ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.18(2007/09/08〜09) @
【大雪渓】
9月7日(金)に台風9号が通過して、翌日は津軽半島付近まで遠ざかったので台風一過の良い天候を期待したものの、通過した台風に向かって流れ込む水蒸気の影響からか、9月8日(土)は午前中を中心に濃霧と小雨に見舞われました。しかし、時間が経過するとともに天候は回復し、午後には青空が広がり始めます。そして、翌日の9月9日(日)は快晴の朝から始まりましたが、次第に風が強まって雲も多くなり、夕方には雨が降り出すという8日(土)とは逆のパターンを推移しました。また、9月9日(日)は大雪渓・山頂付近の上空だけ厚い雲がかかり、山麓に見える乗鞍高原ではきれいに晴れ上がっている様子を、眼下に確認することができ、天候が良くなかったのは大雪渓付近だけに限定されていて、山麓と山頂では天候が大きく異なることが良くわかる状況でした。
また、前日の9月7日(金)は、台風が上陸した関東各地はかなりの被害あり、ノリクラでも乗鞍スカイラインで7時10分から雨量規制による通行止めとの措置がとられました。そのため、岐阜県側のシャトルバスはご来光便と平湯温泉発5時45分便は運行されたものの、6時45分便は平湯ゲートで運行打ち切りとなり、また、長野県側のシャトルバスは、県道乗鞍岳線は通行可能ではあったものの、終日運休の措置がとられました。
9月に入っても大雪渓の雪解けには衰えはありません。先週まで残っていた雪渓下部と雪渓中段の積雪は完全になくなり、雪渓上部右側も滑走できる状態ではなくなりました。したがって、現在滑走可能なのは急斜面の雪渓上部左側だけです。雪質としては特別アイスバーンがある状態ではありませんが、積雪量の少なくなっている下端付近を中心に硬さが感じられるようになり、表面は日差しで緩むものの、その層のすぐ下が固く締まった状態です。雪渓上部左側が急斜面であることも起因して、一旦、足元が取られると一気に滑り出す状態になっています。スキーブーツといえどもかなり気をつけなければいけません。(実はスキーブーツは滑りやすいものです。)
雪解けの推移は台風による雨の影響もあって、先週と比べて雪解けスピードはやや早くなっています。昨年と比べて雪渓下部の消失は2〜3週間、雪渓中段の消失は1〜2週間早く、上部は箇所によって異なりますが上端付近は昨年より0〜1週間遅く、下端部分が2〜3週間早い状況です。
県道乗鞍岳線沿線でちらほらと色づく部分を見かけるようになって、紅葉のシーズンが近づきつつありますが、まだ、始まったといえるほどの状況ではありません。現段階では紅葉の開始が遅かった昨年と同じような推移を見せ、今年も紅葉の開始が遅いかもしれません。
それでは9月8日(土)〜9日(日)の状況をお伝えいたします。
【9月8日(土)、観光センター】
観光センター前 |
こちらは9月8日(土)早朝の観光センター。日付が変わった頃の夜空には星がきれいに見えていたものの、夜が明けるとご覧のとおり、どんよりとした朝を迎えています。時折、晴れ間が見えるときもありますが小雨がパラつき、「台風一過」には程遠い天候です。
来週から二週連続で三連休となることと台風の影響などから、今週の人出はかなり少なめ。
それでもさわやか信州号でお越しになった方が観光センターのテラスで7時のシャトルバスを待ちます。地図を見ながら「今日は軽めに山頂登山」といいつつ、今日のルートを確認されています。
シャトルバス乗車券販売所 |
昨日は台風通過による悪天候につき運休としました |
今日の畳平の天候は霧。冒頭でも少し触れましたが、昨日は台風9号の降雨で乗鞍スカイラインは7時10分から雨量規制通行止めとなり、岐阜県側のシャトルバスは6時45分発の便から運行中止となりました。乗鞍高原から畳平に続く県道乗鞍岳線は通行止めの措置はとられなかったものの、昨日の畳平付近は霧と強風の天候で、特に風がかなり強かったため乗客の安全を考慮し、長野県側(乗鞍高原)のシャトルバスはバス会社の判断により運休とされました。
これまでは乗鞍高原からのシャトルバスは、県道乗鞍岳線が開通している限り運行が継続されていましたが、今回初めてバス会社の判断で運休の措置がとられたようです。
そして、乗鞍スカイラインの通行止めは今朝の6時まで継続されてたため、長野県側のご来光便も今日は運休とし、6時の始発便から運行開始となりました。
駐車場にとまっている車は6時時点で25台程度ですが、7時便の到着が近づくにつれて車の台数以上の人数の方々が停留所に集まってきます。
今日の7時便は34名。この天候にしては結構な人出であったように思います。
それではいつもと同様、大雪渓に向かって出発です。
【シャトルバス、大雪渓へ】
シャトルバスが観光センターを出発すると、断続的な小雨がしっかりとした雨脚に変わってきます。
全域でダケカンバを中心に黄色への変化が部分的に始まる − ただ紅葉が始まったといえるレベルではありません |
紅葉の状況については後述いたしますが、県道乗鞍岳線の沿線では乗鞍高原から位ヶ原にいたるまでの全域で、ダケカンバなどを中心に部分的に黄色に変化するものが散見できるようになって来ました。
位ヶ原山荘からは濃霧 |
位ヶ原山荘を過ぎるあたりから濃霧はひどくなり、ご覧のように視界は100メートルを切るほど状態になってきます。
大雪渓に到着したものの、山頂や大雪渓は全く確認できない状況です。
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