ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.3(2012/05/26〜27) C

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(Update:2012/05/31)

 

【頂上小屋、稜線から越冬新酒の蔵出し】

こちらは剣ヶ峰山頂直下にある頂上小屋。

 

越冬新酒の運び出し

今日は小屋周辺の除雪とともに、ひと冬寝かせた越冬新酒の運び出しが行われました。

 

スノーボートで − 標高差約400メートル、距離約1km

剣ヶ峰山頂直下にある頂上小屋の標高は、山頂から40メートルほどしか変わらない標高2985メートル。ここから大雪渓駐車場のある標高2600メートル地点まで、標高差約400メートル、距離約1kmを運ぶ必要があります。

そこにスノーボードを引っ張ってきたボーダーの方が登ってきました。

 

1回に2箱しか積めません − 頂上小屋と大雪渓駐車場を何度も往復

スキー場などでスノーボードに負傷者を乗せて斜面を滑り降りるケースを見かけることがあるかと思います。それと同じ要領で降ろすわけです。今日はこれを何度も往復します。

 

急斜面を慎重に滑りおろす

今回は新雪が降り積もり、急斜面でもなかなかスノーボートが滑らない状況。30度を超える稜線からの斜面での作業はダイナミックでありますが、何度も登り返しての荷降ろしは、想像を絶するものがあります。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

先週の蚕玉岳山頂付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2012/05/19〜20) F
今週の蚕玉岳山頂付近
10センチ程度の雪解けしか見られない

先週と比べてかなり雪解けしているように見受けられます。しかし、実際には、10センチ程度の雪解けしか見られず、昨日の降雪で雪解けが抑えられている様子があります。

 

ノリクラの名物ガイド − いつでも「ハイテンション!!」

ノリクラ界隈では、おそらくこの男の存在を知らないモノはいないでしょう...真冬のツアーコースで、遥かかなたにいるにもかかわらず、すぐ近くにいると錯覚するほど大きな声で熱く語り続け、一緒に登るお客様をハイテンションにさせる名物ガイドです。「ノリクラでもっとも熱いオトコ」でしょう...

もちろん、お客様からのご要望があれば何度でもノリクラに登ってきます。しかし、「ノリクラでもっとも熱いオトコ」がやってきても、稜線上の積雪は当面なくなりませんので、ご安心ください...(笑)

 

稜線上 − シールを剥がして滑走準備

そして、稜線上では、シールを剥がして滑走の準備に取り掛かるスキーヤーのグループがいます。

 

準備完了!

正午の稜線の気温は8℃。高曇りの天候ですが、風はほとんどなく、春スキーや登山には暑くもなく寒くもないまずまずのコンディション。

 

急斜面に飛び込む

準備が整えば、後は斜面に飛び込んで行くだけ...

 

横幅140メートル以上 −大きなスケール感

剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線からの滑走は横幅140メートル以上あり、他の稜線と比べてスケール感が大きいところが特徴です。

 

積雪量の最も多かった2008年の位ヶ原
2008ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2008/05/31〜06/01) F
今週の位ヶ原
2008年を上回る積雪量
積雪量の最も多かった2008年の剣ヶ峰直下の岩
2008ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2008/05/31〜06/01) F
今週の剣ヶ峰直下の岩
2008年に次ぐ積雪量

上段は稜線から滑り降りたところから見る位ヶ原。二週間前は全くハイマツの存在がわかりませんでした。先週あたりから少しずつ増えてきて、今週は沢筋の位置がしっかりとわかるようになって来ました。このエリアでも例年よりも積雪量は多く、2008年以降もっとも多い状態です。

下段の剣ヶ峰直下の岩付近も積雪量が多い状態です。2008年以降では2010年に次ぐ状態です。

 

3分の1地点 分断箇所(斜面から緩斜面へ)

稜線から県道乗鞍岳線との合流地点までの区間を3分の1程度滑走したところ。急斜面から緩斜面に変化する部分です。雪解けが進んで6月中下旬ごろになるとこの付近は左右から岩場やハイマツ帯が延びて来て滑走エリアが上部と下部に分断されて滑走できなくなります。

今週はどのエリアでも雪解けが遅く、ほとんど先週と変わらない状態です。

 

新雪5センチに覆われる − プチパウダーを楽しむ

昨日の降雪で汚れた春雪をすべて覆い隠しています。新雪は5センチ程度しか降り積もっていませんが、プチパウダーといった感じで、新雪の柔らかさを楽しむことができました。

先週も新雪が降りましたが、そのときは湿雪でスキー板の滑走面にべったりと張り付く滑走性が非常に悪いストップスノーでした。今週の新雪は比較的乾いた感触で、おそらく今シーズン最後の新雪での滑走であると考えられます。

 

緩斜面付近の左右のハイマツ帯 − 滑走ルートがはっきりしてきた

稜線から沢筋へと滑り込んで行くこのルートは、終盤の緩斜面付近は左右をハイマツ帯に囲まれるようになってきます。そのハイマツ帯は先週よりもはっきりとして、滑走すべきルートをガイドしてくれます。

 

全景 − 例年よりも一週間から二週間遅い雪解け

それでもハイマツ帯の高さはまだ膝から腰程度のもの。全体的に見て、例年よりも一週間から二週間遅い雪解けです。

 

県道乗鞍岳線

稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。本日より乗鞍岳春山バスが大雪渓・肩の小屋口バス停まで延長運行開始となり、バス1台分の幅の除雪が完了しています。

 

切り通しは4.4メートル
2008年以降で最も多い積雪量

切り通しの高さは4.4メートル。2011年は3メートル、2010年は3〜4メートル、2009年はまだ除雪が完了してないため測定できず、2008年は4〜5メートルです。これまで最も多かった2008年よりも今週の方がハイマツの背丈が低いため、おそらく2008年以降で最も積雪の多いことがわかります。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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