ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2012/04/14) @
ことごとく悪天候に見舞われる週末が続いています。今回もご多分に漏れず、生憎の天候の一日でした。そんな悪天候の連続でも、全く同じ状況が一つもないことも本当に驚きで、朝から夕方までの天候の変化を追い続けて行くと、やはり季節感を感じさせるものです。
4月8日(日)でMt.乗鞍のリフト営業が終了したため、今回は山麓の休暇村からゲレンデ内を歩いてツアーコース入口に向かう必要があります。
例年、リフト営業が終了する4月上旬から、県道乗鞍岳線の休暇村ゲート〜三本滝ゲート間の冬季閉鎖が解除される4月下旬までの間は、長距離の登行を強いられるため、お越しになる方が少なくなる端境期となります。さらに今週はそれに加えてこの悪天候...そのため、数えるほどの方しかお越しになりませんでした。
明け方は雨だったものの、7時過ぎから牡丹雪に変わります。それでもアウターに付着すればベタベタに濡れてしまう状況で、気温は0℃前後と高めの状態ですから、アウターを着ていると暑さを覚えるほど。しかし、雨とほとんど同じような湿雪が降り続く中では、アウターを脱ぐわけにも行かず、汗だくになりながら長距離の登行を強いられます。
今年は、シーズン終盤になってまとまった降雪に見舞われたため、休暇村ゲレンデ、かもしかゲレンデともに地肌やブッシュが見えているところは全くなく、そのままゲレンデ営業を再開しても問題ないほどでした。また、4月19日(木)に三本滝ゲートまで通行可能となることから、三本滝レストハウスでは駐車場の除雪が急ピッチに進められ、次週末にはツアーコースに向かうスキーヤー・ボーダーの方がマイカーでたくさんお越しになることが予測されます。
終日、雪が続きますが乾いた雪にはならず、下山滑走では斜度の緩いところでは、滑走面に雪が張り付き、全く滑らない状態でした。
今回の雪渓カレンダーは登場人物の少なく、いささか寂しいものですが、ゲレンデシーズンが終了し、閑散期を迎えたツアーコースのありのままの姿をお伝えします。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【4月7日(土)、観光センター前駐車場】
こちらは朝7時30分の観光センター前駐車場。
今日は天気予報ではほぼ終日雨となっています。予報どおり4時ごろから降り始め、5時ごろからまとまった雨脚となってきました。そして、6時ごろからには雨から雪へと変わって来ます。気温は0℃と高く、この一時間で1センチ程度の降り方です。
湿った着雪性の高い雪ですから、わずか一時間程度しか立っていないにもかかわらず、屋根などはどこも白くなり始めています。
ただ、路面が白くなるほどの状況ではありません。
周囲の木々を良く見るとうっすらと白くなり始めている様子もあり、少しばかり冬に逆戻りの光景が見られます。
松本市街地では、日中は窓を閉め切ると車内は蒸し暑さを感じるほどで、すでに夏タイヤに履き替えた方も多いのではないかと思います。時間とともに次第にまとまった降り方となってきて、履き替えてしまった夏タイヤに、タイヤチェーンを装着する様子も見られます。
特に白骨温泉方面に向かう場合は、乗鞍高原よりも積雪凍結になる可能性が、夏タイヤに履き替えてしまった場合は、タイヤチェーンの携行が必要と考えられます。
4月中旬とはいえ、ノリクラはまだまだ冬の表情を見せます。ノリクラに本格的な春の訪れを感じられるようになるには、半月から一ヶ月ほど先のことと考えられます。
これからゴールデンウィークを迎え、乗鞍高原にも多くの方が訪れるようになることと思います。天候が良い場合、日中は薄着でも問題ない気候ですが、朝晩や天候の悪い日はまだまだ冷え込みますので、冬物のウェアを携行することをお勧めします。
そして、ゴールデンウィークには春山バスの運行が始まります。これまでの春山バスは、春スキーで訪れるスキーヤー・ボーダーの方が大半を占めていましたが、、近年は一般観光客の方の利用も増えています。今年(2012年)の春山バスは4月28日(土)から運行が予定されています。春山バスが到達する標高2350mの位ヶ原山荘は、まだ冬の季節が続いています。一般観光客の方とは言えども、急な天候の変化に対応できるように、合羽や防寒着は必須です。
春山バスの運行などについては、3月29日付のお知らせ 「2012シーズン 乗鞍高原〜位ヶ原山荘(大雪渓)行きの春山バス運行について」をご覧ください。
【休暇村】
こちらは観光センターから2kmほどのところにある休暇村。
標高は観光センターより100メートルほど高いこともあって、路面はうっすらと白くなり始め、全体的にシャーベット状態になり始めました。
国道158号線の前川渡(まえかわど)交差点から分岐して乗鞍高原にやってくる県道乗鞍岳線は、冬季は休暇村までしか通行することができず、除雪もちょうどこの付近までしか行われません。そのため、この先は完全に雪に埋まった状態でした。しかし、スキー場(Mt.乗鞍)の営業が終了すると、雪に閉ざされていたこの先の道路も除雪が始まります。
道路の除雪が進む | 休暇村ゲート − この先は除雪中 |
県道乗鞍岳線には三箇所のゲートがあります。こちらは先ほどの地点から100メートルほどのところにある休暇村ゲート。乗鞍高原から県境までに設置されている三箇所のゲートのうち、一番山麓側のゲートです。
二番目のゲートはここから3.5km先にある三本滝ゲートで、休暇村ゲート〜三本滝ゲート区間は、4月19日(木)11時に冬季閉鎖が解除されて、マイカー通行できるようになります。そのため、休暇村ゲートから三本滝ゲートまでは、除雪がほぼ完了しています。
4月19日以降は三本滝ゲートまでマイカーで向かうことができますから、次週末のツアーコースへのアクセスは、三本滝ゲート隣にある三本滝レストハウス駐車場にマイカーを駐車して、かもしかゲレンデからスタートすることになり、今週よりも歩く距離が短くなります。
休暇村駐車場 | 生憎の天気に訪れる方がほとんどいない |
さて、今回はリフト運行が先週終了して、県道乗鞍岳線の冬季閉鎖が来週解除される端境期ですから、ツアーコースのアクセスは休暇村ゲレンデから全山歩かなければなりません。今週はツアーコースのオンシーズンの中で、最も長距離登行を強いられる事となります。それに加えて生憎のこの天候ですから、休暇村駐車場は訪れる方は皆無...
それでも、お越しになった常連の方は、合羽に作業用の防寒ゴム手袋を装着して、万全の防水対策を整えながら出発の準備を行っています。
人気の全く無いこの状況に「速報に私以外の方が掲載できるといいですねぇ〜(笑)」と、おっしゃってくださいます。「この天気に加えて、山麓から全山歩くとなれば、お越しになる方も少ないのも当然ですね。でも、休暇村から歩くのに慣れてしまえば、さほど苦痛ではありませんけどね...」
確かに「慣れ」というものは、精神的な苦痛を和らげるもので、ツアーコース全行程の距離・標高差から考えれば、たいしたことないかもしれません。しかし、「ゲレンデをベースからトップまで全部登る」と考えると、やはり気が引ける状況かと考えられます。
8時の休暇村ゲレンデの気温は0℃。霙に近い湿雪が降り続く中を出発します。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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