ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2012/06/22〜23) D
【剣ヶ峰〜蚕玉岳】
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こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。
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先週の蚕玉岳山頂付近 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) D |
今週の蚕玉岳山頂付近 一週間の雪解けは高さ50センチ、横方向3メートル |
この一週間の雪解けは激しく、ご覧のように登山道が見え始めました。右の今週の画像の下部に雪渓の上端が見られますが、先週の上端からは10メートル以上下がっています。先週の画像にある赤丸の岩は、かなり遠くになってしまいました。
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2010年の蚕玉岳山頂付近 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) D |
2009年の蚕玉岳山頂付近 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) E |
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2008年の蚕玉岳山頂付近 2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2008/06/28〜29) E |
2007年の蚕玉岳山頂付近 2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2007/06/23〜24) E |
2011年は悪天候・バス運休で現地の撮影ができませんでしたので、2010年〜2007年までの様子と比較します。ご覧のようにかなりばらつきがあることがわかります。それでも今週の状況よりも明らかに積雪量が多いのは2007年で、。2010年が今年よりもやや多い状態です。
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稜線部分はかなり地肌が... |
激しい雪解けにより、稜線部分はかなり地肌が出始めて来ました。蚕玉岳直下の尾根部分はコマクサの群生地のため、立ち入らないようお願いいたします。
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稜線からの滑走部分も岩場が多くなる |
また、稜線からの滑走部分もご覧のようにかなり岩場が多くなってきました。
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柔らかい雪質 |
雪質そのものは全く問題ない状態です。この時期となると、たけのこ状の氷柱が問題となってきますが、その兆候は皆無です。
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積雪の多かった2007年の位ヶ原 2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2007/06/23〜24) E |
今週の位ヶ原 例年並みの積雪量 |
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積雪の多かった2007年の剣ヶ峰直下の岩 2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2007/06/23〜24) E |
今週の剣ヶ峰直下の岩 例年並みかそれ以下の積雪量に減少 |
上段は稜線から滑り降りたところから見る位ヶ原、下段の剣ヶ峰直下の岩付近の様子です。過去5年間で最も積雪量の多かった2007年の画像と比較します。上段の位ヶ原では2007年とほぼ同じで、過去5年間で最も多い積雪量が続いているとお伝えしたいところですが、この時期になると各年の差がほとんどなくなって来ました。そのため、例年並みの積雪量と言えます。また、下段の剣ヶ峰直下の積雪は、2007年よりも遥かに積雪量が少なく、例年並みかそれ以下の積雪量に減少しています。
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3分の1地点 分断箇所(斜面から緩斜面へ) − 岩の頭が出始める |
稜線から県道乗鞍岳線との合流地点までの区間を3分の1程度滑走したところ。急斜面から緩斜面に変化する部分です。雪解けが進んで6月中下旬ごろになると、この付近は左右から岩場やハイマツ帯が延びて来て滑走エリアが上部と下部に分断されて滑走できなくなります。
今年はようやく岩の頭が出始めました。昨年よりも二週間遅く、2010年〜2007年とほぼ同じ推移で、例年並みの状況と言えます。
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滑走コース内で最も狭い箇所 |
先週は45メートルの横幅がありました。しかし、今週は半分近くの26メートルまで減少し、おそらく、次週末にはこの部分で上下が分断する可能性がかなり高いと考えられます。
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バーン表面には細かなピッチ | 落石注意 |
バーン表面には細かなピッチができるようになってきて、夏の雪渓の様相が見えてきましたが、まだバーンは柔らかく、滑走上の問題はありません。それよりも、大人の頭くらいの大きさの落石が多数見られて、こちらのほうが要注意です。
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綺麗な青空 | 今日は夏至の翌日 −いつまでも明るい夕方 |
夕方になって本当に綺麗な青空に恵まれるようになって来ました。今日は夏至の翌日ということもあり、すでに15時30分になっていますが、時間を間違えてしまうほどの明るさです。
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全景 − 下部のバーンには氷柱ができはじめる |
バーン下部に差し掛かると、夜間の再氷結による氷柱ができ始めていることに気づきます。表面上見てわかるレベルではなく、ターンする足裏間隔から感じ取られるもので、まだ、滑走に支障を与えるものではありませんが、そろそろバーンコンディションが夏モードに変化しつつあります。
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県道乗鞍岳線 |
稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。
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切り通しは2.6メートル −2007年に次ぐ積雪量 |
切り通しの高さは先週から80センチ減少して2.6メートル。2010年は1.6メートル、2009年は1.3メートル、2008年は1.5メートル、2007年は3メートルでした。このことから、過去5年間でもっとも積雪量の多かった2007年に次ぐ積雪量が続いています。
なお、【剣ヶ峰〜蚕玉岳】のコーナーは、雪解けが激しいことから、今シーズンは今回が最後となります。
【春山バスの通る雪の壁】
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雪の壁 −現在は標高2500メートル以上の位ヶ原で楽しめる |
今年はゴールデンウィーク初日の4月28日(土)から運行が始まった乗鞍岳春山バス。そして、運行開始から5月中は標高2350メートルの位ヶ原山荘までの運行ですが、6月になると大雪渓・肩の小屋口バス停まで延長運行が開始されます。こちらは大雪渓・肩の小屋口バス停の500メートル手前の4号カーブの雪の大壁です。延長運行された時点では10メートルを大きく超える積雪量を誇ります。
前述のとおり、大雪渓・肩の小屋口バス停への延長運行開始は6月からですが、今年はそれよりも一週間早い5月26日(土)より始まりました。その年の積雪量や除雪の進行具合等によって、延長運行開始の時期は毎年前後する可能性があります。
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4号カーブの雪の大壁 − 高さ7.5メートル |
すでに申し上げているようにこの一週間の雪解けは激しく、この4号カーブの雪の大壁も、先週の9.3メートルから2メートル近くも低くなって7.5メートルとなってしまいました。それでも、圧巻する大壁の状況には変わりはありません。
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今回(2012年6月24日(日))に行われた第7回乗鞍天空マラソンのワンシーン |
こちらは先日(2012年6月24日(日))に行われた第7回乗鞍天空マラソンのワンシーン。この雪の大壁を目指して多くの選手が駆け上がってきます。そして、振り返れば穂高の山並みに背中を押されながらのレースが繰り広げられています。
梅雨の時期に開催されるこの大会は天候に恵まれないことが多々あって、折り返し地点を位ヶ原山荘や冷泉小屋まで引き下げて実施することもありました。しかし、今年を含めて過去3回は雨に見舞われることなく実施され、また、今回のように穂高連峰がこれほどまでくっきりと冴え渡るシーンに恵まれた大会は今回が初めてのことです。
なお、これまでの乗鞍天空マラソンの様子は、ノリクラ ヒルクライム・マラソン大会関連 をご覧ください。
春山バスの車窓からの雪の壁はまだまだ楽しめます。そして、7月に入ると一日三便の春山バスに代わって、毎時一便運行されるシャトルバスが始まります。7月に入っても7月上旬〜中旬頃までは、4号カーブ付近の雪の壁を見ることができると思います。今年のシャトルバスは運行ダイヤが一部変更されています。運行ダイヤの詳細については、お知らせ − 2012シーズン 長野県側県道乗鞍岳線(エコーライン)シャトルバスの運行ダイヤ変更について(2012/06/09) をご覧ください。
4号カーブまでは、乗鞍岳春山バスの到着した大雪渓・肩の小屋口バス停から500メートルほどですから、歩いて見に行かれることをお勧めします。4号カーブの位置は、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 でご確認ください。(→ Next)
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