第8回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム
(2011/07/09〜10) D
【レースを終えて...】
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畳平駐車場 |
レースを終えた選手の方々は、ゴールに隣接する畳平駐車場でしばしの休憩です。薄手のサイクルジャージには14℃という気温は低めですが、しっかりとした日差しが差し込んでいて、寒さに震える様子はありません。
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手荷物の受け取り |
こちらは、レース開始前に預けた手荷物を受け取るコーナー。今日のように比較的暖かなコンディションなら問題ありませんが、11時の下山開始まで、寒さに震える様子が過去にはあり、また、下山時の寒さ対策のためにも、防寒着を手荷物に預けることをお勧めします。
また、下山は安全のため、先導者の誘導の下、低速走行が徹底されます。そのため、長時間にわたってブレーキ操作を続ける状態が求められます。寒さを感じるようなコンディションの場合は、指切りのグローブだとかなり辛い思いをするかもしれませんので、指先まで覆うタイプのグローブをザックに忍ばせておいたほうが良いでしょう。
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景色はやはり最高! |
手荷物を受け取ったこちらの選手。「今年は雪が少ないですね〜。でも、景色はやはり最高でした!」と、笑顔で答えてくださいました。乗鞍スカイライン沿道の積雪は、6月までは昨年並みかやや多い状況でしたが、6月下旬から7月上旬の雨などで、一気に少なくなった状況です。
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リザルトの掲示 |
選手の方々が集まっている目線の先にはリザルトが掲示されています。
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掲示するリザルトは順次更新 |
まだ、競技が続いているため、ゴールする選手が続き、リザルトもそのたびに新しいものに張り替えられて行きます。
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ご自身のタイムを携帯におさめる |
ご自身のタイムを見つけて、携帯のカメラで撮影です。
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初めての出場 |
こちらの方は、今回初めて乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムに参加されたとのこと。長野県側の県道乗鞍岳線は何度もヒルクライムしたことがあるものの、やはり乗鞍スカイラインは勾配のきつさを実感されたようです。
大会出場に当たり、「このWebSiteを見て、第1回大会の様子 からすべての大会をチェックして、どのような対策を取ったらよいか考えてきました。このWebSiteがあったから出場できたように感じます。」と、おっしゃってくださいました。
www.norikura.org 乗鞍大雪渓WebSiteでは、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの大会の様子を、第1回大会からすべて取材しております。乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム INDEX より、開催年度順にご覧になることができますので、ぜひともご覧ください。
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冬も夏もノリクラで! |
前回お会いしたのは、冬のツアーコースの雪上でした。もちろん、そのときは自転車ではなく、スキー板にシールをつけて、雪上を登って来るシーンの中でした。同じ登るでも季節が異なるとこんなに違いがありますが、バックカントリースキーと自転車の両方を楽しむ方は、徐々に増えてきているように感じます。それが同じフィールドで楽しむことのできるノリクラは、3000m級の高山でありながら、幅広いジャンルの方を受け入れることのできる貴重な存在といえるでしょう。
(ツアーコース :
乗鞍高原温泉スキー場と乗鞍山頂付近の位ヶ原とを結ぶバックカントリースキーコースで冬山経験が必要。
参考 : 2011シーズン
ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 )
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レースを終えた開放感 − 至福の時... |
路面のアスファルトが程よく暖かく、レースを終えた開放感もあいまって、全身の筋肉が弛緩しきった状態になれるのは至福の時ともいえるでしょう。
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さて、こちらはスタート前にもお会いしたVitesseイチカワレーシングの皆さん...
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ママが連れてきたのは、明珍 裕子選手 |
「ちょっと待って!今、会わせたい選手を連れてくるから...この子は強いのよ〜〜」と、ママと一緒にやってきたのは、明珍 裕子選手。
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「1位でしたよ!全体でも1位!!」 |
「ヒルクライムは楽しいじゃん!」 |
ロードレーサー女子の一般部門から出場した明珍選手。村山選手から「結果はどうだったの?」と、聞かれると、「1位でしたよ!全体でも1位!!」。(←実業団も含めて女子総合1位)
それを聞いた村山選手も、周りの皆さんも、驚く様子が続きます。(リザルトは1時間21分13秒)
「だって、ヒルクライムはぐいぐいと登っていけばいいから楽しいじゃん!!」と、おっしゃる明珍選手の様子に、ヒルクライムレースを得意とする村山選手も苦笑するばかり...
体幹を含めた体作りは重要とのことで、「前回、フランスに連れて行ってもらったときに体作りは重要としっかり認識しました。」と、最後に教えてくれました。これからの活躍に目が離せません。
【下山開始】
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まもなく下山開始 |
そして、11時の下山時刻が近づくと、場内には長袖の防寒着を身にまとい、準備の整った選手の姿が集まってきます。
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先導者のみなさん |
下山は数回の集団に分かれ、先導者が集団を誘導する形で、大会会場の殿下平総合交流ターミナルまで帰ります。決して先導者を追い抜くことのないよう注意してください。また、安全上の観点から、低速走行が徹底されていますので、頻繁にブレーキ操作をすることが求められます。そのため、操作する手首への負担やブレーキのクールダウンのため、夫婦松駐車場での一時休憩も実施されるようです。
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来年はさらに上を目指して... |
今回の大会でさらに新たな作戦を練って、また、新たなトレーニングを続け、ヒルクライムに挑戦し続ける姿を来年も拝見したいと思っております。
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ノリクラの風景を目に焼き付けて下山する |
レース中は景色を見る余裕はなかった方も、下山は楽しんで周りの景色を眺めることができるはず。今年ほど眺望に優れた大会はこれまでなかったと思います。
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また、来年もこの大会でお会いできることを楽しみしております。
<取材後記>
昨年は開催日程が6月最終週に変更されたため、エントリー数が減少し、さらに乗鞍スカイラインの雨量規制による通行止めとなったことから、大会当日の朝、急遽中止となり、生憎の結果となりました。今年は大会日程が従来どおりの7月第2週に戻り、エントリー数は前回よりも多い561名となり、少しずつではありますが、この大会がヒルクライマーの方々に浸透しつつあるように感じます。
出場した選手の方々にお話を聞くと、「乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムは景色が綺麗」と、一様に答えます。ほかのヒルクライム大会は、鬱蒼とした森林の中をひたすら走り続けるケースが多いとのことで、景色の変化がないことが心理的な圧迫感を覚えるのかもしれません。
その点、乗鞍スカイラインは8kmポスト地点(スタートから約12.5km地点)付近から、森林限界を超えてロケーションが開ける高山帯へと入ってきます。ここからゴールまでの6kmは今回のように天候がよければ、本当にすばらしい風景に囲まれた中でのレースとなるわけです。
なぜ、ほかの大会にそのようなロケーションがないかと考えれば、それは一目瞭然なことです。ロケーションが開ける森林限界は中部山岳エリアでは、標高2500m付近と言われています。ゴールの畳平の標高が2702mですが、森林限界を超える標高2500mは、乗鞍スカイライン10kmポスト付近(スタートから約14.5km)になります。そのため、後半の約3分の1は開けたエリアを走ることになり、鬱蒼とした雰囲気から抜け出してゴールへのクライマックスへと突き進むドラマがこのレースにはあるわけです。
乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの模様は、第1回大会から取材を行っております。そのため、今回から初めて出場しようとされる選手の中には、当WebSiteを参考にして、出場を決意されたり、準備を進めて来られたという話を、今回は特に多くお聞きすることができました。また、選手の方だけでなく、大会関係者の方々にも、ご参考にして頂いているというお話をお聞きし、驚いた次第です。
当WebSiteは、乗鞍で催された行事の取材のほか、乗鞍の四季の移り変わりを一年を通して取材しております。(参考
→ 2011ノリクラ雪渓カレンダー、速報バックナンバー)。
単にそれぞれの出来事について情報発信するだけでなく、それを活用される方々がいらっしゃるということから、最近は「記録」という点についても意識した取材・編集を心がけております。
そんな一コマが来年もお届けできたら幸いかと思っております。
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