ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.13(2011/08/04〜05) D
【雪渓上部 U − レーシングキャンプ】
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レーシングキャンプ |
前ページでもお伝えしたように、雪渓上部右側は、ポール練習には最適な中斜面が続いています。そのため、今日もレーシングキャンプが行われる様子が見られます。
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まったく振り幅のない、一直線にセットされたポール | いやな予感... |
メンバーのほぼ全員が、同じポールセットを滑るアルペン競技の練習では、ターンのエッジングによって、ポール間際が激しくえぐられるようになって行きます。そのため、ある一定の箇所だけが掘れないように、定期的にポールのセッティングを変える必要があります。また、一日が終わっても、圧雪車で整備されることがありませんので、えぐられたバーンは、日時の経過とともにウェーブ状にになって行きます。
こちらのキャンプでも、定期的にポールのセット替えが行われます。しかし、今回は、まったく振り幅のない一直線にポールがセットされたコース。この先、どんな練習メニューになるのか、メンバーはもうお見通しで、「いやな予感...」を感じていいるようですよ。
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三回完走できたら、今日の練習を終わり!! | まずは見本... |
一直線にセットされたポールの前後の間隔は、スキー1.5台分ほど。板を振りまわしていては、とても次のポールに間に合わないレイアウト。そして、今日の練習も終盤に差し掛かり、「このセットを、三回完走できた人から、今日の練習を終わりにします!」と、メンバーに告げられます。
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問題のないコースに見えますが... |
見本を示す先生の滑りを見る限り、なんら問題のないコースレイアウトのように見えますが...
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ところが、これがなかなか難しい...
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三回どころか、一回も完走できないメンバーが続出です。
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三回完走できるまで、何度もチャンレンジが続きます。
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何度も登って「三回完走」を目指す! |
抜重の概念やエッジングの切り替え、また、その操作の違い、それに関連したストックワークの習得など、普段の練習ではあまり表面にでてこないウィークポイントが如実に現れ、メンバーは一様に苦笑しながら、「三回完走」を目指します。
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陽が傾くまでキャンプは続く | できないことだから挑戦させ続けます |
「先生、無理です!」というメンバーに、「無理は承知のこと...」というメッセージをメンバーに投げかけながら、それを克服する力をつけさせようとされています。スキー技術の習得には、それに取り組むべくマインドも必要であるということが、傍から見るだけでも感じ取れるキャンプでした。
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ノリクラでの練習は始まったばかり...滑走できるバーンコンディションである限り、レーシングキャンプはまだまだ続きます。
【雪渓上部 V − モーグルコース】
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雪渓上部左側 |
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。
大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。
したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる、8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。
上端部分は、昨年よりも一週間ほど早い雪解けを示していますが、下端部分は、昨年よりも積雪が多い状況が見られます。
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雪渓上部左側 − 二本のライン |
雪渓上部左側のバーンを良く見ると、二本のラインが白くなっている様子が見られます。
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右側のライン − 67メートル×15コブ | コブはほとんど消滅 |
こちらは下から見て右側のライン。先週末に作成されたものと推定されますが、雪解けでほとんどコブの形状がなくなっています。ラインの長さは67メートル×15コブ。おそらく、これよりもさらに上部までコブがあったと思われますが、この一週間は滑走する方がほとんどなかったため、コブは消滅しています。
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そして、こちらは左側のライン。
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週末にお越しのモーグラーの方々のため、コブ作成中 | やわらかめでも、氷柱が随所に |
週末にお越しになるモーグラーの方々のため、コブ作成中です。バーン表面は、柔らかめではありますが、やはり、氷の柱が随所にあって、スコップだけでは、なかなか作業効率が上がらないようです。
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ラインは上端からびっしり続きます |
コブのピッチ(コブとコブの間隔)は、前述の右側のラインよりも、やや、短い状況で、コースのスタート位置は雪渓最上部にあります。そのため、ここを訪れるモーグラーの方々は、最上部まで登りきることが求められます。
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お昼休みもとらずに作業は続く |
時刻はすでに14時を回り、「夕方までには、下端まですべて完了させたい。」と、おっしゃり、お昼休みもとらずに、作業が続けられました。
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こちらは雪渓上端部分。
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上端部分 − 昨年よりも一週間早い雪解け |
上端部分は、昨年よりも一週間早い雪解けを示しています。
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上端から − 下端部分まで205メートル |
雪渓上部左側下端までの距離は205メートルです。昨年よりも152メートルよりもはるかに多い状況です。前述のとおり、上端部分は昨年よりも一週間早い雪解けを示していますが、下端部分の積雪が昨年よりも多いことが起因しています。
昨年よりも積雪の多い箇所は、雪渓下部の登山道入口付近のみで、これまでにもお伝えしているように、それ以外の箇所は、昨年よりも一週間程度早い雪解けを示しています。(→ Next)
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