ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.13(2010/08/07〜08) @
【大雪渓】
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8月のノリクラは本当に短い夏を楽しむことを見逃してはいけないシーズンです。そして、今年は全国的に暑い日々が続いていますが、乗鞍高原でも日中は暑い時間帯が続くものの、大雪渓エリアは例年と同様に最高気温が20℃にも満たない冷涼なシーズンを送っております。そんな涼を求めてわざわざ大雪渓に通う方はいらっしゃいませんが、ここに通うスキーヤーやボーダーの中には、灼熱の都会での週末を送ることができなくなっている方も多いように感じます。
さて、週末初日の8月7日(土)は、曇空が広がるものの、次第に差し込む日差しに乗鞍高原の冷涼感はスポイルされ、6時前であるにもかかわらず蒸した朝を迎えます。その後、次第に青空が広がるものの、上部エリアの大雪渓では山麓から絶えず流れ込む雲ではっきりとしない天候、そして、いつもなら、風の流れは西または北からと決まっているものの、今日は終始東から吹き抜け、その風にひんやりとした冷涼感を伴う中にいると、汗をかくという感覚がすーっと消えて行きます。
そして、翌日の8月8日(日)も曇り空が終日続きます。しかし、昨日とは異なり乗鞍高原でも少しばかりひんやりとした雰囲気があり、ヒルクライムしていても肌寒さを覚えるほど。山頂付近は絶えず雲が流れ行き、大雪渓エリアは昨日のように東から冷たい空気が入り込んでいて、8月とは思えない冷涼な雰囲気は昨日以上のものとなりました。そして、ヒルクライムに訪れる方が県道乗鞍岳線を絶えず行き交い、今日一日だけで200台以上の自転車が三本滝ゲートを駆け上がって行きました。
それでは、今週末のノリクラの様子をお伝えします。
【8月7日(土)、観光センター前駐車場】
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観光センター前駐車場 |
こちらは早朝5時30分の観光センター前駐車場
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曇 − 朝から蒸し暑さがある |
天候はご覧のように曇り空が広がり、ノリクラの峰々は雲に飲み込まれています。気温は18℃、日が差し込むと同時にひんやりとした雰囲気は少し蒸した感じとなり、高原のすがすがしさがスポイルされています。観光センター前駐車場はこの時間帯で70台ほどの車がお越しになり、出発の準備をされる様子があちこちで繰り広げられています。
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こちらは観光センター売店。
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早朝から営業 − シャトルバス始発便の発車前に利用できます |
シャトルバス始発便に乗車される方々が利用できるよう、今シーズンは朝早くから営業を始めています。
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おにぎり − 6時前には店頭に並ぶ |
周辺に早朝から営業を開始する売店やコンビニエンスストアのない乗鞍高原では、おにぎりなどの生ものを入手することが困難ですが、早朝からの販売は山頂登山に出かける方々には重宝するものです。
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シャトルバス乗車券発売所 |
シャトルバス始発便の時刻が近づくにつれて、シャトルバス乗車券発売所にも列ができるようになってきます。
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タクシー乗り場 | 位ヶ原のお花畑の残雪が気がかり − チングルマ咲くかなぁ |
早朝から営業を開始するのはシャトルバスや売店だけではありません...タクシー乗り場にも常連のドライバーの方々の姿があります。ノリクラ常連のドライバーということもあって、県道乗鞍岳線の沿道の様子を本当に良く把握されています。
「ほらさぁ〜、宝徳霊神のカーブ(5号カーブ)の所や大カーブ(4号カーブ)の所は雪がなくなったが、その下の位ヶ原のお花畑(7号カーブ付近)の所は、今年は全然雪が消えないんだけど、チングルマちゃんと咲くかなぁ〜...」
今年は大雪渓も含めて雪解けが遅い状況が見られます。確かにこの時期は大雪渓・位ヶ原エリアはチングルマが花を咲かせる時期で、この時期を逃して気温が低くなると高山植物への影響も懸念されるわけです。
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さらに訪れた登山の方々にも...
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どんな人にも気さくに... |
タクシーに乗車される方にも、そして、バスを利用される方にも気さくに話をされる様子は、ここでしか見られない光景かもしれません。
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シャトルバス乗り場 | 青空が広がるようになる |
そして、こちらはシャトルバス乗り場。6時を迎える頃になると青空が広がり、それと同時に、乗車を待つ方の列も伸びて行きます。
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シャトルバス始発便 − 乗客の長い列に増発便を先に入線 |
始発便と7時便は観光センターよりもさらに山麓の宮の原が始発ですが、もう、この列の長さですから、バス1台ではとても無理であることから、先に増発便が入線し乗客の改札と乗車が開始されます。
これからハイシーズンを迎え、迅速な段取りでの運行が求められるわけです。
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その後、定期便が到着 −迅速に乗客を誘導 |
そして、宮の原を出発した定期便が到着して、そちらにも乗客を迅速に誘導して...
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大雪渓に向けて出発です。
【車窓から】
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スポット的に紅葉が見られる |
先週もお伝えしたように、所々に紅葉が進んだスポットが見られるようになって来ました。ただ、この紅葉がそのまま秋まで保たれるわけではなく、1〜2週間後には枯れてしまいます。
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先週よりもたくさん見つけられます |
しかし、先週紅葉したものがまだ残っている様子もあって、先週よりもたくさんの箇所でその紅葉を見つけることができます。宝探しではありませんが、ゆっくりと進むシャトルバスの車窓ですから、比較的簡単に見つけることができます。
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森林限界の位ヶ原山荘を超えると...
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山頂付近だけ雲がかかる |
上空は青空がひろがるものの、その青空に絶えず雲が流れ込み、特に山頂付近は帯状にすっぽりと覆われる様子が見られます。このように部分的に雲が絶えずかかる様子は良く見られ、山麓は綺麗に晴れていても、大雪渓だけ終日雨とか濃霧といったこともよくあることです。
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位ヶ原お花畑 − 残雪が残る |
さて、こちらは先ほどのタクシーの運転手さんがおっしゃっていた位ヶ原のお花畑。ご覧のように積雪が残っています。
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前年同時期より一週間早い位ヶ原 −
雪解けが終わりミヤマキンバイが咲き誇る |
こちらは前年同時期より一週間早い位ヶ原のお花畑の様子。完全に雪解けが終わり、ミヤマキンバイが咲き誇っている様子が見られます。
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今回の位ヶ原お花畑 | 昨年の紅葉の位ヶ原お花畑 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2009/09/26〜27) F |
また、位ヶ原のお花畑は紅葉のスポットでもあります。ご覧のように9月下旬にはウラジロナナカマド(画像手前)やダケカンバ(画像奥)の見事な紅葉を楽しむことができます。
ノリクラの紅葉は、9月中・下旬頃から標高2700〜2600メートルの大雪渓付近より始まり、標高1500メートルの乗鞍高原に紅葉の見頃がやってくるのは10月下旬です。上部エリアから山麓にかけて、一ヶ月以上に渡って紅葉を楽しむことができます。
ノリクラの紅葉については、乗鞍紅葉情報 にて概要をお伝えしております。また、紅葉の始まる直前の9月中旬ごろから、速報とノリクラ雪渓カレンダーにて紅葉情報を随時更新いたしますのであわせてご覧下さい。
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5号カーブ | 4号カーブ |
そして5号カーブではごく一部積雪が残るものの、4号カーブでは完全になくなりました。推移としてはほぼ昨年並みですが状況が今年とは逆で、この週で5号カーブの雪解けが完全に終わり、4号カーブでは一部残っていました。
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そんな車窓を楽しみながら、大雪渓に到着です。(→ Next)
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