ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.10(2008/07/19〜20) @
【大雪渓】
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今回は梅雨明けと三連休が同時にやってきて、まさに夏本番がやってきた雰囲気を十二分に感じさせてくれた週末となりました。
19日(土)は三連休初日ということと、朝の時点ではまだ梅雨明けの発表がなかったこともあって、きれいに晴れ渡る一日を送ることができましたが、いつもの週末と変わらない人出でした。11時に気象庁から東海・関東甲信・北陸・東北で梅雨梅雨明けの発表があり、これで全国で梅雨明けとなり、それにふさわしい天候が終日に渡って続きます。特に太陽が真上から強いコントラストで照らすようになり、真っ青な空と相まって、それだけでも真夏の雰囲気を感じさせてくれるものでした。
三連休中日の20日(日)は前日とは打って変わって久々の混雑振りを見せます。観光センター駐車場は早朝5時の段階で130台ほどが駐車し、ほぼ満車状態。周囲が明るくなり始めると同時に出発の準備を始める様子が駐車場のあちこちで見られるようになります。そのため、シャトルバスは始発の6時便ですら2台が運行され、9時便では6台が運行されました。そのため、午後になると下り便も混雑し、12時便・13時便が3台だったものの、14時便に至っては7台運行されるものの、始発の畳平でほぼ満席状態で、畳平の次のバス停の肩の小屋口バス停で待つスキーヤー・ボーダーの方々はほとんど乗車できず、1時間後の便を待つものの、それすら乗車できない方もいらっしゃったほどです。もちろん畳平でも常に長蛇の列が続き、また、急遽、上高地から応援に来られた車掌の話では上高地に入れないバスなどで渋滞が釜トンネルまで続き、ノリクラだけでなく、周辺の観光地でも混雑が見られたようです。
観光客だけでなく、大雪渓に訪れるスキーヤー・ボーダーはもとより、県道乗鞍岳線をヒルクライムする自転車の方々も先週以上に多くなり、色々なジャンルの方がノリクラにやってくるシーズンが本格的にやってきたように感じます。
そんな二日間の様子をお伝えいたします。
【7月19日(土)、観光センター】
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日付が今日に変わる頃 − 満月が鰯雲を透かす幻想的な夜空 |
いつも速報では真夜中の状況をお伝えしておりますが、今回はその深夜の乗鞍高原の様子をお伝えします。日付が今日に変わる頃の乗鞍高原はご覧のように上空にきれいな鰯雲がたなびき、南の空に昇った満月が雲を透かして浮かび上がらせています。まるで真昼のような明るさを放ち、幻想的な風景が広がっています。
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ノリクラの稜線もはっきりと |
いつもなら闇夜に目を慣らしてからでないとなかなか確認できないノリクラの稜線も、ご覧のようにはっきりとしていて、画像ではやや分かりにくいものの、その山肌には雪渓の様子さえ確認することができます。
満月の夜は普段はなかなか見られないものを照らしてくれて、日中と同じ風景が趣を異として楽しむことができます。
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早朝の乗鞍高原 |
一夜明けて早朝の乗鞍高原は鰯雲の大半が抜けてきれいな青空が広がります。
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もちろんノリクラの山並みもはっきりと望むことができます。
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三連休初日 − 普段と変わらない人出 | 出発の準備 |
観光センター前駐車場は6時の時点ではまだ70台ほど。三連休初日ではありますが、普段の週末と変わらない状況です。そして駐車場のあちこちでシャトルバスに乗車する準備が始まります。
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観光センター売店 − 週末を中心に5時30分から営業 |
こちらは観光センターの売店。7月後半に入り、早朝営業が開始されています。7月の週末と8月1日〜17日までの連日、そして8月の週末は5時30分から営業が開始されています。(それ以外は7時から)
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大きな荷物は売店に預けられます |
観光センターにはコインロッカーがありますが、入りきらない荷物に関しては売店で預かってもらうことが可能です。(コインロッカーは正面入口を入って右側の小会議室前に30個ほどあります。)
売店預かりはもちろんのこと、コインロッカーも観光センター内にあり、夜間は閉館されますので、夏季で営業時間が延長されることはありますが、16時30分くらいまでには引き取りにいかれたほうが良いでしょう。(申し込み時に必ず確認してください)
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7時のシャトルバスを待つ方々はいつもよりやや多いものの列ができるほどではありません。
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7時便 − 乗客はさほど多くはありません |
到着したシャトルバスは2台でしたが、乗客数の関係から出発したのは1台のみ。この連休中は配車台数の予測がなかなか困難です。午前中に非常に良い快晴が広がった日は気温の上昇も激しく、それに伴い局地的にスコールに見舞われることは夏山ではよく見られる現象です。そのため、快晴に誘われて多くの乗客が午前中に山頂へ向かった後、午後になってにわか雨が降り出すと一斉に下山を開始し、畳平のバスターミナルはパンク状態になることはしばしば見られます。(
→ 2006ノリクラ雪渓カレンダーVol.14(2006/08/12) A
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そのため、時間を気にしながらスケジュールを組んでいらっしゃる方は午後は早めに下山されたほうが良いでしょう。
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それでは大雪渓に向けて出発です。
【シャトルバス、車窓から】
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シャトルバスはきれいな青空の中を進んで行きます。
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今日はどこからでもノリクラがはっきりと望めます |
そのため、どこから見てもノリクラの山並みをはっきりと眺めることができます。県道乗鞍岳線からはご覧のようにノリクラが聳え立つ様子を確認するスポットが何箇所かあり、左に高天ヶ原、中央に剣ヶ峰、そして少し間を空けて右に大黒岳のセットはその立ち位置や形を変えることなく、こちらを見続けています。
以前にもお伝えいたしましたが、大黒岳への登山道は現在工事中のため、通行ができなくなっています。ご来光スポットとして有名ですが、まだしばらく工事が続くようです。
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ハイシーズン − 自転車・タクシーなどの通行も増えます |
県道乗鞍岳線を通行するのはシャトルバスだけでなく、自転車やタクシー・観光バスなどの車両があり、ハイシーズンを迎えてシャトルバス以外の車両の通行も多くなってきます。
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車掌も身を乗り出して安全確認 |
ヘアピンカーブでの状況確認は車体の大きなシャトルバスでは欠かせない業務のひとつ。身を乗り出してヘアピンカーブの先の安全確認をしています。
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位ヶ原山荘 |
位ヶ原山荘を過ぎる頃になると森林の中の風景から、一歩外に出た見通しの良い光景へと変化します。
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澄んだ空気に遠景から近景まではっきりと |
今日は比較的空気の澄んだ遠景の風景をはっきりと見渡せる状況。水墨画のように遠景から近景の山並みが折り重なるような光景を眺めることができ、その一番遠くには北アルプスがはっきりとした稜線を描いています。そして、剣ヶ峰から肩の小屋を経由して魔利支天岳や富士見岳までつながる山並みが目の前に広がるようになってきます。
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そんな光景を楽しみながら大雪渓入口のある肩の小屋口バス停に到着です。(→ Next)
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