ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2012/05/19〜20) A
【かもしかゲレンデ】
春山バスを見送った後、かもしかゲレンデからツアーコース入口を目指します。
先週までは残雪が多く見られたかもしかゲレンデも、その大半が雪解けしてしまいました。そして、雪解けとともに現れるのはふきのとう。ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.5(2012/04/21) @ で、観光センター駐車場で芽吹いたふきのとうをご紹介したのは4月下旬のこと。それから一ヶ月以上経過して、かもしかゲレンデまで「ふきのとう前線」がやってきました。
4月下旬に観光センター駐車場でご紹介したふきのとうは、乗鞍高原内としてはかなり遅いほうで、周辺ではもっと早い時期に芽吹いいますから、同じ乗鞍高原といってもかなり幅広いことがわかります。
「今日はスキーを持参せずにやってきましたので、乗鞍高原周辺を散策したいと思います。」と、おっしゃるこちらの方。
「普段、乗鞍高原内を歩く機会ってなかなかないんですよ〜」...スキーヤーの方々は、ゲレンデやバックカントリーなどの滑走エリアに朝一番から入山して、その日の大半を滑走エリアで過ごすパターンが多く、乗鞍高原に興味があっても、散策する時間がなかなか取れないという状況が多いようです。
また、一日を半分に分けてスキーと散策を半日ずつということも、熱血スキーヤーにとってはなかなか現実的ではなく、一旦、スキーブーツを履いてしまうと、途中でやめられないというのがスキーヤーの性(さが)というものでしょう。
乗鞍高原内の散策ポイントなどについてお話していると、スキー板を三角形に背負ったスキーヤーがゲレンデを登ってきました。「今日は乗鞍岳春山バスの始発便に乗り遅れちゃったもので...」と、苦笑いしながら先を急ぎます。
おそらく、かもしかゲレンデから位ヶ原までツアーコースを歩いて行くよりも、三本滝11時発(観光センター10時45分発)の春山バス第2便に乗車されたほうが、早く到着できるはずです。しかし、そこはスキーヤーの心理として、いち早く行動したいという気持ちもあるのでしょう。そして、春山バスを利用せず、歩いてツアーコースを楽しむという気持ちの切り替え(余裕)も必要かもしれませんね。
こちらはかもしかゲレンデを横切る県道乗鞍岳線。
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先週の切り通し箇所 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) A |
今週の切り通し箇所 ほぼ雪解けが終わりました − 昨年より一週間遅い |
昨年は、先週の段階でほぼ完全に雪解けが終了しました。ちょうど今週はその状況とほぼ同じで、昨年より一週間遅い雪解けと言えるでしょう。
ゲレンデから車道を歩き、こちらは上部ゲレンデの入口に向かいます。
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昨年同時期より一週間早い上部ゲレンデ入口 2011 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) A |
今週の上部ゲレンデ入口 左の画像とほぼ同じ − 昨年よりも一週間遅い雪解け |
ヘアピンカーブを進んだ先にある上部ゲレンデの入口です。左の画像は昨年同時期よりも一週間早い時期のもの。今週とほぼ同じ様子が見られ、こちらでも昨年よりも一週間遅い雪解けであることがわかります。
【かもしかゲレンデからツアーコース入口へ】
かもしかゲレンデ上部 − もう雪はありません |
先週は、画像に写るかもしかゲレンデ上部エリアまで下山滑走ができる状況でしたが、ご覧とおり、もう滑走できるレベルの積雪はありません。例年、秋になるとゲレンデ内の草刈りが実施されるため、雪解けの終わったゲレンデでも、問題なく歩くことが可能です。
こちらはかもしかゲレンデの先にあるツアーコース入口。
ゲレンデ最上端からツアーコース入口にかけてはクマザサに覆われています。しかし、ツアーコース入口周辺は、昨年秋にクマザサの刈払いが行われましたので、かもしかゲレンデと同様に、こちらも歩きやすい状況です。
ただ、すべてのクマザサを刈払いされているわけではなく、もう少し上部に行くと、例年並みの人の背丈以上のクマザサが雪の下に隠れているはずです。
下山滑走はここまで − リフト降り場から200メートルの地点です |
取材した5月19日(土)の状況としては、下山滑走できるのはここまで。かもしかペアリフト山頂側降り場から200メートル登った付近までです。
昨年のツアーコース入口急斜面 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2011/05/21〜22) D ↓ |
先週のツアーコース入口急斜面 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2012/05/12〜15) A ↓ |
急斜面入口全景の様子から、先週よりも切り株が多くなっている様子がわかります。また、昨年と比べて、明らかに今年の積雪量が多いことがわかります。
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昨年同時期より一週間早いのツアーコース入口急斜面 =今週とほぼ同じ状況= 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) A |
昨年同時期のツアーコース入口急斜面 =おそらく次週末はこんな状況になる予測= 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2011/05/21〜22) D |
左の画像は昨年同時期より一週間早い時期の入口急斜面の様子。ちょうど今週と同じ積雪状況で、今年は昨年よりも一週間遅い雪解けであることがわかります。
このことから、次週末の入口急斜面は右の画像の昨年同時期と同じ状況になることが推測され、ツアーコースでの下山滑走はもう不可能であることがお分かりになるかと思います。
昨年同時期より一週間早いツアーコース入口急斜面 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) A ↓ |
先週のツアーコース入口急斜面 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2012/05/12〜15) A ↓ |
入口急斜面の切り株の様子を比較します。左上は昨年同時期より一週間早い時期のもので、ちょうど今週と同じ積雪状態が見られ、昨年よりも一週間遅い雪解けを示しています。また、右上の先週の画像と比べると、この一週間で50センチ程度の雪解けが見られたことがわかります。
ブッシュや切り株 | 高さ30〜50センチの枝打ち跡 |
雪解けとともに切り株が多くなってきて、それを避けながら下山滑走するわけですが、ブッシュにも気をつけなければなりません。昨年秋に部分的に刈払いが行われましたが、比較的、地面から高いところで枝打ちされているため、高さ30〜50センチの細い枝が残っています。
右の画像のようにしっかりと雪面に出てしまえばよくわかるものの、雪の中に潜んでいるものが多数あって、滑走時にはスキー板に干渉します。
取材中も、下山滑走中のスキーヤーが雪の中に潜んでいる枝打ち部分に足をとられて転倒する様子が続出し、転倒したはずみで切り株に衝突したり、枝打ちされて尖った先端で負傷することのないように注意が必要です。
昨年同時期より一週間早いのツアーコース入口急斜面 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) A ↓ |
先週のツアーコース入口急斜面 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2012/05/12〜15) A ↓ |
入口急斜面の上端付近にあるこちらのブッシュで比較しても、昨年より一週間遅い雪解けであることがわかります。
入口急斜面の上端付近は、地面が見えるようになって来ました。入口急斜面の中でもっとも早く雪解けが進むところで、特に右の画像の急斜面を登りきる部分では、積雪が途切れ始めていて、スキー板を一旦はずす必要が出てきました。
これから雪解けが進むと、入口急斜面は全面ブッシュに覆われます。人の背丈以上のブッシュに覆われてしまうと、全く身動きの取れない状態となります。ツアーコース全体の中で最も早く雪解けの進む入口急斜面の状況如何で、下山滑走の可否が決まってくるため、入口急斜面の雪解け状況が重要な情報となるわけです。
通常、ツアーコースの下山滑走は5月上旬から中旬ごろまでで、次週末は下山滑走は困難ですが、今後もツアーコースの状況を、取材当日にお届けする速報の中にある「ツアーコースの状況」のコーナーや、取材日の週末にお届けする雪渓カレンダーで掲載して行きますので、ご参考になさってください(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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