ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2009/07/11) B
【雪渓下部 U − モーグルコース】
モーグルコース |
それでは雪渓下部のモーグルコースの様子をお伝えします。
今日も早朝からコース作り |
今回もコブ管理人がコース作りを行っています。先日までの降雨で朝方はバーンが硬く、早朝からコース作りに取り組んでいますが、ゴール地点まで掘り進めるのに、数時間かかりました。
ゴール付近 − 岩の頭が出始めます | スタート付近 − こちらも岩の頭が... |
雪渓下部 Tのコーナーでもお伝えしたように、雪渓下端部分では岩の頭が出始め、その付近がちょうどゴール地点となっています。また、スタート付近も右の画像の通り、岩の頭が多くなってきています。そのため、今後はコース長を短くせざるを得ない状況です。
長さは22コブ×92メートル |
コースは22コブ×92メートル。ただ、ゴール地点が、雪渓下端付近の岩と干渉するため、安全性を考慮して、ゴール地点の2コブが削られました。
ひたすら「登って滑って」を繰り返す |
今日もひたすら「登って滑って」を繰り返すモーグラーが集まっています。
動き続けるには程よい気候 |
日差しがほとんどなく、気温は10℃前後を推移します。そのため、登ったり滑ったり、動き続けるには程よい気候ですが、ジーッとしていると寒さを感じるほど。
多くの方がアウターを着込む |
そのため、今日は大半のモーグラーがアウターを着込んでいます。真夏でも最高気温が20℃を超えることは、めったにありませんが、それでも日差しの強いときは暑さを感じ、半袖の方もいらっしゃいます。その場合でも、日焼け止めを忘れないようにしたいものです。個人差はありますがかなりひどい日焼けを起こします。
多くの方が滑っても荒れの少ない締まったバーン |
冷え込んだ空気に包まれ、日差しがほとんどありませんので、表面はやわらかくとも、グサグサではなく、多くの方が滑走してもさほど荒れない状況。
エア台は表面が柔らかくすぐに荒れる |
しかし、エア台では、やわらかい雪がネックとなり、すぐに表面が荒れてしまいます。
硫安を使用したいが我慢して... |
一本飛ぶたびにエア台の整備を行います。スキー場内であれば、硫安を使用して表面を硬くするところが、国立公園内では硫安は使用できません。
高山帯は平地と比べて、環境が厳しく、平地の植物が根付かないことから、その環境の中でも生き延びることができる高山植物だけが細々と自生しています。ここで、肥料である硫安を使用すれば、平地の植物が発育する環境が整い、生態系の分布が乱れることが問題となります。
【雪渓下部 V】
⇔ | ||
昨年のモーグルコースの岩 |
今週のモーグルコースの岩 |
雪渓下部は肩の小屋方面に向かってしばらく中斜面が続き、その後はなだらかな斜面に変化して肩の小屋までつながります。この中斜面から緩斜面へ変化するあたりに、モーグルコースの岩があります。(夏スキーのシーズン、この中斜面ではいくつものモーグルのラインができることから、便宜上、呼称させていただいております)
今週の場合、前述のモーグルコースのすぐ上の岩と言ったほうがわかり易いかもしれません。
雪解けは高さで1メートルほどで、先週と同じ推移ですが、昨年との比較では、先週の昨年並みの状況から、やや早い雪解けの様子を見せています。
モーグルコースの岩 岩の頭を中心に上下にハイマツや岩が伸びる |
雪渓下端まで112m − 昨年よりやや長い |
岩の頂点を中心に上下方向にハイマツや岩が伸びてきています。左の画像では岩の頂点から下方向へハイマツや岩が延びている様子です。モーグルコースの岩の頭から下方へ45メートルほど延びていて、状況としては先週とあまり変わりません。
右の画像はその岩の先端部分。岩の先端から雪渓下端までの距離は先週の125メートルから112メートルで、ほぼ昨年並みの推移となっています。
⇔ | ||
今週の石碑の岩 |
こちらは雪渓下部の南側にある石碑の岩。大雪渓エリアでモーグルコースの岩の次に姿をあらわす大岩です。先週と同様、昨年より一週間早い雪解けの推移となっています。
石碑の岩の下部のバーン − 昨年より一週間近く早い雪解け |
石碑の岩の下部のバーンは、先週から岩の頭が見え始めて、ほぼ昨年並みの状況でしたが、今週は急速に雪解けが進み、昨年よりも一週間近く早い状況を見せています。
チングルマ − 昨年よりやや早い芽吹き |
こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。若葉が出始めています。昨年よりやや早い芽吹きを見せています。おそらく、昨年の推移から予測すると、来週あたりにはつぼみが見られる状態になっているかもしれません。(→ Next)
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |
|