ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2012/04/21) @
週末ごとに悪天候が続きましたが、今回は久々に良い天気に恵まれました。しかも、薄着でもうだるような暑さとなった気候には、体のほうが悲鳴を上げてしまうほど...厳冬期に差し掛かる初冬の時期に体が寒さに順応していないのと同じく、ちょっとした暑さでも体が慣れてなく、真夏のように汗の噴出す一日でした。
先週は標高1600メートルの休暇村ゲレンデから出発しましたが、県道乗鞍岳線の休暇村ゲートから三本滝ゲートまでの3.5kmの区間で冬季閉鎖が解除され、今回から標高1800メートルのかもしかゲレンデからの出発となり、先週よりは少しばかり楽にアクセスできるようになりました。
この天候ですから、ツアーコースも位ヶ原も全山に渡って雪質は緩み、斜度の緩いところではスキーが止まってしまうほど...そして、いつもとは異なって吹き抜ける風は南寄り。南風でも今日の風は、火照った体をクールダウンさせてくれる心地の良いものです。その南風に乗って流れる雲もいつもとは方向が逆ですが、綿菓子ようなやわらかい雲が青空のキャンパスに変幻自在に穏やかに流れ行く様子が夕方まで続きました。
今回は訪れた大半の方が剣ヶ峰方面に向かったようで、剣ヶ峰〜蚕玉岳間の稜線からは多くの方が沢筋に滑り込み、まるでゲレンデ並みのシュプールが刻まれていて、稜線からの滑り込みができるようになって、本格的な春スキー到来といえるでしょう。
それでは久しぶりに青空の広がる雪渓カレンダーをお送りします。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【4月21日(土)、観光センター前駐車場】
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観光センター前駐車場 |
こちらは朝7時30分の観光センター前駐車場。
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快晴無風 − ノリクラの峰々が浮ぶ |
ここ最近は悪天候ばかり続いた週末でしたが、久々に快晴無風の青空にノリクラの峰々が浮かび上がる朝を迎えます。
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真冬のような白肌 |
ノリクラの峰々の良く見ると、いつもと変わらない美白な素肌にしっかりと朝日が当たっています。例年、この時期になると黄砂などの影響により、白肌はまだら模様になってしまいます。しかし、今年は3月下旬からまとまった降雪が相次いたため、厳冬期と同様の真っ白な様子が続いています。
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力強い朝日 − 早朝から暖かな陽気 |
4月下旬ともなると、5時前から明るくなってきます。力強い朝日には早朝から暖かさを感じさせ、6時の段階でマイナス1℃だった気温は、7時には3℃まで上昇します。
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除雪の雪山もかなり雪解け |
地面に日差しが降り注ぐ |
この力強い太陽の日差しを受けて、観光センター前駐車場の四隅にあった除雪で積み上げられた雪の山も、ご覧とおり残りわずかとなって来ました。そして、駐車場周辺の地面にもしっかりと日差しが降り注ぐようになりました。
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フキノトウ − 真っ先に芽吹く春の便り |
その地面を良く見ると、フキノトウが顔を出しています。雪解けとともに真っ先に芽吹く春の便りです。
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乗鞍自然保護センターの桜 − 芽吹きはまだまだ(例年5月中旬頃) |
松本城では数日前に桜が満開になったというニュースがありました。観光センター前駐車場の西隣にある乗鞍自然保護センターの桜には芽吹きの様子はまだありません。観光センターがある鈴蘭地区の標高は1450〜1500メートルで、松本城のある市街地の標高は580メートル前後ですから、1000メートル近くも標高差があります。そのため、同じ市内であっても、気候は全く異なるといっても良いでしょう。例年、乗鞍高原での桜の開花は5月中旬ごろです。
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スモモもまだ...(こちらも5月中旬頃) |
乗鞍高原一帯では、おそらく桜よりもスモモの方が数多く見られるのではないでしょうか?スモモの開花も5月中旬頃で、桜とほぼ同じ時期に咲きます。
戦国時代に武田信玄が開発したとされる大樋銀山(おおびぎんざん)が、画像の裏山に存在しました(坑道口などは現在ありません)。銀も産出されていたようですが、実際には鉄砲に使われる鉛の採掘が盛んだったようです。その頃はこの一帯は「金山平」と呼ばれ、かなりの繁栄が見られました。乗鞍高原にスモモがたくさん分布しているのは、大樋銀山に働く人夫が食用に持ち込んだスモモの食べ残しの種から増えていったと言い伝えられています。
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せせらぎの高まりは春の訪れ |
わさび沢のせせらぎが日に日に高らかに音を立てて流れる様子は、雪解けの進む春の光景です。
【県道乗鞍岳線 休暇村〜三本滝ゲート間、開通】
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休暇村 |
こちらは観光センターから2kmほどのところにある休暇村。
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休暇村ゲート冬季閉鎖解除 − 4月19日から三本滝ゲートまで通行可能に |
県道乗鞍岳線(エコーライン)は、冬の間、休暇村までしか通行することができません。そのため、先週は休暇村からツアーコースに向けて登って行かざるを得ませんでした。しかし、休暇村ゲートから3.5kmまでの区間の冬季閉鎖が4月19日(木)に解除され、三本滝ゲートまで通行できるようになりました。
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休暇村ゲート〜三本滝ゲート間 − 周辺には残雪 |
冬季閉鎖が解除されても、休暇村ゲート〜三本滝ゲート間は周辺に残雪の残る状況が続いています。
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雪解け水がしみでる − 夜間凍結注意 | 日陰には積雪箇所あり |
雪の壁は高いところで1メートル以上あり、日中の日差しを受けて、雪の壁から雪解け水が路面にしみだしています。この部分が夜間の冷え込みで凍結しますので、早朝の通行はスリップに注意する必要があります。また、日差しの少ない箇所では、右の画像のように積雪が残っています。
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カラマツ林 − 新芽 |
三本滝ゲートまではカラマツ林の中を走り抜けています。良く見ると木全体が明るい褐色(茶色)に変化してきている様子が見られます。枝の一つ一つに新芽が芽吹き、それが明るい色合いを醸しだしています。この先、徐々に明るい緑へと変化して行く様子が見られ、日に日に移り変わって行く新緑の季節は、見ていて飽きさせないものです。
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カラマツ林を抜けると、かもしかゲレンデが広がる |
カラマツ林を潜り抜け、目の前にかもしかゲレンデが広がると三本滝レストハウスはもうすぐです。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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