ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.2(2012/05/19〜20) C

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(Update:2012/05/24)

 

【ツアーコース U − 位ヶ原急斜面】

ツアーコース − 位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンとなってきます。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2011ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2011/05/21〜22) D
先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) C

今週の位ヶ原急斜面
先週より40センチ減少、昨年より1メートル多い

位ヶ原急斜面の積雪は先週より40センチ少なく、昨年と比べて1メートル多い状況です。

 

先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) C
今週の位ヶ原急斜面

こちらは先週と同一箇所のブッシュの様子です。この画像では雪解けの状況を示していますが、画像の周囲でも雪の中からブッシュがワサッと音を立てて起き上がる様子が見られます。

 

ほぼ全面新雪に覆われる − 汚れた春雪の上に10センチの新雪の層

バーン表面は、先日の新雪でほぼ全面覆われています。その積雪量は10センチほど。この降雪で乗鞍スカイラインは連日通行止めが続いています。乗鞍スカイラインでは10kmポスト付近で10センチの積雪が見られました。乗鞍スカイラインの10kmポストは四ッ岳カーブ手前付近にあり、標高は約2400メートルです。ちょうど、位ヶ原急斜面と同じ標高で、積雪量に相関が見られます。

 

湿潤したベタベタの新雪 − 滑走に苦労する

新雪とはいってもベタベタの湿雪ですから、滑走にはかなり苦労を強いられるもの...今回も足をとられながらゆっくり降りてくるスキーヤーの様子が見られました。

 

【位ヶ原】

位ヶ原

ツアーコース位ヶ原急斜面を登りきって森林限界を超えると、位ヶ原の台地に到達します。この先は極端に木々が少なくなり、目標物がなくなってきます。

 

気温14℃ − 穏やかな雪原で休憩

この日の位ヶ原の気温は14℃。穏やかな雪原で休憩されている方々があちこちにあります。5月になっても気温が10℃を超える日はまだ多くありません。日差しの暖かさ・力強さは暦どおりでも、ここに存在する空気が暖かいものに置き換わるには、三寒四温を何度か繰り返さないといけないようです。

 

先週の位ヶ原7号カーブ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) C
今週の位ヶ原7号カーブ
50センチの雪解け

こちらは位ヶ原7号カーブの様子。先週よりも50センチ程度雪解けが進んでいます。

ハイマツが姿を現す ハイマツが自生できるのは日本の高山の特有な気候による

この雪解けにより、位ヶ原一帯では、ハイマツが姿を現し始めました。日本の高山帯にハイマツが分布するのは、厳冬期に大量の降雪に見舞われて、降り積もった雪にハイマツがとざされて保護されるからです。

このハイマツが日本の高山に美しい緑のベールを作り出し、西洋の高山とは異なった趣を表現しています。

 

県道乗鞍岳線の除雪

先週もお伝えしたように、位ヶ原一帯では県道乗鞍岳線の除雪が進んでいます。

 

切り通し箇所を横断するスキーヤー

そのため、山頂方面から位ヶ原に滑り降りてツアーコース方面に戻ろうとすると、除雪の切り通し箇所を横断しなければなりません。摩利支天岳や屋根板方面からツアーコースに戻る際には、切り通し箇所を横断するしか方法はありませんが、剣ヶ峰方面からの場合は、4号カーブの南側までトラバースし、そこから、7号カーブ方面に東へ滑り込んでからツアーコースに戻るルートがスムーズでしょう。

県道乗鞍岳線のカーブ番号は山頂方面から順番に付与されています。5月19日に ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 を掲載いたしましたので、一度、下山ルートをご確認ください。

また、カーブ番号で道路上の位置が特定できるため、春山だけでなく、夏の登山やヒルクライム、そして、紅葉撮影などでノリクラに頻繁にお越しになる方は、ある程度把握されていたほうがメリットが大きいでしょう。

 


■ 県道乗鞍岳線 カーブ番号 ■
   (参照 → ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版

<エリア別>
・ 1〜4号 : 県境・大雪渓付近(標高2700〜2600メートル)
・ 5〜11号 : 位ヶ原一帯(標高2600〜2500メートル)
・ 15〜21号 : 位ヶ原山荘〜冷泉小屋(標高2400〜2200メートル)
・ 29〜33号 : 摩利支天付近(標高2000メートル)

<主だったカーブ番号>
・ 2号カーブ : 富士見沢
・ 3号カーブ : 摩利支天岳東斜面 (紅葉を見下ろすビューポイント
・ 4号カーブ : 通称「大カーブ」と呼ばれ、県道乗鞍岳線でもっとも雪の壁の高いヘアピンカーブ(春山バスの車窓は絶景)
・ 5号カーブ : 宝徳霊神バス停(紅葉の絶景ポイントの入口)
・ 7号カーブ : 位ヶ原お花畑
・ 11号カーブ : ツアーコース位ヶ原急斜面の上端
・ 32号カーブ : 摩利支天バス停

岐阜県側の乗鞍スカイラインは平湯峠ゲートを基点にキロポストで位置表示をしています。こちらについては、また別の機会にお伝えします。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2011/05/21〜22) C
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) C

今週の大雪渓入口
過去5年間と比べてももっとも多い積雪

こちらは大雪渓入口付近。左上の画像が昨年の様子、右上の画像は先週の様子、下の画像は今週の様子です。先週から40センチ程度の雪解けです。昨年よりも積雪量が多いことは一目瞭然ですが、過去5年間と比べてももっとも多い状態です。

 

手前にスキーヤー専用道と
登山道を示す標識

雪解けとともに大雪渓入口周辺の別の標識も姿を現し始めました。こちらはスキーヤー専用道と登山道を示す標識です。

 

一昨年の同時期のスキーヤー専用道と登山道を示す標識
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) C

こちらは一昨年の同時期の様子。スキーヤー専用道と登山道を示す標識はご覧のようなものです。夏の大雪渓にお越しの方は、見覚えのある標識だと思います。

 

トイレ小屋付近 トイレ手前の駐車スペース

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。トイレ手前の駐車スペースも姿を現し始めました。

 

トイレ小屋と避難小屋 トイレが使用できるのは当分先のこと

トイレ小屋はご覧のようにまだ雪に閉ざされた状態。例年、春山バスが大雪渓まで区間延長される6月はじめには、トイレが使用できる状態まで雪解けが進みますが、このまま雪解けが進まなければ、今年はトイレ周辺の除雪が必要かもしれません。

 

県道乗鞍岳線の除雪 先日の降雪は多い所で20センチの積雪

そして、県道乗鞍岳線の除雪は、先頭部分が大雪渓駐車場まで達し、取材時点では、さらにその先の3号カーブまで到達していました。今年は例年よりも早い進捗で除雪作業が進められています。

しかし、先日の降雪で除雪部分は再び積雪に見舞われ、多いところでは20センチの新雪が積もっています。

 

モーグルコースの岩が現れる − ほぼ例年並みの雪解け

大雪渓の中で最初に出現する岩があります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

昨年も同時期に現れ始めました。2010年は6月に入ってから見られ、2009年は同時期、2008年は一週間後でしたので、ほぼ、例年並みといえるでしょう。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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