ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.14(2011/08/11〜13) E
【雪渓上部 V − モーグルコース】
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。
大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。
したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる、8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。
上端部分は、昨年よりも一週間以上早い雪解けを示していますが、下端部分は、昨年よりも積雪が多い状況が見られます。
雪渓上部左側には二本のラインがありますが、左側のラインを、ほぼ、毎日メンテナンスされていたこちらの方。今日はバーンも緩んで、ようやく滑走できる状態にまでなりました。
こちらの方も久々の再会です。昨年も「雷鳥って会うことできますか?」と、おっしゃっていたことを覚えています。そして、昨日の速報(8月11日の速報)をご覧になり、再会の挨拶の第一声は、「どこに雷鳥いたんですか!」でした...
そして、雪渓の雪面に見つけたのは...
エゾゼミ...大雪渓周辺では、真夏を迎えると、かぼそい鳴き声ではありますが、耳にすることができます。今日も雪面に何匹ものエゾゼミを見つけることができ、こんな高山帯でも、セミが生息していることがわかります。
昨年は、ほとんど見かけることがありませんでしたので、そのシーズンの天候などによって左右されているのかもしれません。
モーグル以外にも、ノリクラの自然など色々なものに興味を持たれることは、本当にうれしいこと...「厳冬期のノリクラの状況がどうですか?」と、いったことまで話題に上ります。
しかし、厳冬期の過酷さとは、全く次元の異なる、過酷なバーンをこれから紹介いたします。
斜度30度の急斜面を延々と登り続け、コブラインのスタート地点にようやくたどり着きます。
コブラインのスタート地点は雪渓の上端部分。ここから望むゴール地点は、遥か彼方に小さく見えるほど遠くにあります。
そして、ラインの長さは140メートル×61コブ。ピッチは2.3メートルと驚異的に細かなラインです。
モーグルの滑りを「テケテケ...」と、表現することがありますが、まさにそのとおりの状況。ムービーの早送りを見ているかのようで、まさか、この調子で140メートル先のゴールまで滑りきることができるかと見ていたら...本当に行ってしまいましたよ!
もちろん、作成したご本人も完走しないわけには行きません...いやいや、あっぱれです。
取材に訪れた8月12日は、終日にわたってよい天気が続き、適度に緩んだバーンに、雪飛沫を撒き散らしながら、ピッチ2.3メートルの140メートルコースを爆走する様子が、陽が傾く夕方まで続きました。
こちらは雪渓上端部分。
上端部分は、雪解けペースが先週よりやや速くなり、昨年より一週間以上早い雪解け状況です。
雪渓上部左側下端までの距離は、155メートルで、先週よりも50メートルも短くなっています。それでも、昨年よりも一週間以上遅い雪解けです。前述のとおり、上端部分は昨年よりも一週間以上早い雪解けを示しています。前述のとおり、上端部分は昨年よりも一週間以上早い雪解けを示していますが、下端部分の積雪が昨年よりも多いことが起因しています。
昨年よりも積雪の多い箇所は、雪渓下部の登山道入口付近と雪渓上部右側下端部分のみで、これまでにもお伝えしているように、それ以外の箇所は、昨年よりも一週間程度早い雪解けを示しています。(→ Next)
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