ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.13(2011/08/04〜05) B
【雪渓下部 U − モーグルコース】
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それではここからはモーグルコースの様子をお伝えします。
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コースの長さは59メートル×14コブ |
この一週間、平日であるものの、ほぼ連日、滑走されるスキーヤーがお越しになり、そのため、コブの形状や深さは、比較的良好です。長さは59メートル×14コブです。
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スタート付近は岩が多くなる |
スタート部分は、ご覧のよう岩がかなり多くなり、おそらく、このコブラインも終盤に近づいてきている様子がわかります。
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昨年同時期より一週間遅いモーグルコーススタート付近 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2010/08/13〜15) B ↓ |
先週のモーグルコーススタート付近 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2011/07/28〜29) B ↓ |
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今週のモーグルコーススタート付近 |
スタート付近の様子を昨年・先週と比較すると、先週から1メートル以上の雪解けが見られ、昨年よりも一週間以上早い雪解けであることがわかります。
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バーンは程よく柔らかく、整備の必要がない |
取材した8月4日(木)は、滑走するスキーヤーは一人しかいらっしゃいませんでしたが、バーン表面が比較的やわらく、ほとんど整備する必要のない状態でした。
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翌日の8月5日(金)のモーグルコース |
そして、こちらは翌日の8月5日(金)の様子。今日は数名の方がお越しになっています。
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二本のラインはどちらも14コブ | いつもWebSiteでチェックしてから来ます! |
雪渓下部には二本のラインがあります。こちらは下から見て右側のライン。どちらのラインも14コブで長さは変わりありません。「いつもWebSiteを見て、ノリクラに行く時の判断材料にしています...」と、おっしゃるモーグラーの方。平日は訪れる方が少なく、コブの様子が心配でしたが、今日は滑りやすいコブがあって、十分楽しめるようです。
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今日は楽しくすべられるコブができています |
コブを目的にお越しになるスキーヤー・モーグラーにとって、滑走しやすいコブが存在するかどうかは、重要なポイント。訪れる方の少ない平日は、コブを成長させるだけの滑走人数がないため、週末にお越しになる方々以上に、気がかりなものです。
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平日はスタート待ちがなく、自分のペースで滑られる |
「7月からお休みが木曜日・金曜日になってしまったんですよ〜」と、おっしゃるこちらの方。平日はスタート待ちがまったくありませんので、自分の好きなペースで滑走できるところだけは、メリットといえるかもしれませんね。
雪渓下部のモーグルコースはそろそろ終盤を迎え、雪渓上部左側が今後のメインバーンとなって行きます。
【雪渓下部 V − チビッコたちの雪遊び!】
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チビッコたちに雪渓下部が占拠! |
雪渓中段と雪渓下部も左の画像のように分断されつつあり、滑走エリアも徐々に少なくなる中、今日はチビッコたちに雪渓下部が占拠されています...
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スプーンカットがお尻に当たって痛い! |
キッズキャンプに参加している子供たちは、もう大はしゃぎ...お尻にビニール袋を敷いて滑ろうとします、しかし、少し滑り出すとスプーンカットがお尻に衝撃を与え、ちょっと痛そうな様子も見られます。「雪って結構硬いんだ〜」と、知るきっかけにもなり、実際に触れてみると、初めてわかることもあるものです。
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必要以上に足元は滑る |
お尻にビニール袋を敷いても思うように滑り出さないのに、足元だけは必要以上に滑るもの...
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指先がキンキンに冷える | じゃれ付いて... |
夢中で遊び続けて、軍手をする指先はキンキンに冷たくなってしまいました。サポート役の方の首筋に、冷たくなった手を差し込んで、いたずらしたり、じゃれつく様子が楽しそうに続きます。
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盛りだくさんのノリクラの夏が続く |
今晩は全員でテントを張って、キャンプが予定されているとのこと...盛りだくさんのノリクラの夏が続きそうです。
【雪渓下部 W】
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石碑の岩 |
こちらは雪渓下部の南端に当たる石碑の岩。周辺は二週間前に完全に雪解けが完了しています。
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チングルマ | 今にも風に乗って飛び出しそう |
こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。たる型に丸く膨らんださく果の先端が解けて、ご覧のようにバラバラの綿毛に広がりました。再び花開いたような雰囲気です。綿毛の根元を見ると、一本一本に小さな種子がついている様子がわかり、これから、風に乗って周辺に分散して行きます。タンポポと同じように風を効率よく利用して、より遠方へ子孫を残そうとしているのです。
昨年はすでに飛び始めていましたので、先週と同様、昨年よりやや遅めの推移といえます。
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雪渓上部下端部分 |
石碑の岩の東側にあるスキーヤー専用道を進むと、雪渓上部の下端に達します。
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先週の雪渓上部下端部分 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2011/07/28〜29) B |
今週の雪渓上部下端部分 下端は20メートル上昇 |
先週の雪渓上部下端部分の画像と比較します。下端の位置は20メートルほど上昇です。
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昨年の遅い雪渓上部下端部分 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2010/08/07〜08) B |
今週の雪渓上部下端部分 昨年並み |
雪渓上部下端部分は先週までは、昨年よりも一週間早い雪解けを推移していましたが、今週は雪解けペースが遅くなり、ほぼ昨年並みとなっています。
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大雪渓エリアは高山植物が見頃に |
大雪渓エリアは、花期を迎えた高山植物の種類・分布が多くなり、まさに今がピークを迎えています。
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モミジカラマツ | 開花直後に萼は落ちる |
夏が本番を迎えたころに咲き始めるのはモミジカラマツ。ご覧のモミジカラマツは、ちょうど開花し始めたところです。
糸状に見られるのはすべて雄しべで、モミジカラマツには花弁(はなびら)はありません。右の画像は、つぼみが開き始めたところです。つぼみの外皮は、開花後、通常であれば花弁を保持している萼(がく)となって行きますが、モミジカラマツの場合は、開花と同時に、萼は落ちて行きます。
大雪渓エリアでは、今後、数多くのモミジカラマツが咲いて行きますが、このように、萼が落ちようとしている状態に、タイミングよくめぐり合えたら、ぜひ、観察してみてください。
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岩に張り付くのはイワヒゲ |
岩場に張り付く咲くこちらの高山植物はイワヒゲ。その名のとおり、岩から髭が伸びている様子からこのように呼ばれています。
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エイランタイ − 地衣類は厳しい環境下で自生 |
イワヒゲに絡みつくように生えているのは、地衣類のエイランタイ(英蘭苔・依蘭苔)で、「アイスランド(依蘭)の苔」というのが起源のようです。藻類と菌類の複合体の地衣類は、空気中の水分や空中粒子(エアボーン)の養分を吸収して成長し、厳しい環境下でも生長して行くことが知られています。その反面、大気汚染などには敏感で、地衣類の一種であるウメノキゴケなどは、指標生物として優れていると考えられています。(→ Next)
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