ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2011/08/25〜27) A
【大雪渓に到着】
取材初日の8月25日(木)は、視界はよいものの、雨が続いています。
今週も夏休み最後のレーシングキャンプにやってきました。しかし、この雨で、バスの中で、しばし待機...
バスの中では、先生がメンバーに向けて、説明を始めます。さて、どんな内容だったのでしょうか?スキー技術だけでなく、多岐に渡るもので、それを聞くメンバーも、その必要性に実感するものでした。
雨脚が少し収まった様子をみて、とりあえず、大雪渓に向けて出発します。屋内ゲレンデ施設は各所にありますが、滑走スペースなど限りがあり、国内で雪上トレーニングできる場所は、乗鞍大雪渓以外は現実的にはほとんどないといってもよいでしょう。
ですから、貴重な雪上の感覚を失わないようにするには、雨に降られてもしょうがありません。
さて、乗鞍一帯はツキノワグマの生息地でありますが、ベニバナイチゴやクロマメノキ、クロウスゴといった高山植物の実が熟すようになると、それを求めて、ツキノワグマの姿に遭遇することがあります。冬眠に向けて、脂肪を蓄える必要があり、ミズナラなど山麓のどんぐりができるまでは、頻繁に出没することが予測されます。
体の大きな動物ですので、ハイマツなどの茂みに隠れてしまっても、ミシミシと枝を圧し折る音がしますので、周囲の状況に注意していれば、その行動位置がある程度推測できますので、近づかないように、人間側が行動しなければなりません。
熊を害獣とする見方もありますが、もともとの生息域に人間が押し寄せているのが実態で、人間サイドが防衛することが必要です。
そして、大雪渓周辺でクマが出没したことから、念のため、腰には熊鈴(くますず)をぶら下がっています。突然、鉢合わせにならない限り、被害にあうことはないと考えられますので、ラジオの音声や熊鈴の音で、自分の存在を知らせるようにするように対策をとってください。
【雪渓下部 T】
ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2010ノリクラ 雪渓カレンダーVol.16(2010/08/27〜28) A ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2011/08/18〜19) A ↓ |
こちらの三枚の画像は雪渓下部の全容を撮影したもの。先週と比べると左寄りの箇所はあまり変化はありませんが、右寄り部分は雪解けが進んでいる様子が見られます。また、昨年の画像と比べると、ほぼ昨年並みということがわかります。
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昨年の大雪渓入口 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2010/08/27〜28) A |
今週の大雪渓入口 ほぼ昨年並み |
こちらの画像は、雪渓下端から入口方面を撮影したもの。雪渓下端から大雪渓入口まで距離は73メートルで、昨年は76メートルでしたので、ほぼ、昨年並みです。
下端部分にはは車道沿いの入口付近より一段上に上がった帯状に広がる平坦な岩場があり、その横幅は約20メートルで、先週からあまり変わりはありません。昨年は26メートルでしたので、こちらに関しては、雪解けがやや遅くなっています。
スキーヤー専用道 − ウラジロナナカマド | 先週とほとんど変わりありません |
こちらはスキーヤー専用道のウラジロナナカマド。実の様子は先週とほとんど変わりありません。また、葉のほうも色合いに変化は見られません。ほぼ昨年並みの推移を続けています。
登山道入口 | 車道との幅は50メートル − 昨年並み |
大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。登山道付近の雪渓と車道との幅は50メートルほどで、昨年53メートルとほぼ同じです。
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昨年の登山道入口付近 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2010/08/27〜28) A |
今週の登山道入口付近 昨年よりやや多い積雪 |
登山道入口付近から雪渓下部の右端部分の様子を見ると、若干ですが、今年のほうが積雪量が多いように見られます。微妙に雪解けスピードが減少していることがわかります。
今週の雪渓下部の大きさは、先週の長さ42メートル×横幅42メートルから、長さ38メートル×横幅27メートルと、縦方向の減少が目立ちます。
先週までは、モーグルコースの跡がかろうじて見られましたが、今週はご覧のように、どこにあるのかわからないほどの状況で、雪渓下部は、全体的に、ほぼ昨年並みの状況です。昨年と同じ推移を続けるとすれば、二週間後には、雪解けが完了することとなります。(→ Next)
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