ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.11(2012/07/21〜22) F
【畳平、お花畑】
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ここからは畳平のお花畑の様子をお伝えします。
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入口付近のお花畑 −ハクサンイチゲが満開 |
畳平のお花畑は、奥(西側)から開花が始まり、手前の入口付近が最も開花が遅い推移を見せます。こちらは入口付近の様子。開花が遅い入口付近でも、ご覧のようにハクサンイチゲが満開を迎えています。
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コイワカガミ |
そして、ピンク色に咲いているのはコイワカガミ。雨の中でも、カメラを近づけてシャッターを切る観光客の様子があちこちで見られます。
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周回コース分岐点 |
入口からさらに周回コースを進んで行きます。
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周回コース周辺の緑 − 木道と同じ高さまで成長 |
先週は乗鞍スカイラインが雨量規制のため通行止めとなり、畳平に向かうことができなかったため、お花畑の様子をお伝えすることができませんでした。そのため、先週の状況は不明ですが、今週は周回コース周辺の緑が、木道とほぼ同じ高さまで大きくなっていることに気付きます。
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こちらでもハクサンイチゲが満開 | ミヤマクロスゲが生い茂る |
二週間前のお花畑は、全域でハクサンイチゲはつぼみの状態でしたが、今週はほとんどが開花しています。また、ミヤマクロスゲなど、少し目立たない高山植物も開花の時期を迎えています。
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ミヤマホタルイ | ミヤマキンポウゲ ミヤマキンバイとの大きな違いは背が高い |
そのほか、ミヤマホタルイなどが開花し、先ほどのミヤマクロスゲなどが生い茂って、お花畑がかなり背丈の高い状態になって来ました。先ほども申し上げたように、周回コースの木道とほぼ同じ高さです。その背丈と同じくらいの高さで黄色の花を見つけることができます。
こちらはミヤマキンポウゲ。このほかに黄色の花といえば、ミヤマキンバイがあります。パンフレットや図鑑などで両者を見ても、その違いがはっきりしません。それは花の部分しか掲載されていないためで、実際は、ミヤマキンバイは地上から数センチの高さしかないものの、ミヤマキンバイは30センチ前後にも達するため、この違いだけをとってもすぐに判別可能であるわけです。
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まだつぼみのハクサンイチゲも残っている |
大半のハクサンイチゲが開花の時期を迎えていますが、中にはまだつぼみのものもあって、ハクサンイチゲのシーズンはこれからも続きます。
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周回コース奥へ進む |
そして、周回コースの奥(西側)へと進んで行くと...
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ミヤマクロユリのつぼみ | ハクサンイチゲのつぼみ(左上)と ミヤマクロユリのつぼみが同時に見られる |
ミヤマクロユリのつぼみがいたるところに見つけることができます。生い茂るミヤマクロスゲの中に埋もれてしまう状態で、観光客の中には気付かずに通り過ぎてしまうケースもあるかと思います。一旦、見つけることができれば、かなりの数が点在していることを発見できます。
この付近では、例年、ハクサンイチゲのピークが過ぎるころにミヤマクロユリが見頃を迎えます。そのため、右の画像ように、ハクサンイチゲのつぼみとミヤマクロユリのつぼみが、同じの時期に確認できることは珍しい現象です。
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一部ではすでに開花(ミヤマクロユリ) |
ほとんどのミヤマクロユリはつぼみですが、それでも一部ではすでに開花しているものも見られます。例年、この時期はミヤマクロユリが満開を見せる時期で、いつもよりも早めの推移を見せた昨年は、すでに枯れ初めていたほどです。
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いつもなら、周遊コースの奥では、ハクサンイチゲが終わりの時期を迎えますが、今年はもうしばらく楽しむことができそうです。
【昨年の今ごろは?】
台風一過となったこの二日間、乗鞍地域では台風による影響もなく、夏のノリクラが広がりました。
7月21日(木)は、台風の残していった湿った空気が広がっているためか、早朝は曇空が広がりました。大雪渓エリアも濃霧に見舞われましたが、次第に天候は回復傾向となり、徐々に青空が広がって行きます。しかし、湿った空気はしぶとく残り、冷たい風の流れる大雪渓内でも蒸し暑さが続きます。午後になって、ようやくしっかりとした青空が広がり、空気感が少しひんやりとした感覚を持つものとなってきましたが、それでも蒸し暑い状況が続きました。今日は訪れる方も少なく、コブを滑るスキーヤーもコース整備が難航しましたが、太陽が差し込むとともにコース内のスプーンカットも少なくなってきて、午後からの夏の雰囲気の中、スムーズにコブを滑る様子が見られるようになりました。
7月22日(金)は、昨日の蒸し暑さとは打って変わって、涼しい空気に包まれました。ほぼ、終日曇り空が広がり、時折、雨粒がパラパラと落ちてきますが、それ以上の天候の悪化はありません。山麓から湧き上がる濃霧が周期的に流れ、日差しがないノリクラはこんなに涼しいものかと改めて感じられた一日でした。
<編集後記>
「乗鞍は全域が一体...」
7月7〜8日に開催された 第9回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの特集 を先日掲載いたしました。この大会名からも想像できるように、岐阜県側の乗鞍スカイラインを舞台とした自転車のヒルクライムレースです。これまでは出場選手が少なかったものの、今年は昨年の二倍に近いエントリー数となり、その知名度も徐々に高まってきています。
乗鞍岳は岐阜・長野の両県にまたがった山域で、異なった趣を持っていることは確かです。この大会に出場された選手も、スタート直後から平湯峠付近まで続く旧道部分の劇坂をなんとか登り切り、乗鞍スカイラインをひたすら進んだ先の森林限界を超えてからのロケーションのよさに、一様に感動されていました。
ただ、気になるのは、選手の中から「裏乗鞍のレース...」という言葉が聞かれること。おそらく、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍に対比しての呼称と思います。日本各地を見ると「裏磐梯」などといったように、一般的に使われる名称なっていることもあり、「表裏」を名称に用いることは珍しいことではありません。
しかし、乗鞍には県境は存在しても、どちらが表でも裏でもないと常に思っています。そのため、WebSiteでは乗鞍全域で偏らない情報をお届けするように心がけています。それは全域で雰囲気のよさがあるからです。
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