ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2011/07/01〜02) E
【雪渓上部 T】
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雪渓上部全景 |
それでは雪渓上部の様子をお伝えします。画像左上の部分は、先々週まで朝日岳の稜線まで積雪がつながり、約1kmのロングランの春スキーを楽しむことができました。今週はそんな面影はもうありません。
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雪渓上部右側 |
雪渓上部は中央部分で上部から尾根が延びてきて、バーンは左右に分離してくるようになります。左右の分かれる尾根の一部が見え始めています。この尾根の一部は後述いたします。こちらは右側部分(雪渓上部右側)。中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリアです。
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昨年の肩の小屋への登山道 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8 (2010/06/30〜07/04) F |
今年の肩の小屋への登山道 昨年より一週間早い雪解け |
雪渓中段のコーナーでも登山道の様子をお伝えしましたが、こちらの登山道はかなり雪解けが進み、肩の小屋までほぼ完全に雪解けが完了しています。昨年より一週間早い雪解け状況です。
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地元の山岳ガイドの方 − 毎年7月1日は誕生日記念の登山 |
こちらは地元の山岳ガイドの方。7月1日は山頂登山を毎年欠かさず実行されています。県道乗鞍岳線オープン初日だからというわけではなく、この日はご自身の誕生日...さらに次の一年が無事に過ごせるように、この登山は毎年欠かさず続けなければなりません...しかし、元気がはちきれそうなこの表情をこれからも拝見させていただきたいですから、誕生日登山を今後も続けていただきたいと思います。
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たけのこ状の氷柱があってもバーンは比較的柔らかめ |
バーン表面はご覧のようにたけのこ状の氷柱がいくつもできています。ただ、今日は比較的バーンが柔らかく、滑走する上であまり気になる存在ではありません。
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そして、こちらは上端部分。
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雪渓上部右側上端 − 昨年より一週間早い雪解け |
雪渓上部右側の上端部分は、昨年よりも一週間ほど早い雪解けです。
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昨年の上端からの画像 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2010/06/30〜07/04) F |
今週の上端からの画像 雪渓下端まで511メートル − 昨年より一週間早い状況 |
上端から雪渓下端までの距離は511メートル。こちらも昨年よりも一週間早い状況です。
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雪渓上部を左右に分ける尾根の一部 |
こちらが前述の雪渓上部を左右に分ける尾根の一部。昨年よりも二週間から三週間早い雪解け状況です。
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雪渓下端までは210m | 雪渓上部右側の横幅は175m |
岩の頭から大雪渓入口の雪渓下端までは210m、そして、岩の頭から大雪渓の北端、つまり、雪渓上部右側の横幅は175mです。
【雪渓上部 U − 基礎キャンプ】
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基礎キャンプ |
スキーブームが訪れた20年近く前は、まだ、マイカー規制前ということもあって、7月1日の大雪渓は、夏スキーヤーにとって正月のような存在で、一斉に雪渓目指して車を飛ばしたものでした。そして、このバーンもポールが乱立するほどの賑わいとなったものです。
しかし、スキーブームが落ち着いてきたことと、マイカー規制が始まったことで、スキーキャンプを継続されるチームなどは激減し、ほとんどプライベートゲレンデといった状態です。
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一年ぶりの再会です! |
そんな中、やはり今年もこちらの基礎キャンプの方々がお越しになりました。毎年この時期に、そして、この場所で必ず再会できるということは、本当にうれしいものです。
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キャンプで教えてもらうことは永遠のテーマ |
キャンプで教えてもらうことは、各メンバーにとっての永遠のテーマ...キャンプを開催する指導者の方も毎年お越しになっているのはもちろんですが、そこに通うメンバーも、やはり顔なじみの方々ばかり...
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WebSiteのチェックはキャンプ内容を構成するのに重要 | 練習中も鍬でバーン整備を続ける |
「WebSiteで雪の状況をチェックすることで、今回のキャンプ内容の構成をどのように組み立てたらよいか、カリキュラムなどを事前に用意することができるんですよ。」と、おっしゃってくださいます。
「特に昨年との定点比較画像は、今年の積雪状況を把握するのに非常に助かります。」と、付け加えてくださいました。大雪渓をぱっと一望しただけで、積雪状況を把握することは困難です。そのため、やはり定点撮影をして、昨年、あるいは先週の状況と比較することで、誰にでもわかるようにすることが、重要と考えています。
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ノリクラのバーンは気を抜いたら滑りの即座に現れる − 上達への近道 |
「ノリクラは登る必要があるので、積極的にこのキャンプを宣伝することはしませんでした。しかし、参加メンバーが『ノリクラに行ったら上達した』と、積極的に情報発信してくれるようになり、そんな声や反響が大きくなってきました。ですから、今年からはこのキャンプを積極的に宣伝できると確信しました。ノリクラのキャンプは20年以上開催してますが、こんな風に感じたのは初めてです。」と、おっしゃってくださいました。
乗鞍大雪渓のバーンは、現代のゲレンデでは絶対に存在しないコンディション。気を抜いたら即座に滑りに現れるため、各自のウィークポイントを自分自身ではっきりと感じ取ることができます。「百聞は一見にしかず」ということわざがありますが、まさに「百聞は一体験にしかず」ということかもしれません。
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メンバーの滑りを見ながら、バーン整備を続ける |
この時期のバーンコンディションは日に日に変化するもの、たけのこ状の硬い氷柱が一面広がるととても滑走できる状態ではなく、そんなバーンをメンバーの滑走する合間も鍬で整備し続けます。
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「上達の種」を植えるために鍬でバーンを耕す − 信頼関係がキャンプの「肥やし」に |
メンバーからは「先生はバーンを鍬で耕して、私たちのために、『上達の種』を植えてくれてるんですよ〜」と言う声も聞かれ、先生とメンバーの信頼関係が、このキャンプの「肥やし」になっているのかもしれませんね。
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苦笑... |
先生からのレクチャーを受けた後、「どうです〜、イメージはつかめましたか?」と、問いかけると、苦笑ばかり...
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脱水に注意! − 暑くなくても積極的に水分補給を |
今日の大雪渓の最高気温は12℃。各地で30℃を超える真夏日が続いていますが、乗鞍大雪渓ではそんな猛暑は無縁の世界。しかし、気をつけなければならないのは、無意識のうちに水分が不足して言っているということです。今日のように曇っていても、積極的に水分補給に心がけてください。
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今年もノリクラで何か収穫を得たい! |
一人一人のメンバーがこの大雪渓というステージで冬場では得られなかった何かを見つけたり、少しでも雪上の足裏感覚を忘れないようにする努力を続けるためにお越しになっています。そして、単独で滑っていてはわかり得ないことつかむことも、キャンプ参加の大きな収穫かもしれません。7月はノリクラのキャンプに参加するんだというモチベーションをこれからも持ち続けてもらいたいと願っております。(→ Next)
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