ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2011/08/25〜27) D
【雪渓上部 V − レーシングキャンプ】
それでは、夏休み最後のレーシングキャンプの様子をお伝えします。
大雪渓入口を出発した時点では、雨は小康状態でしたが、再びまとまった降り方となって、メンバー全員がずぶ濡れの状態で、練習を続けます。
先週までは雪渓上部右側のバーンで練習していましたが、滑走エリアが狭くなってきたことから、雪渓上部左側で練習が行われました。滑走するレーンは、先週までコブがありました。しかし、雪解けで、コブの形状は完全になくなり、フラットなラインが白く残り、練習には好都合な状態です。
しかし、雪渓上部右側と異なり、傾斜が30度と急斜面であることもあって、メンバーの様子もちょっと怪訝そうな様子。
この急斜面でも足元はスニーカー | 足裏感覚が重要です |
「たしかにこれだけの斜度があれば、モーグルの人たちがやってくるのもわかりますねぇ〜」と、おっしゃります。この天候ですが、バーン表面は、それほど硬くなく、比較的滑走しやすいコンディションです。
「ローラーブレードやプラスノーといったもので練習しても、やはり摩擦係数が異なるため、雪上での練習は重要なんですよ...」、今日のような悪天候でも、練習を続ける意味はそんなところにあります。
画像をよくご覧いただくと、先生の足元はスニーカー。いくらバーン表面が硬くないといっても、スリップしやすい状態には変わらず、しっかりとした足裏感覚がないと、登ることのできる状態ではありません。
スキーに一番近い部分は足裏。どの運動でも力点に近いところを効率よく稼動させることがポイント。
今日の練習も下半身の稼動にポイントを置いて行われました。
一向に降る止まない雨...合羽を着ていてもほとんど役に立たない状態。実際には合羽などの装備を整えることに加えて、「雨に濡れない工夫」が必要です。
いくらどんなに「雨に降られ」ても、「雨に濡れない」ようにすれば、結構、長時間にわたって集中力が持続するものです。
今シーズンのノリクラでの雪上トレーニングは今回で終了。スニーカーで雪上を器用に歩く先生は、ブーツを脱いで帰り支度をするメンバーに、「一度、スニーカーで雪の上を歩いてみろ!スキー以上に足裏の感覚が養われるぞ!」
靴底のエッジを立てて、足裏を雪面に吸い付かせるように歩く様子は、硬いブーツ底よりも、はっきりと雪面がとらえられることでしょう。
ジュニアの育成に熱心な様子は、将来のスキー界の状況を見据えての取り組み。そんな一歩も二歩も先を見てリードしていてくれていることに、各メンバーが、本当に気づいた時は、本当に成長したときかもしれません。
来年は、それぞれのメンバーがさらに成長した姿になっていることを期待し、このノリクラで再会できることを楽しみにしております。
【昨年の今ごろは?】
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8月27日(金)は、朝から快晴を迎えます。この快晴の天候のため、9時過ぎには山麓から雲が湧きあがり、その後の大雪渓付近はほぼ曇の天候となります。そのため、気温の上昇も抑えられて、過ごし易い一日となりました。ただ、連日のようにクマの出没・目撃情報があって、この日も宝徳霊神バス停付近で二回も情報が寄せられたほどでした。また、お越しになるスキーヤーの方は、平日ということもあってまばらですが、それぞれ雪渓上部左側・右側に数名程度いらっしゃいました。
夕方近くになって、天候は安定してきて、大雪渓エリアにも時折日差しがさすようになってきたものの、18時ごろになると雷鳴が轟き、ノリクラの山肌にも幾筋かの稲妻が走り、雨が降り始めました。
8月28日(土)も、朝から快晴となり、昨日とほぼ同じような天候を推移します。強い日差しで山麓から周期的に雲が湧き上がり、夏山の天候のシナリオが始まります。それでも空の青さは昨日以上で、雪渓を吹き抜ける風に心地よさを感じさせてくれます。
午後からは全日本マウンテンサイクリングin乗鞍の大会受付模様の取材のため、観光センターに出向きました。灼熱の太陽の降り注ぐ大会会場には13時の受付開始と同時に、多くの選手がカテゴリーごとにゼッケンや計測チップを受け取る長い列ができ、受付を済ませた方々が、出店ブースを回ったり、選手同士で団欒する様子が夕方まで続きました。
<編集後記>
2ページ目のコーナーで、雨が上がるのを待つバスの車内では、メンバーたちにスキー技術以外、多岐に渡る話をするという場面を紹介いたしました。
その内容は、メンバーが属するスキー部をいかに運営して行くかというもの。地域とのかかわりから、部の運営費の捻出といったところまで、スキーを継続して行くための、いわば「生活の基盤」ともいえるような話でした。
自分たちの活動を、周辺の人々に認知してもらい、協力してもらうか...おそらく、スキーに限らず、あらゆるスポーツで同じような悩み、もしくは、問題を抱えていることと思います。そんな課題に早いうちから取り組んで行って、自らで基盤づくりを体得することが重要であると、強調されていました。話を聞いていると、それは子供だから必要というものではなく、大人であっても、また、ジャンルが異なっていても、普遍的に必要なものであることがわかります。
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