ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2010/06/05〜06) B
【春山バス、大雪渓まで延長運行開始】
今年は5月1日(土)より春山バスの運行が開始されました。乗鞍高原と位ヶ原山荘の間を一日三便運行され、かもしかゲレンデからツアーコースを登って行く手段しかなかったウインターシーズンと比べると、位ヶ原や山頂方面など上部エリアへのアクセスがかなり容易になりました。
そして、毎年6月からは位ヶ原山荘よりさらに上部区間の除雪が進み、肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)まで運行区間が延長されます。
今年も5月末には大雪渓駐車場まで除雪が完了し、道路状況のパトロール・試運転などの実施を経て、本日(6月5日)より、肩の小屋口バス停までの延長運行の運びとなりました。
9時前、春山バスが肩の小屋口バス停に到着します。
乗客の大半がスキーヤー・ボーダーの方々。この日を待ちわびていた方も多く見受けられました。通常、位ヶ原山荘から屋根板を経由して大雪渓駐車場までは1時間ほどの登行が必要ですが、位ヶ原山荘を出発した春山バスは数分後には肩の小屋口バス停に到着しますので、かなりの時間削減が図れるわけです。
乗客の大半がスキーヤー・ボーダー − トランクはスキー板で一杯 |
乗客の大半がスキーヤー・ボーダーの方々ですから、トランクはスキー板などが満載。春山バスは座席よりも先にトランクのほうが一杯になるほどの状況です。
春山バス始発便は5台が運行される |
今回運行された春山バス始発便は5台。夏のハイシーズンのシャトルバスさながらの賑わいです。
バスを降りたら出発の準備...シールで登る方、スノーシューで登る方、そして、アイゼンを装着される方など さまざまですが、稜線直下の急斜面では、雪面のコンディションによってボードのソフトブーツや登山靴では、登って行くことの困難な状況もありますので、必ず、アイゼンを用意して登行されることをお勧めします。
ツアーコースから登行していたウインターシーズンと比べると、大雪渓までバスでやってくることができる状況は雲泥の差。ウインターシーズンでは行って帰ってくるだけで一日が終わってしまう状況も、稜線からの滑走を一日に何本もこなす方もいらっしゃるほどです。
稜線付近は濃霧が立ち込め、これから向かう先の様子が分かりませんが、稜線に向けて一斉に出発する姿はこの時期の風物詩といっても良いでしょう。
【雪渓下部】
ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2009/06/06〜07) C ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2010/05/29〜30) C ↓ |
こちらは大雪渓入口付近。左上の画像は昨年同時期の様子、右上の画像は先週の様子です。先週は昨年よりもやや早い雪解け状況を見せていましたが、この一週間はやや雪解けが少なく、ほぼ昨年並みの状況です。
バーンは表面を雪解け水・雨水が流れた影響から縦溝ができ始めています。そのため、若干滑走しにくいコンディションとなっていて、これから梅雨入りを迎えて降雨の影響を受けると、縦溝はさらに深くなってきます。
左の画像では大雪渓入口の右側にある「高山植物等の採取は禁止されています」などのお願いの記載された看板が見え始めてきました。ほぼ昨年と同じ状況です。
そして、大雪渓入口から50メートルほど北側にトイレと避難小屋があります。そのトイレも今週から利用可能となりました。
そしてトイレの奥にある避難小屋も...
ウインターシーズンは目張りが施されていましたが、すべて撤去され、トイレと同様に利用可能な状態となっています。
クラック − この時期、毎年のように発生 |
雪渓下部にはご覧のようなクラックが数週間前から入り始めました。昨年は見られませんでしたが、例年、この場所によく発生します。
モーグルコースの岩 − 昨年は5月中旬ごろに姿をあらわしました |
そして、そのクラックのすぐ上には、大雪渓エリアで最初に頭を出すモーグルコースの岩が見え始めました。昨年は5月中旬ごろからから岩の頭が見えていて、一昨年も5月中に岩の頭が見えていました。そして2007年は今年と同じ状況でした。
過去三年間は比較的積雪の多いシーズンでしたので、現段階の状況を見る限り、今年も積雪量の多いシーズンと言えると思います。
【肩の小屋】
ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。
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昨年の肩の小屋周辺 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2009/06/06〜07) C |
今回の肩の小屋周辺 ほぼ昨年並み |
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昨年の肩の小屋周辺 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2009/06/06〜07) C |
今回の肩の小屋周辺 昨年より若干多い |
先週の段階では昨年よりやや多い状況を示していましたが、全体的にはほぼ昨年並みの状況で、下段の肩の小屋の南側部分については、昨年より若干多い状態が継続しています。
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昨年の肩の小屋周辺 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2009/06/06〜07) C |
今回の肩の小屋周辺 昨年より若干多い |
肩の小屋の西側部分はほぼ昨年並みです。
肩の小屋から稜線に向けて... |
先週までは肩の小屋の南斜面から直登して稜線へ向かうことが可能でしたが、ハイマツ帯が出始めていて、肩の小屋からは夏道(登山道)から進むことになります。次のページで夏道の状況をお伝えしますが、すでに岩の頭が所々に出ていて、シールで登るにはやや不便な状況です。
そのため、肩の小屋よりやや下部(東寄り)からスタートして、画像に写るハイマツ帯の左側を進み、蚕玉岳〜朝日岳稜線へ向かうルートが良いでしょう。
時刻は11時を回ろうとしています。天候はようやく回復の兆しをみせはじめ、青空にぐるぐるとめまぐるしく雲が流れて行く様子が見られます。
シールを装着しているときは青空だったものの再び雲の中、午前中はそんな状況を繰り返しながら、徐々に青空のほうが多くなって天候が次第に回復して行く中を青空を求めて先に進みます。(→ Next)
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