ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2011/05/28〜29) A
【畳平に到着】
シャトルバス始発便の到着した8時前の畳平の気温は6℃。今日はこの気温でもあまり寒さを感じません。
バスターミナルの一角には、先日の降雪で屋根から落ちた雪がまだ残っています。この様子からかなりの降雪があったことがわかります。前回のノリクラ雪渓カレンダーVol.2(2011/05/21〜22)A でも記したように先週末は平地では真夏日を記録しました。今度はその天候から一転して、24日(火)には冬に逆戻りしてご覧のような降雪に見舞われ、そして、27日(金)には平年よりもかなり早い梅雨入りを迎えました。この一週間は天候に翻弄させられ、異常気象の一旦を垣間見たようにも感じられました。
今日はこの先も濃霧が支配する一日となり、画像撮影ままならない状況は、雨降りよりも厄介なものです。
【畳平周辺】
ここからは畳平周辺及び畳平から肩の小屋方面へ向かう道路周辺の様子をお伝えします。いつもは畳平南側の不動岳の様子をお伝えしておりますが、今日は濃霧のため撮影ができず、その様子をお伝えすることができません。
二枚の画像は鶴ヶ池のもの。左の画像がいつもの撮影ポイントですが、濃霧のため状況確認が困難で、別の角度のものと組み合わせて参照します。昨年よりも三週間〜一ヶ月ほど早い雪解けです。
濃霧の中ですから、普段は何気なく通りすぎてしまうようなところでも、ふと足を止めて見ると、色々なものにめぐり合うことができます。
この付近は落石が多く、雪解けの時期は特に注意が必要です。岩盤をよく見ると、板状に割れ目が入っている様子が見られます。番所大滝(ばんどころおおたき)の「板状節理」は有名で、かつては板状の岩を瓦や敷石に用いたようです。この岩盤からも乗鞍周辺は溶岩によって形成されたものだということがわかります。
そして、やはりこんな天気だからこそめぐり合える雷鳥。高山植物の芽吹くまではハイマツをついばむ様子がよく見られます。岩の上に立って、縄張りを主張する様子も、ツガイを形成し、卵を育てるこの時期はよく見られる光景です。
濃霧はさらに濃くなる一方...すべての光景を飲み込んでいってしまいます。
【肩の小屋へ】
畳平から肩の小屋への専用道を進むと、肩の小屋・コロナ観測所分岐点に到着します。正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。
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先週の肩の小屋・コロナ観測所分岐点 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2011/05/21〜22) A |
先週の肩の小屋・コロナ観測所分岐点 昨年より二週間から三週間早い雪解け |
先日の降雪で先週とあまり変わらない様子になっていて、先週の段階では昨年より三週間ほど早い雪解け状況でしたが、今週は二週間から三週間ほど早い程度にとどまっています。
分岐点から肩の小屋方面は完全に雪に閉ざされています。訪れる方がたくさんいらっしゃれば、トレース跡がしっかり刻まれますが、今日はうっすらと足跡が残っている程度。そのため、アイゼンを使って歩く必要があります。今日は日の当たらない天候の割には雪面は柔らかかったのですが、早朝は硬く締まっていることもあり、トレースがあってもアイゼン携行は必須と考えられます。
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先週のトラバース箇所 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2011/05/21〜22) A |
先週のトラバース箇所 先週からあまり雪解けが進んでいません |
肩の小屋まではトラバース箇所が三回あります。最初のトラバース箇所を通り過ぎたところに見られるフェンスの高さを見ると、ほかのエリアと同様に今週は雪解けがあまり進んでいないことがわかります。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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