました。なお、今回速報の下部に、先週開催された第48回乗鞍ダウンヒルスラローム大会の女子ラップ賞について取り上げておりますので、あわせてご覧ください。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、降る雪で景色が霞むほどの激しい降り方の夜を迎えています。気温はマイナス3℃、厳冬期と比べるとかなり暖かな夜ですが、積もる新雪は厳冬期並みの柔らかさ。除雪が追いつかないほどの降り方に、長靴がないと出歩くことすらままならない状態になっています。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、強めの風に地吹雪のような状態を見せています。7時の気温はマイナス5℃、風が吹いていてもさほどの寒さはありません。朝一番から道路の除雪作業が行われていますが、道端のいたるところに人の背丈をはるかに超える大きな雪の山ができていて、雪を捨てる場所を確保するのが困難な状態です。

少しずつ青空が広がって滲んだ太陽が昇るようになってきます。一時的に風が強くなるものの、Mt乗鞍のリフト営業が始まる頃には次第に収まってきて、やまぼうしリフト、夢の平らクワッドリフト、かもしかリフトなどツアーコースへ向かうリフトは、定刻どおりに運行が開始されます。そして、パウダーゾーンが広がるかもしかゲレンデは9時のリフト営業開始と同時に一斉に大勢のスキーヤー・ボーダーがドロップインしてパウダーを楽しむ様子が見られました。

9時のツアーコース入口の気温はマイナス3℃。朝一番の段階で20名以上がお越しになり、その後も続々とやってくる様子が続き、おそらく今日は40名以上の入山者があったのではないかと思います。そして、ツアーコースを入ってすぐに40センチもの新雪に覆われ、3月としては稀に見る降雪量です。

入口急斜面を登り切った先も、40センチ以上の新雪があり、まず驚くことは、1番から6番まである標識が、どれも雪面近くまで低くなっていること。先週と比べて60センチ〜1メートルも積雪が増加し、5番標識にいたっては、標識が雪面より80センチも下に埋没している状況。例年、5番標識はトップシーズンになると雪面に埋没しますが、これほど深くなることはなく、5番標識に限らずすべての場所において、ここ数年間で過去最高の積雪量を示しています。なお、ツアーコースが最高積雪量を示すのは3月中旬ごろのため、おそらく、これ以上の積雪量増加はないものと考えられます。

11時の位ヶ原急斜面の気温はマイナス6℃。部分的にあった青空や日差しはなくなるものの、朝の強風はほとんど収まり、視界もそれほど悪い状態ではありません。もちろん位ヶ原急斜面も積雪は一気に増加し、先週よりも1メートルほど多くなって、バーン内に点在していたダケカンバが完全に姿を消していました。

そして、その先の位ヶ原でも同様に積雪量が増加し、景色の変化が乏しいオープンバーンにもかかわらず、積雪量の増加に伴って地形・景色に変化が一目でわかる状況です。そのため、場合によっては下山方向を見誤る可能性もあると感じるほどでした。ただ、視界はさほど悪くなく、300メートル以上の視程があって、風もそれほど強くなく、有視界行動には問題はなく、多くのスキーヤー・ボーダーの方々が摩利支天岳東斜面(通称:滑り台)を目指して登って行きました。

ツアーコースを含め、位ヶ原や摩利支天岳東斜面のパウダーは、若干クリーミーな感触があるもの、おそらくこの時期としてはかなり軽い物で、厳冬期の極寒の中でなければ楽しめないパウダーが、寒さを感じずに楽しめることはこれ以上の贅沢はないと言っても良いでしょう。

また、ツアーコースよりさらに先の富士見沢や屋根板でも同様のパウダーを楽しむことができ、常連のスキーヤーの中には「今シーズン最後のパウダーかもしれないので...」と、おっしゃりながら何本も登り返してパウダーを楽しむ様子が見られました。

12月からのウインターシーズンは速報のみの掲載でしたが、次週(3月21日(土))取材分より、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版の連載を開始する予定です。ツアーコースや大雪渓などの春スキー情報を中心にお伝えする予定です。また、プレリリース版はゴールデンウィークまで連載を継続し、その後は正式版へと移行し、10月末まで継続の予定です。ぜひとも、ご覧頂いた上で、ノリクラにお越しいただければ幸いです。


【ツアーコースの積雪状況 − この1週間で一気に増加し過去最高の積雪量。雪崩には十分ご注意!】
ここ最近、各地でスキー場コース外滑走による遭難事案が頻繁に発生しています。
乗鞍のツアーコースはMt乗鞍の管理区域外(コース外)のため、遭難した場合は県警山岳救助隊や民間の救助隊(遭対協)に救助要請を行うことになります。
場合によっては救助費用の自己負担が多額になる場合もあり、自己責任の範疇を超える状況となります。
ゲレンデスキーヤー・ボーダーの方が装備なしで入山することは危険が伴い、また、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々も「チャレンジ精神」とか「滑走欲望」を自制できることが求められます。
また、すでに昨年の最大積雪量を超えていて、2月22日(日)には今年初めて屋根板で雪崩の発生しました。今後、雪崩多発地帯では大きな雪崩が発生してもおかしくないと思われますので十分注意してください 。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

・3番標識付近の積雪量は、先週より70センチ増加して、昨年より1メートル多い状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より95センチ増加して、昨年より1.6メートル多い状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週より1メートル増加して、昨年より2メートル多い状況。6番標識山麓側の谷は、ほぼ完全になだらかになり、下山滑走でもほぼ問題ない状態になりました。
なお、乗鞍高原周辺は、国道158号分岐から先、路面凍結積雪があります。冬用タイヤ、または、タイヤチェーンは必ず必要です。
(下に続きます↓)


【第48回乗鞍ダウンヒルスラローム大会 女子ラップ賞 − 夏のトレーニングは乗鞍大雪渓で】

D 2015/03/07
第48回乗鞍ダウンヒルスラローム 女子ラップ賞
(坂本麻衣選手 − 夏のトレーニングは乗鞍大雪渓で)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ さて、先週開催された第48回乗鞍ダウンヒルスラロームの様子は、3月7日(土)の速報にてお伝えいたしました。しかし、女子ラップ賞についてあまり触れておりませんでしたので、改めて掲載いたします。

今回受賞した坂本選手は本大会始めての出場で、出場のきっかけは昨年夏に乗鞍大雪渓にトレーニングにお越しになった際に知って、コースが面白そうだと思って出場されたとの事です。また、男子ラップ賞を上回るタイム(コースラップ)を記録されましたが、「きれいなバーンで滑りやすかったです。コースが長く息が苦しかったですが、楽しめました。しかし、自分としては、納得のいく滑りができなかったので、コースラップが取れるとは思っていませんでした。表彰式で男子ラップ賞を上回っていたことを知り、とても驚きました。」と、おっしゃっていました。

また、夏の大雪渓でのトレーニングについて、「夏はプラスノーや陸トレをするのが普通だと思いますが、 乗鞍に来れば1年中雪上に立つことができます。プラスノーと雪上では感覚が全然違います。 夏でも雪上で練習できるのは良いです。乗鞍は冬のスキー場と違って、長い距離を滑ることはできないし、たくさんの本数を滑ることはできませんが、その分集中して練習できます。去年は10月まで乗鞍で練習して、11月は軽井沢に行きましたが、 ずっと雪上にいたので、違和感なくシーズンインできました。」と、大雪渓でのトレーニングの優位性と、オフシーズンなく練習を重ねてきたことが今回の結果につながったものと思われます。

なお、夏の乗鞍大雪渓では、7月〜8月を中心に雪上トレーニングが可能です。乗鞍大雪渓での雪上トレーニングの様子は、昨年のノリクラ雪渓カレンダーの7月〜8月の記事をご覧ください。多くの選手が夏の雪上トレーニングに乗鞍大雪渓にお越しいただけたら幸いです。夏の大雪渓でお会いできることを楽しみにしております。なお、今回の公式リザルトはMt乗鞍のWebSiteに掲載されています。(公式リザルト → http://www.norikura.co.jp/snow/?p=2139
 (2015/03/14 19:20更新)


 

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■2015年3月7日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ウインターシーズンはノリクラ雪渓カレンダーの更新はありません)
 

@ 2015/03/07 09:10
小雪・濃霧 − それでも朝一番で20名以上が出発
(ツアーコース入口)
A 2015/03/07 09:40
気温プラス6℃ − 暑い!!半袖になっちゃうから...
(ツアーコース − 入口急斜面)

B 2015/03/07 10:15
新雪は数センチ − ツボ足でも沈まないバーン
(ツアーコース − 2番標識下)

C 2015/03/07 12:10
位ヶ原はやや濃霧 − なんとか有視界歩行可能な状態
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 3月最初の速報をお届けいたします。季節は完全に春へと前進し、厳冬期らしい厳しさがかなり和らいできたことを実感する一日でした。

早朝7時の乗鞍高原は、少し霧雨の降る朝を迎えています。気温はマイナス3℃。雲はツアーコース入口急斜面の上端付近まで低く垂れ込めているものの、雲間に青空がのぞく様子も見られ、天候が回復するのか悪化するのか良くわからない雰囲気を見せています。昨晩からの降雪はなく、朝の冷え込みも緩んできて、この1週間ほどでかなり春らしい朝を感じさせてくれるようになってきました。

今日は毎年恒例のスキー大会「乗鞍ダウンヒルスラローム大会」がMt乗鞍で開催されます。いつもなら7時を過ぎてもほとんど空車状態のMt乗鞍 第一駐車場も、今日はすでに満車に大会状態。それでも中腹にある第3駐車場は、いつもの週末と同程度の来場台数ですが、お昼過ぎにはやはりこちらも満車になったようです。

8時を回る頃から小雪が舞い始めて、それまで差していた薄日もなくなって、ややどんよりとした雰囲気になってきます。そして、9時のツアーコース入口付近は若干霧がかかっていて、入口急斜面の上端が確認できない状況です。気温はプラス6℃とかなり高めで、霧が発生する要因になっていると考えられます。しかし、こんな天気にもかかわらず、朝一番の段階で20名以上の方々がお越しになり、出発の準備をされていました。おそらく最終的には40名近い方がツアーコースに本日入山されたものと考えられます。

この数日間、降雪に見舞われていないため、入口急斜面は昨日までのトレースがはっきり残り、降雪から数日経過した新雪部分は若干腐り気味の状態。そして、登り始めるとすぐに暑さを覚える状態で、スタートから100メートルにも満たないところで、皆さん一様にアウターを脱ぎ始める様子があちこちで見られ、中には半袖姿で登り始める方もいらっしゃいました。

ほとんど新雪感のない入口急斜面を登り切った先も同様で、むしろさらに固めのコンディションになっているといっても良いほど。そのため、ツボ足やわかんなどでの登行も全く沈み込みのない状態で、かなり歩きやすい状態でした。また、トレース跡が硬く残っているため、下山滑走はやや苦労させられる状態でもありました。

この硬い雪質もツアーコース位ヶ原急斜面の手前付近から柔らかさを感じる状態になりますが、新雪は5〜10センチ程度で、パウダーと呼べる場所はなく、シールのグリップが効きにくい場所もあって、ほぼ完全に春スキーの雪質に置き換わってしまったといっても良いかと思います。

ツアーコース位ヶ原急斜面を登り切った先は森林限界を超えて、位ヶ原のオープンバーンに到達します。
7号カーブ付近から急激に気温が低下し、正午の位ヶ原の気温はマイナス2℃。それでも厳冬期の極寒と比べたら、かなり暖かい状態です。また、視界は200メートル前後あって、位ヶ原から大雪渓避難小屋や3号カーブが常に確認できる状態。かろうじて有視界歩行が可能な状態でした。風もなく、多くの方が肩の小屋方面へ向かっていきましたが、下山時にツアーコースの隣の伊奈川方面へ進路を迷う方も中にはいらっしゃり、200〜300メートルの視界があっても、やはり晴天時とは見え方が異なるようになることを認識する必要があります。(下に続きます↓)

D 2015/03/07 13:00
鳥居尾根コース − 毎年恒例のダウンヒルスラローム大会
(第48回乗鞍ダウンヒルスラローム大会)
E 2015/03/07 13:15
男子ラップ賞は1分23秒14
(成年男子1部 古幡隆司選手)

F 2015/03/07 14:10
表彰式は30分遅れで開催
(レストラン乗鞍)

G 2015/03/07 14:30
部門別表彰のあとはラップ賞表賞
(レストラン乗鞍)

画像・記事の転載・引用・リンクについて


▼ (上から続きます)冒頭にもお伝えしたように、今日は第48回乗鞍ダウンヒルスラローム大会がMt乗鞍で開催されました。コースは鳥居尾根コースをスタートし、ダウンヒルコースを滑り降りて山麓のゴールを目指すもので、鳥居尾根コースのトップからスタートするAコース(全長1500メートル)と、鳥居尾根コースの途中からスタートするBコース(全長1000メートル)が設定されています。年齢・性別によって12のクラスに区分され、AまたはBコースに分かれてタイムを競います。また、エントリー数は147名で昨年よりやや増加しました。

今日は気温が高く、雪面は若干ウエット感がある状態でしたが、下地が硬くバーンの荒れは比較的少ない状態でした。10時よりBコースの競技が開始され、11時10分よりAコースの競技が開始される予定でしたが、20分程度遅れが生じたため、表彰式は30分遅くなって14時から始まりました。各クラスの1〜6位までの表彰が行われたあと、男女別のラップ賞が発表されました。男子のラップ賞は成年男子1部の 古幡隆司選手でタイムは1分23秒14でした。また、女子のラップ賞は中学生・少年女子の部の坂本麻衣選手で1分22秒08でした。(タイムは速報値につき、大会公式発表をご確認ください。)

表彰式の最後に副大会長より、「来年、再来年と毎年ご参加いただけるようお待ちしております。」と、挨拶され、今年も無事に大会を終了することができました。

12月から3月までのウインターシーズンは、今回のように速報のみの掲載となっています。ノリクラ雪渓カレンダー再開は下記の通り予定しておりますのでご了承ください。 (2015/03/07 18:30更新)
 

【ツアーコースの積雪状況 − すでに昨年の最大積雪量を越え、雪崩の懸念があります。】
ここ最近、各地でスキー場コース外滑走による遭難事案が頻繁に発生しています。
乗鞍のツアーコースはMt乗鞍の管理区域外(コース外)のため、遭難した場合は県警山岳救助隊や民間の救助隊(遭対協)に救助要請を行うことになります。
場合によっては救助費用の自己負担が多額になる場合もあり、自己責任の範疇を超える状況となります。
ゲレンデスキーヤー・ボーダーの方が装備なしで入山することは危険が伴い、また、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々も「チャレンジ精神」とか「滑走欲望」を自制できることが求められます。
また、すでに昨年の最大積雪量を超えていて、2月22日(日)には今年初めて屋根板で雪崩の発生しました。今後、雪崩多発地帯では大きな雪崩が発生してもおかしくないと思われますので十分注意してください 。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

・3番標識付近の積雪量は、先週より5センチ減少して、昨年より60センチ多い状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週とほぼ同じで、昨年より70センチ多い状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週より30センチ増加して、昨年より1.5メートル多い状況。6番標識山麓側の谷は、先週よりもかなりなだらかになり、下山滑走でもほぼ問題ない状態になりました。
なお、乗鞍高原周辺は、国道158号分岐から先、路面凍結積雪があります。冬用タイヤ、または、タイヤチェーンは必ず必要です。
 

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2014ノリクラ雪渓カレンダー正式版 は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2014年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2014年12月から2015年3月までのウインターシーズンについては、週末を中心にトップページの速報のみお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載 を実施できない週もあります。
2015年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2015年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2015年5月中旬頃を予定しております。

 

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