ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2011/06/04〜05) B
【春山バス、大雪渓まで延長運行開始】
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肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場) |
4月29日より運行開始された位ヶ原山荘行きの春山バスは、終点の位ヶ原山荘からさらに先の区間の除雪を進めて、例年6月頃には、位ヶ原山荘から約3km先の肩の小屋口バス停(大雪渓入口))まで延長運行が実施されます。
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運行本数はこれまでどおり1日3便 |
今日は延長運行初日。大雪渓駐車場にはバス停が設置されています。運行本数はこれまでと同様に1日3便で、運行ダイヤも変わりありません。詳細は 2011シーズン 乗鞍高原〜位ヶ原山荘雪の春山バス運行について(2011/04/11) をご覧ください。
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この時期の夜間凍結は珍しくありません |
春山バスは冬季閉鎖中の県道乗鞍岳線を利用して特別な許可の下で運行されています。そのため、朝夕はご覧のように路面凍結があり、そのために運休となることもしばしばあります。
7月になればシャトルバス、タクシー・自転車の通行ができるようになりますが、県道乗鞍岳線の冬季閉鎖解除は全国の中でも最も遅いものとなっています。そのため、乗鞍高原から畳平までの全線通行できる期間は7月から10月までの4ヶ月しかありません。年間の3分の1しか通行できない道路は県道乗鞍岳線のほか、山形県の県道月山公園線が存在します(冬季閉鎖期間:10月20日〜6月下旬)。また、長野県内で県道乗鞍岳線に次いで冬季閉鎖期間の長い道路は、県道奥志賀公園線です。(冬季閉鎖期間:11月4日〜6月17日)
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トイレも利用可能に − ハイマツ・雷鳥保護の掲示物 |
春山バスが大雪渓まで延長運行されるのに合わせるように、冬季閉鎖されていた大雪渓駐車場に隣接する公衆トイレも利用可能となりました。
今日は環境省の方や森林監督署の森林官の方が、自然保護に関する掲示物の新規設置と、これまで設置した掲示物の点検・移設を実施しています。
この時期は春スキーで訪れる来場者数が増加し、また、ハイマツ帯へ進入が雷鳥の生息に大きく影響するタイミングでもあります。そのため、WebSiteでもハイマツ帯への進入について注意喚起を実施してきました。
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春山バスが到着 |
そして、肩の小屋口バス停に今シーズン初めての春山バスが到着です。
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始発便は5台運行、約180名がお越しになる |
春山バスは8時台に運行される第一便、11時台に運行される第二便、14時台に運行される第三便の1日3便が運行されますが、最も乗客の多いのは朝の第一便。この日は5台のバスに約180名のスキーヤー・ボーダーの方々を乗せてやってきました。
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春山バスを降りたらすぐに雪渓へと向う姿があります。
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冬の常連の面々も... |
ツアーコースを行き来していた冬の常連の方も、もうこの時期は春山バスを利用するしか手段はありません。それでも、初めてノリクラにお越しになるという方をお連れするには、春山バスが延長運行されたことのメリットは大きく、今日のように梅雨の晴れ間を狙ってくれば、稜線までのハイクアップもさほど苦労と感じさせないことでしょう。
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毎年、この時期は欠かさずやってきます! |
毎年、春山バスが大雪渓まで延長運行されるタイミングを見計らってお越しになるボードのご家族。先シーズンまでは親子二人でしたが、今年はさらに弟さんもノリクラデビューです。
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ノリクラを間近に眺めながらの準備に気分高揚 |
しっかりとした青空が広がるようになり、剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の三つのピークはくっきりと浮かび上がってきます。そして、大雪渓駐車場のあちこちでシールを装着するスキーヤーの姿があり、ノリクラの峰々を間近に見ながらの出発の準備は、少しばかり気分が高揚させられるもの...春山バスが延長運行されなければ、そんな雰囲気を味わうこともできないものでしょう。
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夏スキー以上の賑わい |
7月からは本格的な夏山シーズンとなってたくさんのスキーヤー・ボーダーの方々が夏スキーに訪れるようになります。しかし、今日のように一斉にお越しになることはなく、夏スキーシーズン以上のにぎやかさが見られ、季節がさらに一歩前進した様子が感じられます。
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メンバー全員の準備が整い、稜線目指して出発です。
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無事に稜線まで到達できるか、ちょっと不安... |
大雪渓入口から稜線までの直線距離は約1km。標高差は約400mです。無事に稜線まで到達できるか...若干自信がなさそうな表情をされていますよ。
大雪渓入口から稜線まで直登される方が大半かと思いますが、稜線直下の急勾配はなかなか辛いものがあります。そのため、体力に自信のない方は、肩の小屋まで大雪渓を登ってきて、その先は夏の登山道を利用されると良いでしょう。
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親子三人 − 稜線目指して出発! |
バスに揺られて少しバテ気味... |
そして、先ほどの親子三人も出発です...しかし、初めてノリクラにやってきた弟さんはバスに揺られてちょっとバテ気味...
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ゆっくり一歩一歩... |
春山バスが大雪渓まで延長されたタイミングを見計らって、今シーズン初めてのノリクラにお越しになる方も多く見られ、薄い空気に体が慣れていないという方もたくさんいらっしゃるようでした。
無理をせず、ゆっくりと一歩一歩進んで行って下さい。もし、次の一歩が先に出なくなってきたら、今日はそこで終わりにしましょう...
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一斉に駆け上がる − この時期ならではの光景 |
今年は若干雪解けが早く、稜線からの大滑降が堪能できるのもあと数週間。春スキーの旬の味を十二分に堪能したいものですね。
【大雪渓下部】
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ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
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昨年の大雪渓入口 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2010/06/05〜06) B ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2011/05/28〜29) C ↓ |
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今週の大雪渓入口 |
こちらは大雪渓入口付近。左上の画像は昨年同時期の様子、右上の画像は先週の様子です。昨年よりも一週間早い雪解け状況です。
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大雪渓入口右側の看板 |
大雪渓入口のガードロープ |
左の画像は大雪渓入口の右側に「高山植物等の採取は禁止されています」などのお願いの記載された看板の様子。そして、右の画像では大雪渓入口のガードロープの様子。いずれも先週から高さ30センチ程度の雪解けで、昨年よりも一週間程度早い雪解け状況です。
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トイレ付近 − 昨年より一週間早い雪解け |
そして、こちらはトイレ周辺。この付近では先週よりも30〜50センチ程度の雪解けが見られます。大雪渓からの雪解け水の勢いが感じられるようになってきました。雪解け水は雪渓の下と岩盤との間を流れています。今後、雪解けが進むと表面上は変化がなくても、雪解け水の流れによって、空洞が大きくなって、踏み抜いてしまう恐れもあります。十分注意してください。
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クラック − 開口幅は1メートル以上 |
雪渓下部にはご覧のようにクラックが入っています。このクラックは5月初めには確認できず、大雨で激しく雪解けした5月中旬から確認されました。急激な雪解けによって発生したものと考えられますが、毎年、ほぼ同じ位置にできています。
クラックの開口幅は先週よりもさらに広がって1メートルを超えています。今後もさらに広がってくることが予測されますので、注意が必要です。
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モーグルコースの岩 − 昨年より二週間早い雪解け |
クラックの上部には、大雪渓の中で最初に出現する岩があります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。
岩の高さは1メートル近くまで大きくなっています。先週と同様、昨年よりも二週間ほど早い雪解け状況です。
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石碑の岩 − 昨年より一週間早い雪解け |
そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。こちらの石碑の岩は今週になってようやく確認でき、昨年よりも一週間早い雪解け状況です。 (→ Next)
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