ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.5(2012/06/09〜10) A
【畳平に到着】
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気温4℃ − 濃霧・雨 |
シャトルバス始発便の到着した8時前の畳平の気温は4℃。ご覧のとおり、濃霧と雨が続いています。
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こんな天候だからこそ、雷鳥の撮影に |
シャトルバスを降り立ったこちらの方。肩にはカメラを携えてお越しになりました。わざわざこんな天候の日に朝早くからお越しになっているのかというと、今日の目的は雷鳥の撮影...
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「ちょっとお見せしたいものが...」 − 乗鞍環境パトロールは屋内の待合所へ案内する |
「今日の目的は...」というよりも「今日の目的も...」といったほうが正しいようで、乗鞍環境パトロールの方とも顔なじみ。「ちょっとお見せしたいものがあるんですよ...」と、乗鞍環境パトロールの方にバスバーミナルの待合所へ案内されると...
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待合所一角に「乗鞍畳平の自然情報」 |
バスターミナルの待合所の一角に乗鞍環境パトロールが作成する「乗鞍畳平の自然情報」というコーナーが作られています。ここには雷鳥の情報をはじめ、畳平や乗鞍スカイライン周辺の自然環境や気象観測に関する情報が随時更新されています。
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乗鞍畳平の自然情報 − 乗鞍環境パトロールの手作りです |
ご覧のとおり、手作り感たっぷりの掲示です。また、右の画像のように、乗鞍スカイライン周辺を中心とした野生生物の目撃情報も掲示されています。イノシシ・サル・シカなど里山の野生生物の侵入による高山植物の食害、テンなどの肉食動物による雷鳥への被害が懸念されています。里山動物の高山帯への侵入の要因には、温暖化や里山の荒廃などがあり、高山帯以外の要因で高山帯が脅かされていることが問題です。
こちらに掲示されている「乗鞍畳平の自然情報」、シャトルバスの待合時間などを利用してご覧になってはいかがでしょうか?
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ノリクラに入山するすべての方が自然環境に関心を持つ必要があります |
最も人間そのものも里山からの侵入者であることは間違いありません。でも人間はそれを認識して行動することができる生物ですから、ノリクラにやってくる方は、観光客であろうとも、スキーヤー・ボーダーであろうとも、それを理解した行動に努めるべきでしょう。
【畳平周辺、今日は雷鳥日和】
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不動岳 − 2010年に次ぐ積雪量 | 鶴ヶ池 − 2007年以降最も多い積雪量 |
ここからは畳平周辺及び畳平から肩の小屋方面へ向かう道路周辺の様子をお伝えします。今回は二日間とも濃霧に包まれている時間帯が長く、撮影ポイントに四回も出直しましたが、霧が抜けるタイミングにめぐり合えず、不鮮明なものばかりですがご了承ください。
左の画像は畳平の南にある不動岳。そして、右の画像は、畳平の東にある鶴ヶ池。不動岳は2010年に次ぐ積雪量、そして、鶴ヶ池は2007年以降もっとも多い積雪量を示しています。
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人気のない肩の小屋へ専用道 | 通り行くのは雷鳥だけ... |
今日の肩の小屋への専用道を歩く人はほとんどいません。そして、濃霧と雨の降り続くこんなに日で出歩くのは雷鳥のみ...
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今はツガイ形成の大切な時期 − メス:左、オス:右 |
この時期になるとツガイを形成する雷鳥は、雄と雌が一緒に行動する様子が見られます。左の画像がメスで、右の画像がオスです。ご覧のように羽の色・模様にも違いがありますが、眼の上にある赤い肉冠がオスのほうが発達しています。
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カメラを取り出して... |
人通りが多くなるハイシーズンはなかなか姿を現しません。たまたま通りかかった登山の方もカメラのファインダーから目が離せません。
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お花畑 − 谷底には岩場や地面が見え始めてきた |
こちらは畳平の南側のお花畑。左斜面は不動岳の山肌で右斜面の恵比寿岳の山肌です。二つの山肌の谷底がお花畑で、今週は少し雪解けが目立つ状況で、谷底には岩場や地面が見え始めてきました。
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2011年のお花畑 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) A |
2010年のお花畑 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) A |
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2009年のお花畑 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) A |
2008年のお花畑 2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2008/06/14〜15) A |
=過去4年間と比べて、今週は2010年とほぼ同じ、2009年・2008年よりも少ない= |
こちらは2010年〜2008年までの過去4年間の同じ時期のお花畑の様子です。
先週の段階では2009年以降で最も多い積雪量でしたが、今週は2010年とほぼ同じで、2009年・2008年よりも少ない状況がわかります。
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雨・濃霧が続く − 今日はヒトの数より雷鳥のほうが多い |
雨は一向に収まる気配はありません。視界は50〜100メートルほど。今日は明らかにヒトの数よりも雷鳥の数のほうが多い状況でした。
【肩の小屋へ】
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肩の小屋・コロナ観測所 分岐点 |
畳平から専用道を1.2km進んで、肩の小屋・コロナ観測所分岐点に到着します。正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。先週と同様、2007年以降の過去5年間で最も多い積雪量です。
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雪の壁 − この一週間の雪解けは50センチほど |
肩の小屋に続く専用道は高さ3メートル程度の雪の壁。右の画像では二つの看板がありますが、先週は上の看板の柱の頭しか見えていませんでしたので、この一週間の雪解けは50センチ程度あることがわかります。
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大雪渓 − 2007年とほぼ同じ積雪量 | 位ヶ原 − 2007年とほぼ同じ積雪量 |
分岐点に差し掛かると剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の各稜線から大雪渓や位ヶ原方面まで展望が一気に開けます。この一週間でハイマツの面積が多くなってきました。先週は2007年以降最も積雪量の多い状態でしたが、今週は2007年とほぼ同じ積雪量であることが推測されます。
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2007年の大雪渓(同一週の一週間前) 2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2007/06/02〜03) B |
2007年の位ヶ原(同一週の一週間前) 2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2007/06/02〜03) B |
=今週の積雪量は2007年とほぼ同じと推測= | |
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今週と積雪量が同じ時期の昨年の大雪渓 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) F |
今週と積雪量が同じ時期の昨年の位ヶ原 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) F |
=今年の積雪量は昨年よりも一ヶ月近い開きがある= |
「2007年と同じ積雪量と推測」と、申し上げるのは、2007年の同一週は悪天候で取材できなかったためです。2007年は過去5年間で最も積雪量が多い状態でしたが、上段が2007年の同一週の一週間前の画像です。今週よりも若干多い様子がわかります。また、画像ではお示ししませんが、同一週の一週間後は今週よりもかなり雪解けが進んでいます。そのため、「2007年と同じ積雪量と推測」といたしました。
また、下段の画像は今週と積雪量が同じ時期に撮影した昨年の画像。撮影した時期は5月中旬ですから、今年は昨年よりも一ヶ月近く雪解けが遅いといえるかもしれません。しかし、別の見方をすれば今年は春先の降雪量が多く、増雪期から雪解け期に切り替わる5月上旬時点での積雪量が、昨年よりも多かったと考えるほうが正解だと考えられます。(→ Next)
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