ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2012/05/26〜27) B
【肩の小屋】
ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。
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昨年の肩の小屋周辺 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2011/05/28〜29) B |
今週の肩の小屋周辺 2008年以降では最も多い積雪量 |
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昨年の肩の小屋東側 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2011/05/28〜29) B |
今週の肩の小屋東側 2008年以降では最も多い積雪量 |
昨年は例年よりも積雪量が少なかったため、肩の小屋周辺は昨年よりも明らかに積雪量の多い状態が見られます。また、例年と比べても多い状況で、2008年以降では最も多い積雪量を示しています。
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昨年の肩の小屋西側 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2011/05/28〜29) B |
今週の肩の小屋西側 2008年以降では最も多い積雪量 |
西側の屋根周辺の積雪も、昨年とは大きな開きがあります。前述の東側部分と同様、例年よりも積雪量が多く、2008年以降の同時期には、すでに窓の一部が見える状態まで雪解けが進んでいました。
【稜線へ】
それでは肩の小屋から稜線目指して出発です。
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先週の肩の小屋〜山頂の登山道入口 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2012/05/19〜20) E |
今週の肩の小屋〜山頂の登山道入口 積雪量がほとんど変わらない−2008年以降最も多い積雪量 |
こちらは肩の小屋から山頂方面に向かう登山道。しかし、登山道が姿を現しているのは画像に写る肩の小屋から登り始めた入口部分だけ。そして、先週と比べるとほとんど雪解けが進んでいないことがわかります。
2008年以降、最も積雪量が多い様子を見せています。
ハイマツ帯と積雪部分の境目 | 三本指の跡 − 雷鳥の足跡 |
ハイマツ帯と積雪部分の境目をよく見てみます。朝日岳方面へ登るツボ足の横には三本指の跡があります。こちらは雷鳥の足跡。人間の歩くすぐ横で雷鳥が活動しています。
雷鳥の生息域であるハイマツ帯も昨日の降雪で再び冠雪しています。この付近の積雪量は5〜10センチ程度です。
稜線に向けてしばらく登ると眼下には摩利支天岳を望むことができます。こちらも2008年以降最も多い積雪量です。
【稜線】
こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。
大雪渓方面への滑走エリア | 蚕玉岳方面の尾根 − 昨年より二週間以上遅い雪解け |
左の画像は大雪渓方面へ滑り込む箇所。今後、雪解けが進み、大雪渓上端に接続する部分に岩場が出てバーンが途切れてくると、滑走できなくなります(画像の左下付近です)。例年、6月中旬〜下旬まで滑走可能です。
右の画像の蚕玉岳方面の尾根、地面の露出状況は先週とほとんど変わりありません。昨年より二週間以上遅い雪解けで、この箇所でもっとも積雪が多かった2010年並みの状況です。
時刻は11時頃。乗鞍岳春山バスで位ヶ原山荘を降り立ったスキーヤー・ボーダーの方々が一斉に稜線へと向かう様子が見られます。多くの方は、春山バスが位ヶ原山荘に到着してから約2〜3時間ほどで稜線まで到達されているようです。
大雪渓方面から稜線に向かうルートはいくつかありますが、肩の小屋へ迂回して登山道上を進むか、先ほどの画像で多くの方が登って来た大雪渓から蚕玉岳〜朝日岳稜線に上るルートが一般的です。
画像の蚕玉岳〜朝日岳稜線の左側には剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線があり、そちらの稜線に向かって登る方はあまり多くありません。剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線への沢筋はどちらかというと滑走がメインでしょう。また、剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線への登りは上端に向かうほど斜度が強くなり、登っても登ってもなかなかたどり着けない感覚があり、精神的にもかなり辛いものがあります。
蚕玉岳〜朝日岳稜線(朝日岳稜線)、剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線(蚕玉岳稜線)は、ノリクラガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版) をご確認ください。
途中で休みながらもようやく稜線に到着。登っている最中は後ろを振り返る余裕などありません。そして、ほっと息をついて振り返れば、これまで登ってきた広大な雪の斜面とその向こうには摩利支天岳・富士見岳といった乗鞍の峰々と、さらにその奥には穂高連峰など北アルプスの山並みが織り成しています。
そんな絶景をバックに皆さんで記念撮影です。
昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2011/05/28〜29) B ↓ |
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2012/05/19〜20) E ↓ |
こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年よりも明らかに多い積雪量で、他の箇所と同様に2008年以降で最も積雪量の多い状態です。
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先週の権現ヶ池 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2012/05/19〜20) E |
今週の権現ヶ池 2009年〜2011年より多く、2008年とほぼ同じ積雪量 |
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昨年の朝日岳 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2011/05/28〜29) B |
今週の朝日岳 2008年以降で最も多い積雪量 |
御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)は、2009年〜2011年より多く、2008年とほぼ同じ状態。下段の朝日岳は、昨年よりも積雪量は多く、2008年以降で最も多い積雪量です。
スキーでお越しになる方の多くはシールで登りますが、ボードの場合、ザックにボードを背負ってスノーシューで登るスタイルが大半です。でも、面積の広いボードを背負うとかなり風の影響を受けます。特に強風の吹きぬけることの多い稜線に到達すると尚のこと...
そんな状況など「我関せず...」とばかりに、穏やかな表情でやって来たのは、スプリットボードで登る常連の方。これに慣れてしまったら、板を担いで登る状況には戻れないかもしれませんね...(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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