ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2008/06/07〜08) D
【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線 U】
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一部、地面が出始める | 横幅140メートル − 大きくターンしても十分 |
稜線直下では左の画像のように地面が出始めた箇所があります。稜線からこの沢を滑り降りて全体の3分の1程度まで進んだ辺りでは、さらに雪解けが進むと岩が出始めて、最終的にはそこでバーンが途切れてしまうことで、この沢での滑走がシーズンオフとなります。その岩の頭が出始める頃になって左の画像の稜線直下の部分の地面が出始めるのが例年のパターンです。
後述いたしますが、また3分の1進んだ所では岩の頭は全く確認できず、今年は稜線付近の雪の積もり方が若干異なっているかもしれません。
稜線の横幅は140メートルあり、大きくターンしても十分すぎるほどの状態です。
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稜線直下から | 剣ヶ峰からの岩場 −先週からほとんど変化がありません |
上から見て右手にある剣ヶ峰からの尾根部分の岩場付近の積雪は先週とほとんど変わらない状態です。
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今回(2008/06/07)の唐草模様 | 先回(2008/06/01)の唐草模様 |
しかし、ここから望む位ヶ原の唐草模様は先週から比べて明らかにはっきりとしてきました。それでも緑のハイマツ部分よりも白い積雪の部分のほうが多い状態で昨年とほぼ同じか1週間ほど遅い雪解けです。
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縦溝はなく滑走には問題ありません |
バーンには縦溝どころか縦縞もなく、多くのシュプールで若干波打つ箇所がありますが問題になるような所は全くありません。
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広大なバーンを自由にクルージング |
雪面も適度に柔らかく、しっかりと板を縦に走らせて行けば、この広大な雪面を独り占めしながらクルージングできる楽しさに浸ることができます。
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まだ岩の頭はありません | このあたりから斜度が緩やかに |
左の画像は前頁でもお伝えした稜線から3分の1程度進んだ箇所。ご覧のように岩の頭は全く見えません。この付近から若干斜度がゆるくなってきます。ここまで稜線から約330m。あっという間に降りてきてしまいます。
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雪面に細かなピッチが始まります |
その後は左右にハイマツの帯が県道乗鞍岳線まで案内してくれます。この付近から雪面は細かなピッチが現れ始めますが、緩斜面ですから滑走には問題ないと思います。
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全景 |
こちらは稜線からの全景。稜線からの沢筋の左側に山頂直下からの沢筋があり、先週と同様、こちらもまだ滑走できます。また、そのままフォールラインに滑り降りるのではなく、左方向(画像では右方向)へトラバース気味に滑走すれば大雪渓エリアに戻ることも可能です。
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そして県道乗鞍岳線は画像手前の山側の切り通しはまだかなりの高さがありますが、反対側はかなり雪解けが進んでいます。
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4メートルの積雪 − ほぼ昨年並み |
山側の切り通しの壁は4メートルほどで、先週とほとんど変わらない状況です。稜線からここまでほぼ1kmのクルージングはこれで終了です。
【雪渓下部】
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ここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えいたします。
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大雪渓入口 − ほぼ昨年並み |
先週は登山道を示す標識の支柱がまだ完全に出ておりませんでしたが、その周辺は完全に雪解けが終わっています。状況としてはほぼ昨年並です。
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先週より30〜40センチの雪解け − 昨年並み |
大雪渓入口の右側に「高山植物等の採取は禁止されています」などのお願いの記載された看板があります。先週はちょうど看板に書かれた文字に雪面がかかるかかからないかといった積雪状況でした。先週よりも30〜40センチの雪解けと考えられ、こちらに関しても昨年並みの状況です。
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雪渓の高さと車道の路面の高さがほとんど一緒 |
先週はガードロープの高さまで雪面がありましたが、今週は路面とほぼ同じ高さまで雪解けが進んでいます。ここにおいても昨年とほぼ同じ状況です。
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トイレ前 − 昨年より1週間遅い雪解け |
トイレ前付近は先週よりも50センチ程度雪解けが進んで、車道の下を大雪渓から位ヶ原方面に通る排水路の上端部分が見え始めるようになって来ました。そしてまだ雪の中であるにもかかわらず、大雪渓からの雪解け水が音を立てながら流れて行く様子を耳にすることができるほどです。また、先週と同様、昨年よりも1週間程度遅い雪解けです。
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雪渓下部全景 − 全体的に縦溝が目立つようになって来ました |
雪渓下部は全体的に縦溝が目立つようになって来ました。それでも滑走に支障となるものではありません。
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モーグルコースの岩 − 昨年よりも1週間早い雪解け |
モーグルコースの岩の付近はほかのエリアよりも雪解けが少なく先週から30センチ程度で、先週の段階では昨年より2週間早い状況でしたが、今週は昨年より1週間早い程度にとどまっています。
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クレパス − 開口幅が少しずつ大きくなります |
先週あたりから発生し始めたモーグルコース下のクレパスではその割れ目に沿って雪解けが進んで岩自身が現れ始めたため、クレパスは若干伸びているものの、さほど大きくなっていません。ただ、開口幅は大きいところで50センチから1メートル近くになってきています。
ただ、ここから雪渓下端までは150メートルありますので、まだまだ十分な滑走ラインを確保することができます。
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石碑の岩 − 昨年とほぼ同じ状況 |
モーグルコースの岩が雪渓下部の右端(北端)に位置しますが、雪渓下部の左端(南端)には同じように大岩があります。昭和31年3月23日に南極観測隊が大雪渓周辺で実施した雪上訓練を上空から取材した中日新聞社の取材機「若鷹号」が乱気流により墜落した事故を悼むプレートが設置された岩があります。便宜上、石碑の岩と呼称させていただいておりますが、先のモーグルコースの岩の次に大雪渓に現れる岩です。
例年、5月下旬ごろ姿をあらわします。昨年よりと比べてほぼ同じかやや雪解けが遅い状態です。(→ Next)
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