ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.14(2012/08/11〜13) @

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(Update:2012/08/16)

 

お盆休みを迎えて週末ですが、それまで連日のように続いた晴天がお休みしてしまい、強い日差しがなくなって、過ごしやすい状況であったといえますが、ぱっとしない天候に、ただでさえ短いノリクラの夏をさらに短くしてしまったような週末でした。

取材一日目の8月11日(土)は、薄曇の朝を迎えます。早朝5時の気温は10℃しかなく、ひんやりとしたという感覚を通り越して、厚手のフリースを着ていてちょうどよいほどの状況。朝日が昇り始めると雲間から青空がのぞき、まずまずの天候から一日が始まります。ただ、天気予報は曇と雨のマークが並ぶ状況で、観光センター前駐車場にお越しになるマイカーの台数もいつもの週末か、それ以下の状況でした。朝はかなり冷え込んだ状況ですが、日が高くなるに連れて、蒸し暑さをかなり感じる状況。気温はさほど高くないものの、湿った空気の流れに包まれている状況でした。時折、パラパラと小雨が降るものの、レインウェアーを着込むほどではなく、また、次第に空気感がひんやりとしたものへと変わってきました。
また、今日は不消ヶ池や富士見沢・鶴ヶ沢などでクマの目撃情報があって、乗鞍環境パトロールの方々などが監視体制を取る様子もありました。

取材二日目の8月12日(日)は、天気予報がよい方向に外れて快晴の朝を迎えます。気温は12℃と昨日よりも高めですが、昨日と同じく冷え込んだ朝に、一枚多く毛布が必要なほどでした。快晴の空に朝から力強い太陽が昇り始めれば、夏山の天候にスイッチが入ります。8時過ぎには、モクモクと雲がわき始めて上空を覆いつくすようになって日差しがなくなります。その後も山麓から山頂方面へと絶え間なく雲が流れ、大雪渓付近はひんやりとした空気に包まれます。時折、雲間から日差しが差し込むことがありますが、肌を焦がすようなことはなく、今日は汗をかくことを忘れさせてくれた一日で、午後になっても天候の崩れることはありませんでした。

取材三日目の8月13日(月)は、早朝6時前から雨が降り始めます。シャトルバスは通常運行が始まりますが、雨は降ったり止んだりを繰り返す状況。時折、雲間に青空がのぞいて、ヒルクライムに出発しようとされている方々は、そんな天気に惑わされながら出発するものの、森林限界を超えた付近からひどい濃霧に見舞われ、県境付近では突風と横殴りの雨が終始続きました。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【8月11日(土)、観光センター前駐車場】      【大雪渓までの沿道の風景 T】
Page-2 : 【大雪渓までの沿道の風景 U】       【大雪渓に到着】
Page-3 : 【雪渓下部 T】       【雪渓下部 U − モーグルコース】
Page-4 : 【雪渓下部 V】       【雪渓中段】
Page-5 : 【雪渓上部 T】       【雪渓上部 U − モーグルコース@】
Page-6 : 【雪渓上部 V − モーグルコースA】
Page-7 : 【お盆休み前半の様子@ − 8月12日(日)は快晴と湧き上がる雲】       【お盆休み前半の様子A − 8月13日(月)は生憎の雨】
Page-8 : 【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記「ツキノワグマ」>
 
●参考資料●
(周辺地図) − ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版)      ノリクラ ガイドマップ (県道乗鞍岳線カーブ番号版)
(シャトルバス) − 2012シーズン版 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報

 

【8月11日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

こちらは早朝5時30分の観光センター前駐車場。

 

気温10℃ − 冷え込んだ朝 お盆休み初日はやや人出が少ない

気温10℃と、ひんやりとした感覚を通り越して、厚手のフリースを一枚着込んでちょうどよいほどの冷え込んだ朝を迎えました。天候は薄曇、それでも山頂付近は雲間から何とか確認できる状態です。

今日からお盆休みに入った方も多いのではないかと思いますが、6時の段階での観光センター前駐車場には、74台しかマイカーがお越しになっていません。普段の週末と遜色ない程度で、地元で観光産業に携わる方も多い中、お盆休みの来場を期待するこの時期には、ちょっと期待はずれの状況です。

数日前の天気予報では雨マークが並んでいて、今日の段階では曇に変更されていますが、やはり、2〜3日前の段階での天気予報の状況で、判断される観光客の方が多いのではないかと推測されます。

 

 

青空が見え隠れする朝 − 天気予報よりもよい状況

観光センター前駐車場にも朝日が差し込もうとしています。そして、日の出とともに上空には青空が見え隠れするほどで、天候は予報よりもよい方向へと傾いています。

 

シャトルバス乗車券発売所

そして、シャトルバス始発便が運行される時間が近づくと、乗車券発売所の前には列ができるようになってきます。

 

お盆期間中はタクシーもフル稼働

そして、シャトルバスの運行準備が始まるのと同じように、駐車場内にあるタクシー乗り場もいつものように乗客の方々がやってくるのをお待ちしています。やはり、タクシーの運転手の方々にとっても、このお盆休みの期間は書き入れ時。

 

タクシーの運転手さんならではの観光案内も

マイカー規制が実施されているため、畳平方面に向かうにはタクシーもしくはシャトルバスを利用することになります。どちらもメリット・デメリットがあることは間違いありません。ご利用される際にどちらのメリットを優先するかによって決めることになるかと思います。

でも、最終的には旅行にお越しになった方々の満足度が一番重要なポイントで、その満足度を何とか120%にしようと、タクシーの運転手さんも、色々な工夫や知恵をひねり出しています。

 

そして、シャトルバス始発便が到着します。

 

シャトルバス始発便に乗車

今シーズンは、新型のハイブリッドバスが何台か導入されたことは、すでにお伝えいたしました。ボディーサイズが長くなって、前後のシート間が若干広くなり、乗車される方には乗り心地がよくなっているはずだとのこと。ただ、ボディーが長くなっているため、ヘアピンカーブなどでは従来以上に気を使う必要があるとのことです。

 

いつもの週末なら2台程度運行されますが、今日の始発便は1台。この後の便の運行台数も若干少なめでした。しかし、翌日の8月12日(日)は、いつもの週末よりもやや多めの状態でしたので、若干遅れて混雑が始まるのかもしれません。

 

ご来光バスが帰着 日の出時刻によって停車場所が変わる

さて、こちらはご来光バスの下り便が観光センターに到着したところ。臨時バス停の標識がありますが、時期によって日の出の時間帯や場所が異なるため、ご来光バスもその時々のビューポイントに応じて、バスを停車させる場所を若干変更しています。

 

今日もたくさんのヒルクライマーがお越しになる

先ほど、畳平に向かうにはバス・タクシーを利用するしか方法がないと申し上げましたが、自転車という手段もあります。この時期の県道乗鞍岳線(エコーライン)は、バスやタクシーの台数よりも自転車の方が多いといってもよいほど、たくさんのヒルクライマーがお越しになります。

ただ、自転車でお越しになる方は、畳平など山頂方面に向かうことだけを目的としているわけではなく、ヒルクライムという激坂を自転車で登ることを主な目的とし、特に毎年8月末(今年は8月26日)に開催される全日本マウンテンサイクリングin乗鞍に出場する選手などは、トレーニングとしてお越しになるケースも多く見られます。

 

ヒルクライマーにとってノリクラは聖地

登山も山を登りますが、それとはまた違った達成感があり、ゴールの畳平は国内の自動車道最高標高地点でもあって、ノリクラのヒルクライムは、他の大会コースとは抜きん出て、絶大な人気があります。

 

【大雪渓までの沿道の風景 T】

ここからは大雪渓までの沿道の様子をお伝えします。

 

草木は季節に合わせて刻々と変化

このコーナーでは沿道の山野草・高山植物の様子を主にお伝えしております。この小さなエリアでも1週間単位で様変わりする様子を、これまでにもお伝えいたしました。

 

アカツメクサ 特徴のある三つ葉 − クローバーの仲間

ただ、ほとんど変化せずに咲き続けているのはアカツメクサ(赤詰草、別名−ムラサキツメクサ、マメ科シャジクソウ属)。葉の模様に特徴がありますから、すぐに発見できるはずです。大半のものが「三つ葉」で構成されていますが、「四つ葉」のものもたまに見つけることができます。

そんな四つ葉を見つけたら、ラッキーといえるでしょう。それは同じ仲間のシロツメグサは、クローバーという名で有名だからです。(四つ葉のクローバー)

アカツメグサの花期は5月〜11月とされていますので、これからもまだまだ咲き続けます。

 

アヤメの実

こちらはアヤメの実。ちょうど1ヶ月前の ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2012/07/14〜15) @ で、花期を迎えたアヤメを紹介いたしました。

 

見頃だった時期のアヤメ(2012/07/14)

そのときのアヤメはご覧のような状態でした。(2012年7月14日)

 

オオバギボウシ − 漏斗型の花が特徴

こちらもちょっと変わった形の花です。オオバギボウシ(大葉擬宝珠、ユリ科ギボウシ属)は漏斗型の花を咲かせますが、どうやらこのオオバギボウシはちゃんと開花せずに花期が終わろうとしています。

 

若芽は山菜として食用
(有毒のコバイケイソウと酷似 − 注意)

「大葉...」というくらいですから、根元にはご覧のような大きな葉があります。もうこんなに大きくなってしまってますが、新芽は食用にすることができます。また、新芽の頃の様相が高山植物であり全草が有毒であるコバイケイソウの新芽と良く似ているため、誤ってコバイケイソウを採取して食中毒を起こす例が毎年発生しています。

 

少し林の中をのぞいて見ると...

 

ノリウツギ イタドリ

その中に目立つのは、今が見頃のノリウツギとイタドリ。

 

オカトラノオ

すでに8月に入っていて、時期的には尾っぽのような花の形を見ると、若葉を晒して茹でれば食べられるというサラシナショウマかと思いましたが、葉の形状がまったく異なります。こちらはオカトラノオ(丘虎の尾、サクラソウ科オカトラノオ属)。6月〜7月が一般的な花期ですが、やはり標高が高いため、遅れて咲いているようです。また、乗鞍高原あたりで見られるものよりもやや小振りでした。

 

そんな小世界でもいろいろなものを見つけることができますから、シャトルバスの車窓やヒルクライムの目線からでも色々なものを発見できるはずです。

 

マルバタケブキ

こちらは先週もご紹介したマルバタケブキ(丸葉岳蕗、キク科メタカラコウ属)。先週のものはかなり小さいもので、こちらは標準的な大きさ。大きなものでは人の背丈近くまであって、葉は子供用の雨傘くらいの大きさがあります。これから咲く花ですから、随所で見つけることができるでしょう。 Next

 

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