ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.15(2008/08/23〜24) C
【高山植物】
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登山道沿いはまだまだ高山植物がいっぱい | セリバシオガマ |
ここからはいつものように高山植物の様子をお伝えします。夏から徐々に季節が移り、高山植物もそれに呼応するようにそのバリエーションに変化が見られます。今は夏のピークを過ぎた時期に見られる高山植物が多くなってきています。その一つがセリバシオガマ。先週もお伝えしましたが、今週はその数がさらに多くなり、あまり目立たない花ですが、比較的、まとまって分布していますので、至るところで花を咲かせていることに気がづかせてくれます。
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シナノキンバイ(実) |
そのセリバシオガマの傍らには少しばかりゴツゴツとしたものを見つけることができます。こちらはシナノキンバイの実。花はちょうど一ヶ月前に見事な黄色の大輪を見せてくれました。満開の頃のシナノキンバイは ノリクラ雪渓カレンダーVol.11(2008/07/26〜27)C の高山植物のコーナーをご覧ください。
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ゴゼンタチバナ − やはり葉は4枚でした |
そして、こちらは先週の ノリクラ雪渓カレンダーVol.14(2008/08/15〜17)C でお伝えしたゴゼンタチバナ。4枚の白い総苞片ももう落ちてしまっています。ゴゼンタチバナはq一般的に花をつけるのは葉が6枚構成のもので、4枚構成のものにはつかないとされ、そのことについては先週もお伝えしました。
しかし、ご覧のように4枚構成のものに花がついていて、もしかすると2枚隠れているのかと再調査しましたがやはり4枚。稀に4枚のものにも花がつくんですね。
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コウメバチソウ − 茎を取り巻くような葉が特徴 |
まだまだこれからがシーズンというコウメバチソウ。茎を取り巻くようにつく葉が特徴です。つぼみのもののほうが多い状態で、これからが楽しみです。
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ミヤマホツツジ(つぼみ) − これからが楽しみ |
コウメバチソウは何輪かが咲いていましたがこちらはこれから。大雪渓近辺ではあまり見かけないミヤマホツツジ。花がまた変わった様相を見せてくれますので、開花しましたら、また、ご紹介いたします。
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オヤマリンドウ |
そして、咲かないといったらやはりこのオヤマリンドウ。先週の緑のつぼみからはどんな色の花が咲くかわかりませんでした。今週はしっかりと紫色が目立つようになって来ました。
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クロウスゴ − 実ができ始める |
花が咲けば実ができる。そんな楽しみが秋にはあります。こちらはクロウスゴ。赤い今年の枝が良く目立ちます。そんな傍らにはご覧のように臼の底のような形をした実ができ始めています。だからクロウスゴ(黒臼子)というんですね。
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ベニバナイチゴ |
実ができてるのかどうかすらわからないほど生い茂るベニバナイチゴの木。右の画像は花が終わって子房が大きくなり始めた所。
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すでにしっかりとした実ができています |
しかし、もう少し奥の方を探してみると、ご覧のようにもうしっかりとした形のベニバナイチゴの実ができ始めています。
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アオノツガザクラ − 大雪渓では今がピーク |
大雪渓周辺は徐々に雪解けが進んでゆくことから、雪解けが終わって日数が経過した所と、雪解け間近の部分では同じ高山植物でもその成長度合いが異なり、逆に言えば、その高山植物の成長するプロセスを大雪渓のエリアで同時に確認することができます。
こちらのアオノツガザクラは雪解け間際のエリアに花を咲かせて、今がピークを迎えています。
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つぼみの頃は上を向く |
よく見ると、まだつぼみのものがあり、そのつぼみは上を向いていて、咲き始めるとご存知の通り、下向きにうつむいて鈴蘭のような花を咲かせます。
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実になると再び上を向く |
こちらは雪解けから時間が経過したエリアのアオノツガザクラ。ご覧のように実ができ始めています。花の頃よりも長く花茎が天に向かって伸び、その先端に実が膨らんでいることがわかります。アオノツガザクラは上を向いたり、下を向いたりと、忙しいサイクルを繰り返します。(→ Next)
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