ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2011/05/28〜29) @

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(Update:2011/06/02)

 

 

関東甲信越地方では史上2番目、東海地方では史上3番目に早い梅雨入りが5月27日(金)に発表され、最初の週末を迎えました。そのため、今回は生憎の天候となりました。

5月28日(土)は、曇り空の朝から始まりました。梅雨入り発表に加えて、台風2号が接近しているという状況もあって、乗鞍スカイラインシャトルバスの乗り換え駐車場のほおのき平駐車場には車の姿はなく、そのため、シャトルバス始発便は乗客ゼロで出発します。畳平など上部エリアは濃霧に見舞われ、夕方近くまで濃霧が続きます。一時的に雨に見舞われるものの、寒くも暑くもなく、また、稜線付近でもそれほど強い風に見舞われず、濃霧さえなければ天候的に問題となるような状況ではありませんでした。

5月29日(日)は、昨日の夕方からまとまった降り方になってきた雨がさらにひどくなり、梅雨入りにふさわしい天候の朝を迎えます。この天候でも乗鞍スカイラインシャトルバス、春山バスはともに運行されました。しかし、この状況ですから春山バスは乗車する方はゼロ。梅雨末期を思わせるような降り方の一日が続きました。

それでは、この二日間の様子をお伝えします。ただ、今回は悪天候の中での取材のため、定点ポイントでの撮影ができない箇所があり、内容が不十分なコーナーがありますので、ご了承ください。


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)


 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【5月28日(土)、ほおのき平駐車場】       【乗鞍スカイライン】
Page-2 : 【畳平に到着】       【畳平周辺】       【肩の小屋へ】
Page-3 : 【肩の小屋】       【稜線目指して】       【稜線】
Page-4 : 【剣ヶ峰〜蚕玉岳】       【大雪渓下部】
Page-5 : 【5月29日(日)、大雨の一日...】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>
 

 

【5月28日(土)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

こちらは6時30分のほおのき平駐車場。乗鞍スカイラインシャトルバスの乗り換え駐車場です。昨日、東海地方・関東甲信越地方に梅雨入りが発表され、さらに台風2号が接近しているということもあって、マイカーの姿は全くありません。

 

人影の全くないバスターミナル

いつもなら、スキーヤー・ボーダー、そして、登山に向かう方々の姿が休日のシャトルバス始発便には多く見られます。これほどまでに人影が見当たらない週末は珍しいことです。

 

畳平は濃霧

今日はBダイヤ

今日のシャトルバスは雨天用のBダイヤで運行。前日14時時点で翌日6時〜12時の降水確率が40%以上の場合に適用されます。現段階では雨は降っていませんが、昨日の段階での今日の降水確率は80%でした。

畳平の気温は4℃。雨となっていますがこの気温だと状況によっては雪ということもあり、シャトルバスの運行が急遽運休されるケースもあります。5月中は雪による運休は多々あり、昨日(5月27日)も降雪のため10時まで運休となっていました。

 

はっきりしない天候

太陽の輪郭がぼんやりと確認できるような時もあれば、視界が100メートルほどの霧に包まれる様子がこの30分ほどの間に繰り返され、はっきりしない様子が続きます。

 

そして、平湯温泉を出発したシャトルバス始発便がほおのき平バスターミナルに到着します。

 

乗客はゼロ

平湯温泉からの乗客もゼロ、そして、ほおのき平バスターミナルからの乗客もゼロ。シャトルバス始発便は全くの空席で出発します。

 

乗客がいなくても通常通り運行

シャトルバスは乗客がゼロであっても、道路状況・天候状況に問題がなければ、通常通りの運行が行われます。

 

【乗鞍スカイライン】

平湯峠

それでは、ここからはいつものように乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。

 

先週の平湯峠付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/21〜22) @

今週の平湯峠付近
残雪はほとんどなくなる

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと山肌に残雪が見られるようになってきます。今日は濃霧がひどく、状況がはっきり確認できません。しかし、積雪はかなり少なくなってきているようです。

また、国道から平湯峠までの旧道区間では、かなり新緑が明るくなってきました。平湯峠付近より上部はもう少し先のようです。

 

夫婦松駐車場

料金所跡地

平湯峠ゲートから3km過ぎたところに夫婦松駐車場があります。マイカー規制が実施されている現在ではこの駐車場は全く利用できません。マイカー規制前の乗鞍スカイラインは有料道路であったため、夫婦松駐車場の少し先に料金所がありました。そのため、平湯ゲートが開門している時間帯なら、この夫婦松駐車場までは自由に行き来することが可能でした。

 

夫婦松 − 現在は一本のみ残っている

料金所跡地を過ぎた所では、道路の真ん中にご覧のような松が見られます。こちらが夫婦松。当初は二本並んでいましたが、枯れてしまったため、現在では一本だけが残っている状態です。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2010/05/29〜30) @

先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/21〜22) @

今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
昨年よりやや多い積雪状況

マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。先週の段階では昨年並みの状態で、先週から比べると雪解けが進んでいますがそのペースがやや遅く、昨年よりもやや多い積雪状況となっています。

 

昨年の猫の小屋跡地
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2010/05/29〜30) @

先週の猫の小屋跡地
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/21〜22) @

今週の猫の小屋跡地
昨年並みの積雪状況

さらに進んで、こちらは標高2000m付近の猫の小屋跡地。先週から比べるとやや雪解けが進んでいますが、ほぼ昨年並みです。

 

眼下に雲海が広がる

乗鞍スカイラインは標高を上げるにしたがって、綺麗な雲海が眼下に広がるようになってきます。雲海は天候条件によって発生するものですが、乗鞍スカイラインでは重厚な雲海が広がっている様子をよく見かけるものです。

長野県側の県道乗鞍岳線でも雲海は見られ、多くは早朝の数時間で消滅してしまいますが、乗鞍スカイラインは逆に夕方に発生することが多いように感じられます。

 

森林限界を超えると濃霧に覆われる

猫の小屋跡地を過ぎて森林限界に達すると、いつもならロケーションが雄大に開けるものの、今日は濃霧に覆われて、遠景はもとより、周囲の様子もすっぽりと濃霧に覆い隠されてしまうほどです。森林限界を境に天候が変化することは、しばしばあることです。

 

昨年の烏帽子岳
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2010/05/29〜30) @

今週の烏帽子岳
昨年並みの積雪状況

昨年の四ッ岳カーブ
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2010/05/29〜30) @

昨年の四ッ岳カーブ
昨年よりやや遅い雪解け状況

森林限界を超えて最初に見られる山は23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ 標高2550m)。濃霧のため、いつもの撮影ポイントからはその様子を観測することができません。そのため、今回は別の角度から撮影した画像で比較しますが、ほぼ昨年並みです。

そして、その先は乗鞍スカイラインの中でもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブ。先日の降雪の影響もあって、昨年よりやや遅い雪解け状況です。

 

こちらは四ッ岳カーブを通過するところ...

 

片側交互通行 − ヒルクライムでは通過時間が心配

四ッ岳斜面からの落石の危険から一車線規制

四ッ岳山腹からの落石危険のため、現在、四ッ岳カーブは片側交互通行となっています。シャトルバスを利用する上では、全く考慮する必要はありませんが、自転車でヒルクライムする際にはやや注意が必要です。4分程度の信号間隔の中で、自転車がこの区間を通過できるか、少し微妙なところです。

 

桔梗ヶ原 − 霧の粒が目の前を流れる

四ッ岳カーブからさらに登ると平坦な桔梗ヶ原に達します。この付近になると、霧の粒がさらに大きくなり、目の前を霧が流れて行く様子を確認できるほどです。

 

昨年の鶴ヶ池雪渓
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2010/05/29〜30) @

昨年の鶴ヶ池雪渓
昨年より一週間〜二週間早い雪解け状況

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。滑走エリアの詳細については、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 鶴ヶ池雪渓版 をご覧ください。

先週までは昨年よりも二週間ほど早い雪解け状況が続いていましたが、今週は雪解けのペースがやや遅くなり、昨年よりも一週間から二週間ほど早い雪解けとなっています。

 

畳平

鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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